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29.てめぇのパンツは何色だ!

翌朝、エナが俺を強引に揺すって起こした。


「ちょっと起きて!レタが居ないのどこに行ったか知らない?」


「知らない金髪の男の子に連れてかれた。」


無言で蹴らないで欲しい。言われないと僕分かんない。


「何で連れて行かれるの止めなかったの?」


「レタの知り合いっぽかったしいいかなぁと思って。…確かアディとか言ってたかかな。」


「それならそうと言って欲しかった。アディくんなら別に問題ないし。」


誘拐して問題ない人とか居るんですか?大事な妹なんでしょ?妹さんは狼さんだけど食べられちゃうかもよ?


「さあご主人様。お腹も空いたし、朝ご飯食べに行きましょう?」


大事な妹 < 朝ご飯なんだね。少しはレタのあの溢れんばかりの性欲を心配したら?


そんなことを思いながらも俺はエナに引きずられ、宿の食堂に向かった。


エナと朝食を済ませて部屋に戻る。そのときにエナに欲しいものがあるから付き合って欲しいと言われエナに付いて行った。


「何処に行くの?」


「…付いてくれば分かるから。」


エナにそれだけ言われたので後を黙って付いて行く。

そしてたどり着いたところは宝石店だった。


「ご主人様のお嫁さんになったんだから、その証が欲しいなぁなんて。」


顔を赤くし消え入る様に声がどんどん小さくなっていく。


やだ、なにこの子。超かわいいんですけど?どれが欲しいんだい?おじさんが好きなもの買ってあげるよ?


「この2つお揃いなのが良い。」


ほぅ、おじさんとお揃いが良いのかい?かわいいやつめ。


「すみませーん。この指輪欲しいんですけど?」


店員さんを呼びお揃いの指輪を買った。店を出て、休めるところに行くとエナが俺の服の袖を引っ張り二人並んで座る様に促してくる。


「ご主人様…、さっきの指輪私に付けて欲しい。」


「承知しました。お嬢様。」


「か、からかわないで!」


その声はいつもの様に強い口調では無かった。


俺はエナの左手をそっと優しく持ち上げ、薬指に先程買った指輪を嵌める。


「エナ。言ってなかったから改めて言うよ。俺と一緒に辛いことも乗り越えていこう。」


「……はい!」


そう言ったエナの顔は泣いてはいたが、俺が出会ってから今まで見たことないほどのとびきりの優しい笑顔を俺に向けた。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




蔵の大英雄は何をしてるんだ!レタちゃんが連れ去られたんだぞ!?何を差し置いても迎えにくるべきだろう。


僕の横でベンチに座ったレタちゃんは、もぐもぐとクッキーを頬張っている。


かわいいなぁレタちゃんは、大きくなったら僕と結婚しようね?


「アディくんはどうしてヴァルディ領に来たの?」


「蔵の大英雄がこの国の王様になったって聞いて、蔵の大英雄が王様になるとヴァルディ家はその側仕えになるよね?蔵の大英雄がどんな人か見ておきたかったのにあんなゴミカスだなんて…。」


「お兄ちゃんは良い人だよ?レタとおねぇちゃん達に色々と優しくしてくれたの。おねぇちゃん達もお兄ちゃんのこと好きだよ?」


「…かわいそうにエナ姉さん達もあのゴミカスに洗脳されているんだね。」


僕があのゴミカスからヴァルディ家の姉妹を救ってあげなきゃ。それにしてもあのゴミカス遅いな。


もう既に午後になっているのに一向に蔵の大英雄が現れる気配がない。クッキーを食べいたレタちゃんが何かに気付いた様だ。


「あ、お兄ちゃんだ。」


なに!どこにあのゴミカスがいるんだ。僕が辺りを見回すとエナ姉さんがベンチに座って泣きじゃくっている。その横にはあのゴミカスの姿が!


僕はその光景を見るなりゴミカスの前に瞬時に踏み込み剣を喉元に突き付ける。


「おい。レタちゃんだけでなくエナ姉さんにも何かしたのか?しかもエナ姉さんを泣かせて!本当に最低な奴だな!」


え?なに言ってんのコイツみたいな顔をするな!僕はレタちゃんとレタちゃんの大事な人を泣かせる奴を許さない。


「午前中にこの広場に来いって言ったはずだが?」


「あ、忘れてた。」


このゴミカス舐めているのか?もし僕が悪い奴だったらレタちゃんがどうなるか分からないのに忘れてただと?


「今から決闘だ。僕が勝ったらもうレタちゃん達に二度と関わるな。」


「え?俺戦闘力ないんだけど。」


「蔵の大英雄なのにそんな言い訳が通用するか!いいから勝負だ!」


あのゴミカスから君を救って見せるよ。見ててねレタちゃん。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




エナに指輪を嵌めてプロポーズの言葉を伝えたら、エナに喜ばれて感極まって泣き出した。そしたら、いきなり最低な奴って言われて決闘を申し込まれた。何が起きたのか俺にもさっぱり分からん。


「で?どうすれば勝ちなの?」


「僕はゴミカスに参ったって言わせたら僕の勝ち、ゴミカスは僕に参ったって言わせたらゴミカスの勝ちということにしよう。」


「俺が負けたらエナ達に二度と近づか無いのは分かった。逆に俺が勝ったらどうするんだ?」


「僕がゴミカスに負けたらゴミカスが僕のことを好きにしたらいい。まぁ僕がゴミカスになんて負ける訳無いけど。」


この子さっきから人のことをゴミカス、ゴミカスってどんな教育受けて来たんだ?俺が勝ったらその辺きっちり教育してやる。


「ご主人様大丈夫なの?アディくん相当強いよ?」


「て言っても白狼より強く無いんだろ?ならエナを抑え込める俺の敵じゃ無いね。」


「でもアディくんの家って他の獣人国の王家の懐刀として有名な家だよ?しかもその国はヴァルディなんか目じゃ無いくらい強い国だし。」


「え?」


ちょっと待ってと言う前にアディが決闘の開始を告げる。


「行くぞ!蔵の大英雄!」


人種なのにエナと同じくらいの踏み込みの速さで、一瞬のうちに俺との間合いを詰められそのまま剣を下から上に切り上げてくる。


ちょ、待てって!


俺は宝物庫を握りしめ剣の攻撃を防げと命令して俺の眼前に盾を出現させ、切り上げられた剣を完全に防ぐ。


おい。今の完全に俺を切るつもりだったよな?降参させる気ある?


「戦闘力がない奴が僕の剣を防げる訳ない、やはり人を嘘で騙す悪い奴だ!」


はいはい。悪い奴だよ俺は。


そう思いつつも試してみたいことがあったので、宝物庫に剣で切り付けろと命令する。


すると宝物庫の紐が剣を取り出し、アディに斬りかかる様に剣を数本振り下ろした。


しかしアディはその剣を全て斬り払い受け流した。


素人目で見てもアディが強いのは分かった。なのでお決まりの動けなくする方向で戦うことにした。


アディの身体の自由を奪えと宝物庫に命じ、例のアスパラさんに出てきてもらう。アディは最初の十数本は斬り捨てたが、両足をからめ取られそのうちに剣を持たない左手のみ動かせる状態となってしまう。


相変わらず強いなアスパラさん。


「おいおい、レタちゃんの騎士様?口だけはいっちょ前だな?」


「ひ、卑怯者!正々堂々と勝負しろ!」


「した結果がこれだろ?自分は剣使うけどお前は宝物庫を使うなって言いたいのか?素晴らしいスポーツマンシップだな?」


「こんなもの!剣で斬り捨ててやる。」


まだ手に持ってる剣で抵抗しようとアディが剣を振りあげたので、その剣を取り上げる様に宝物庫に命じた。


「あ、剣返して!」


「返せって言われて、相手に武器返すバカがいるか?謝るなら許してやってもいいけど?」


「ご、ごめんなさい。」


「声が小さくて聞こえんなぁ?そんな小さな声だともっと苦しめて欲しいって聞き間違えるかもなぁ?」


「相変わらずお兄ちゃんは悪役が似合う。」


「こんなのが私の旦那様だなんて…。」


エナとレタが口々にそう言う。あれ?君達俺のこと本当に好きなの?


「ごめんなさい…。」


「声が小さい!」


「ひぅっっ!ご、こめんなさい!」


涙目で上目遣いに謝ってくるアディを見て、あれもっといじめてやりたいと思ってしまった。


「アディくんのこの顔見てるといじめたくなるよね?お兄ちゃん?」


「なんかそっちの気がない俺でもなんかこう来るものがある。」


「や、やめて下さい!いじめないで下さい!」


「……降参するか?」


「降参します!なのでいじめないで!」


「分かった。じゃあ俺が勝ったから俺が好きにして良いんだよな?じゃあこのままいじめて上げよう。」


エナは俺のその言葉にドン引きしている。が、レタは目を輝かせている。


「さすがお兄ちゃん!鬼畜!外道!変態!」


「はっはっはっ!褒めても何も出ないぞ?さーて、アディ君?君のパンツを剥ぎ取って公衆の面前で君のかわいい愚息を晒すがいい!」


俺は宝物庫に命じてアディのズボンを脱がせる。縛られながらもアディはズボンを脱がせまいと抵抗するが、ついにズボンが剥ぎ取られる。


「さあアディ君?ズボンのお次はそのかわいい女物のパンツを剥ぎ取っちゃうぞ!」


ん?女物のパンツ?


もうやめて下さいとばかりに泣きじゃくっているアディ君は、見ないで下さいとばかりにパンツを頑張って手で隠そうとしている。


それを広場に集まった大勢の人が指を刺して見ている。


「さすがお兄ちゃん!公衆の面前で女の子のズボンを剥ぎ取るなんて魔王よりよっぽど魔王っぽいよ!そのまま宿に連れ込んでアディ君を食べちゃうんだね?」


レタ?ちょっと黙ろうか?


どうやらアディ君はアディちゃんだったようだ。ま?

早く書き終わったので投稿しちゃいます。

今日もう一回投稿するかは未定です。


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