*最終話*『そう来るのか。』
家に着くと『嫁』がどや顔で、夕食を用意していて、家の外にも香った通り、カレーだった。
海の友人達を促し、「先ず、手洗いにうがい。巧、」と言って、決まり事をやらせた。海の友達連中が、「華月 華が居た!?」と、賑やかだったが、気にしない。友美に「サイドメニュー」と言ったら、ショボかったので、簡単に作り足す。高校生男子が、此んなもんで満腹に成る訳が無いだろうと。豚肉も海老も出し惜しまず揚げてやった。横で友が「カロリー……」と呟いていた。気にするな。おまえの分は無いから。後はミモザサラダでも作るかと思ったら、既に翔平が準備を始めたので、南瓜とサツマ芋で、デザートサラダでも作っておくか。レーズンあるし、後は蜂蜜に、クリームチーズと。クリームチーズ持ち出したら、又嫁に駄目出しされた。「其れ、チーズケーキ用……」と。ケチかおまえは。「明日補充してやるし、作ってやる。」と、溜息と共に言っておいた。
………………作ってる腕に絡んで呪いの様に『チーズケーキ用……』て、呪文唱えるの、やめてくれるか?凄え邪魔なんだけど、コイツ。…………………面倒くさいわ、御前。かずいちが堪え切れずに笑ってて、翔平は横で困り切ってるし。………………お前等、いい加減にしろよ?
「危ないし邪魔だし、退け。」と俺は言う。友美は引かない。「明日のチーズケーキ用。」………しつこいな、コイツは。「……分かった。じゃあ今から買って来てやるから……」「其れ、物産展の、日本に売って無いやつ。」「…………………………………。」
「分かった、買って来るわ。」と、俺が言う。友美は「……………………?」と、なる。怪訝な顔だ。
携帯を取り出して、番号を弾き出す。翔平が流石に突っ込んで来るが、俺は気にしない。かずいちが面白そうに俺を見ている。呼出し音を聴きながら、待つ。
繋がった相手にこう言った。
「ああ、俺。今から『飛ばせ』るか?」と。相手は無理だと言う。だろうなと俺は思う。だから伝える。
「今すぐ『クリームチーズ』手に入れないと、明日の朝陽が拝めない」と。流石に友美が何処に掛けてるんだと聞いて来た。遅いなーお前は。答えるけどな。
「ジェットでもセスナでも戦闘機でも、何でも良いから、『飛ばせ』つってんの。今日中に『現地』飛んで、チーズケーキ用のチーズ買ってやらないと、嫁に殺されるんだけど?お前は其れで良い訳?俺が『死んだら?』上に怒られんの『御前』じゃ、無えの?」と。
流石に何処に掛けてるのーーーと、友美が絶叫したのだが、気にしない。気にしてられるか。
最初から大人しくチーズ位、譲れ。そんなチーズ無くたって、お前の好みのケーキ位、焼けるんだよ、俺は。おまえを悦ばせる為だけに、生きてるんだからな。何でお前は何時も俺を困らせんだよ。面倒な女だよな。もうそろそろ、俺に惚れたら?
そもそも此の『デザートサラダ』、お前『用』だわ。好物だろ?
ひとの携帯電話奪った友美が、会話相手に(勝手に)謝って、切りやがった。更に俺に文句を言い出した。なあ、友美。海って間違い無くお前の息子だわ。
※ ※ ※
「直夏さん……」
「……何?」
帰宅した私は、直夏に聞いてみた。この家って、何時もこんな『賑やか?』なのかなと。
陽藍お父さんと、友美お母さんが、『喧嘩』してた。陽藍さんは奥様を『華麗』に避けつつ、『食事』の準備中。適当に宥めながら。適当なのが気に入らない友美さんは、ムキに成ってるとしか………チーズがどうしたの? ケーキにするやつを、サラダに入れちゃったの? え? ニホンエリアのヤツじゃなかった? 貴重なやつなの? 駄目って言ったのに使った? ……………う〜ん。
「煩いっ!いい加減にしろ!じゃあ、その国ごと、『買って』来てやるよ!今日は諦めろ!子供かお前は!」
と、流石に陽藍お父さんが『怒鳴った』のでしたーー恐っ
で、華さんがーー『泣き』ました。大粒の『涙』が、はらはらと。
「違うもの。私が食べたいんじゃなくて、友理奈ちゃんが『好き』だって聞いたから。明日作ってあげたかったの! 店員さんおすすめのやつで〜。なんで『其れ』を使っちゃうの〜高かったんだよ」と。
其処に陽藍ぱぱさんは冷静に言った。『知ってる』と。顔をあげた華さん。『は?』と。
其処で翔平さんが間に入った。
「………人が悪過ぎ。ふたり共。友美さんもいい加減にしましょうよ。アンタの亭主が質が悪いの、……今更でしょうよ。『其れ』、はあ。『明日、リムネットから』ーー持って来ますよ。まあ、『ワンダー』の方でも『使って』ますけどね、ねえ?『かずいち』さん。質悪いっすね。」
『ホント、ふたりして、悪趣味だわ。』と、翔平さんは嘆いていたーー
「…………………え?」
華さんが戸惑う。お父さんが『言う』。
「だから、『明日』『補充』してやるって、俺、『最初』にちゃんと、言ったよな?」と。
華さんーーいや、友美さんが、色々言いたそうにしていたけど、何から言えば良いのかーー迷子みたいだった。
「はい、はい、俺が悪かった。怒鳴ってごめんな。機嫌直せ。何して『欲しい』んだ?」
と、『俺』は聞いてみる。茶番だと理解っている、『息子』達が、にたにたーーしている。お前等ーーその顔、駄目だろ、おい。
嫁が『茶番』に『付き合う』。
「国は要らない。」でしょうね。
「……1ヶ月位………仕事お休み………」「お前、仕事引退したろ」「私じゃなくて!」
「………陽藍さんがお休みをね」「無理。」「………………………………。」
と、言うやり取りを。野次が何か言うーー知らない振りで。
「お父さんお母さん、茶番その辺でいい?話あるんだけど?」
と、痺れ切らした長男にぶった斬られました。卓君、もうちょい付き合おうよ。つまらん奴だな、おまえは。で、やっぱり『そう来た』か。
卓と龍が、『光明』と、『なつの』を、『小学生』姿のままで、『連れ帰って』来ていたーー嫌、親元に『置いて』こいよお前等は。
「……………『卓』、『俺』は、『其れ』、聞きたく無いな。…………卓『頑張れ』」と、言って、そっぽを向いた。
「卓君。……………お母さんも『嫌』です。じゃあ『龍』君、『頑張って』?ほら、お母さんは『狐ちゃん』の『面倒』で手一杯なの! …………無理だからね?」
「嫌、この子達の『御指名』、『海』君だからね。『海』頑張れ?」
急に話を『振られた』海は、『何が!?』と叫んだのだった。
陸さん曰く、なつのちゃん達の『成長』は、多分、一年位で、『本来の姿』に追い付くらしいよ?
……………親御さんが、匙を投げたのか、不安があって、此方に託したいのか、分からないけど、
「親御さん達は反対したんだけどね。当人達が、どうしてもと。仕方無いので、『預かって』来ました。先に言うね?『ごめんなさい』。僕は『無理』。じゃあ帰るねっと」
卓さんが、逃げて※消えた。
「じゃ、俺も。」
龍さんも消えて、逃げました。〜めでたしめでたし〜?
ではないだろw
残った面々を御紹介します。私事、紀端改めーーって、そうだ、私も言う事『在った』んだ。
「はい、追討ち掛けます。『議題』、『婚姻届』についてです。さてと、おじ様? 陸さん?」
おじ様が疲れ切って、
「じゃあ『冷める』前に、『メシ』」と、言ったのでした。茶番疲れるなと。
じゃあやらなきゃいいのにと、言ったのは『巧』君だった。
そして、女神ーー友美さんが言った。『旦那様?』と。
「さっきの『電話』の相手って、結局誰だったの?」と。
「ーー気付かなかったのか?」
「『山下』だよ。うちの『買い付け』担当なの。まあ、後で謝っとけ。」
『私が?』と、美しい女神様が言って、『彼奴おまえのファンだからな』と、食わせモノの最高神が応えた、此れはそんな茶番ーー『一家』に、うっかり『養女』に『成った』私の『物語り』。
「で、友理姉ちゃん、何?『婚姻届』て。」
海君の『友人』の中に、ちゃっかり紛れてた我が従兄弟君、『鹿島 悠緋』が、言ったので、私は答えた。
「ん? 私ね、『寝てる』間にね、『結婚』してたんだって」と。悠緋に『寝言か?』と言われた。
覚えとけ、悠緋、カレー食べたらリベンジだぞ。
婚姻届をいつ書いたのか? ですって? ほら、一回『帰って』来たでしょ?
あの時、直夏が持ってたんです。
喧嘩しちゃった日に、プロポーズしてくれる気でいたんだって。ねえ?早く言ってよ?
他の星に飛んじゃったじゃない。
勝手に出した『お父さま』に『お兄さま』にも、ちゃんと言い訳聞かせていただきますよ?
起きたら『友理奈ちゃん、君、我が家の養女にしたから今日から宜しくね』ってのより、ちょっとびっくりだったよ。もう!どうもありがとう!
『無理』と言いながら、狐ちゃんと、弓削君と、なつのちゃんに御飯おかわりさせてる、此の家族が大好きだ。
『家族』にして、『縁』を強めて、『私』を『無理矢理』『救って』くれて、ありがとう……おじ様。陸さん。龍さん、卓さん、友さん、律君。海君。巧君も、青さんも、お母様も。
直夏も。これからも、ねえ? 今度ちゃんと、『約束通り』、肉じゃが作るからね?
食べてよね。 〜fin.〜おわり。
お付き合い下さり、有難う御座ました!m(_ _)m完★結です。///直夏が仕事辞めた言い訳やら詰め込もうと思って、止めましたw友理奈の影が薄くなるからw(もう既に怪しかったのにorz)友理奈を軸に話を動かすと、華月さん一家がぐいぐい入って来て、正直困りました。(苦)夏央君の息子さんの『恋』を書きたかっただけだったんですけどね?当初。出そうと思った佐木家次男が何処に行ったのかw別作品で挑戦しようと思います。m(_ _)m




