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Ⅹ. ‐ 5. ‐ Ⅱ. クール・パニック〜『エンド.』

 おじ様が『消えちゃった』!



 そう思った私はぼろぼろと泣いていた。泣いても解決しないのにだ。


 直夏の腕の中だった。直夏に必死になって言う。


 「直夏! おじさま…、よ、陽藍さんは!? なんで『消えちゃった』の? 大丈夫なの?! 何処に…行った………の?…………。」と。


 言いながら思った。何故、『何処か』に行ったと『思った』のだろうかと。


 段々落ち着いて考えが纏まり始めた頃、その悲観な声は聴こえて来た。



 「ヤダ此れ寒い!」と。見ると女神達が皆ぶるぶると震え上がって居た。……布が少ないからじゃん? 自業自得だよ。 呆れたが、言われてみれば……寒いな?と、私も気が付いた。



 「…確かに…、寒い…な」と、アレフゥロードさまが近くに来ていた。ガイもだ。ガイに『大丈夫か?』と、心配される。うん、と、頷いた。大丈夫だよと。ガイがそうか…と、短く言った。



 「あ、ごめん、『結界』張ってるんだけど、まだ『寒い』? 流石……お父さん……強力だな。…参るね、あのひとは。……。」と、龍さんがそう言った。




 「さっ!寒い!」


 見ると白髪空からさんが、えらく震えてた。………寒いんだ?因みに白い普通さんは、……。友さんの側に居た……。友さんは平気そう。マリーサも。友さんも『結界』を張っているのだろうか……?多分そうなんだろう。



 「離せ!」


 その時後ろで騒ぐ声がして、見ると海君だった。あ、忘れてたよ。牡丹君と、わんちゃん……わん君相手に、『暴れてる』海君……。きみって。




 「海っ、暴れないで大人しくしておけ。お兄ちゃん助けないぞ。」と、卓さんが言った。………助けないの?



 「あ、海居るの忘れてたわ。」待って、青さん。……………酷くない?



 「……………ねえ、海さ、邪魔だよね。……どうする?龍兄、卓兄。」…………………………………。陸…さん。


 邪魔って言ったかな?……………弟なんだよね?


 「どうすんの? 友に丸投げ? そもそもお父さん、海どうするとか言ってたっけ?」と、龍さん。…………龍さんも優しくないのかな?



 涙引っ込みました。



 「………おじさんは『何処』行ったの?」と、直夏が聞いた。大丈夫だよね?   生きてるよね? 私は不安で皆を見る。




 「待ってくれ、確認させてくれ、さっきのひとーー嫌、かたがーー



『フェアリー・ヴァース様』……なのか?」



 突然ガイが変な事を『言い出した』。あれ、でも、女神さま達もーー確か……




 「あ〜なんと言うか、……多分ね。そう呼ばれる事が…あるみたいだけど、……あのひとは単に、俺達の『父親』なだけだよ?ん〜至って普通のひと?そんな事よりも…」と、返したのは龍さんだった。そして、手をかざしたな?と、思うや否や、空中に『スクリーン』が『現れ』た。





 うん? おじ様……だな。



 ええとですね。つまり。うん。アレフゥロード様もガイーー嫌、レザード君も私と一緒のリアクションだけど、こういう事です。





 空中に突に現れた『スクリーン画面』に、『おじ様』が映し出されています。って事。…………映画みたいにね。音声付きで。此れ何ですかって、龍さんに言ったよ私? 画面指差した龍さんが『お父さん』って涼しく言ったけど。




 背中のBGMビージーエムは、女神さん達の『嫌〜、寒い〜』と言う泣き言だった。正直邪魔だった。黙ってて欲しいな?おねえさん達。そう言えば何しに来たのかな?




 「え…なんでいるの?」直夏が言い出したので、そちらを見る。スクリーンの方。私ははっとする。そう、ようやく気が付いた。スクリーンの中にはおじ様以外の人物が居たのだけど、それはさっきまで此処にいて、『消えた』神様達の『他』にも居たの。その中の『何人か』に見覚えが在ったのだ。……俳優さんに……モデルさん……ドラマ、CMシーエム、広告、雑誌、映画、バラエティで見掛ける人達ーーつまりは『有名人』だった。その人達と、その他に後何人かが、おじ様ーー陽藍さんの近くに『在た』。そんな光景だったーー




 「美津之ミツノおじさん達は……仕事じゃ?」直夏が言った。




 『おじさん』って言った? ………………知り合いかなあ。知り合いっぽいね、直夏さん。後で……………………………………………………問い詰めてやる。




 美津原みつはら美津之ミツノ、職業・俳優。


 多川たがわ夏臣なつおみ、職業・モデル。


 大森おおもり直人ナオト、職業・俳優。私が見た事が『在る』人達とは此の3人だーー。………………格好いいね……………おじ様に見劣りしないよ……………流石…………ベテランの貫禄かな……分かんないけど。





 「あ〜あ、みんなして。なにあれ、嬉しそう。ストレス溜まってんのかね?」そう言ったのは、友さんだった。




 「ううっゼウスさま〜、寒いですぅ、あたためてくださいな」うふっとでも言う様な『甘ったるい』言い方で、女神のひとりが友さんに『向かって』懇願した。…………『…ゼウス?』




 ゼウスって確か、『神話』に出て来る神ーーだよね? 私、神話、詳しく無いけど。




 「俺はーーゼウスーーじゃない。」友さんがきっぱりと『否定』した。ーー恐かった。



 笑っているのに、笑って無いよ、友さん……女神さまは『馬鹿』だと思った。多分友さんは『怒って』る。気が立ってるーーみたいな。




 「………イジメ足りなかったかな?友どうする?」そう言ったのは、青さんだった。………苛めたのですか? …セイさんーー。



 「ミッションがい。」友さんは短くそう言った。友さんはずっとマリーサの側から離れていない。お陰でずっとマリーサ『うっとり』したままだけど。……酔ってるでしょ? マリーサ……。






 そんな時『スクリーン』から、大きな『声』が『漏れた』。





 『あ、やっばっ。俺さ、………あっちに此処の星神の奴、……………忘れて置いて来ちまったわ。…………後 うちのこも(笑)………やばいなあ……………どうしよね……………ま、いっか別に。(適当)』





 それは間違い無く陽藍おじ様の『声』だったーーやたらと響く。見ると海君が『真っ青』だった。もう『咥えられて』いなかったけれど。………多分、『お父さん』の『言葉』が、…ショックだったんだと思う………よ。  『忘れてきた。』でも『まあ、いいか』ってやつね。




 スクリーンの『向こう』は『愉しそう』だったーー





 * * *



 「は? おまえねw」


 「…子供わがこは忘れて来んな(苦)。…海、…大丈夫なのか?」


 「ん〜多分?」


 「待てってwお前ねw今間違い無く『疑問形』だったぞ?コイツw」


 「…………よう君……。心配はしてあげようよ?駄目でしょ、陽君ようくんはもう…orz」


 「…かなめ、陽藍…それ反省してねーからな?(汗)」


 「…嘘でしょ?…美津之ミツノ君…。陽君だって反省はしてるよ?ねえ?陽君ようくん?」


 「美津之あにき、…かなめ君……置いて来ちまった『此処の星神』の心配しようか?……ゆう辺りに【ぶっ潰されてんじゃ…】…こわ、いや、やめよう。……多分大丈夫だよな?なあ?直人ナオト?」


 「待て、つぐみ、……何で俺に振るの?………嫌、陸と………青も居るんだろ?………………直夏と龍では…………………。止め切れ無いだろうなあ?…………卓は止めないと思うし。」




 「お前等来て早々、ひとんちの子供達デスるの止めてくれないかな?何?俺に喧嘩売りに来たとかなのか?」



 「うわ、…こいつ………お前本末転倒な…」


 「夏臣、やめとけ。多分無駄だから(苦)」



 「…………陽藍、邪魔なら、皆……………帰らすけど? あ、要は帰らないでよ?」


 「ははっ俺の味方、もといだけな? あ、要、要は俺の味方だろ? 手伝って。」



 「…………ぼく、既に『手伝って』るよ………陽君……(苦笑)。」



 「確かに(笑)ごめんな要(笑)今後は気を付ける。忘れ『もの』は駄目だよなあ〜。」




 「「だから其処じゃね〜んだよ!海を忘れてくるなってか、心配もしてやれって!そもそも今回の『騒動』の原因『エネルギー』なんだろ!放置してたら『危ない』だろうが!!」」




 「あ〜それね。悪い違ったんだわ。それ。」



 ……………………………。「「は?!?」」






 * * *




 っていう『音声』と『映像』を…お届けしております……。……なんだこれ??




 「んっと?」


 龍さんとか、卓さんの方を見る。アレフゥロード様とレザードも私とリアクション一緒。


 「あ、結構酷い事言われてる、俺、傍観者決めるんなら、そもそもこんな『田舎星』に、来ないってのにねえ?あ、しまった。『僕』ね。」


 卓さんが言う。ああ、『僕』ってポーズだったんだ……。仕事柄なのかな。………『王子様』フェイス…………まあ、居ないよねーそんな『完璧人間』。やっぱり作ってるよね。ある程度?



 「………紀端さん。」

 「!! はい!?」


 ぶつぶつ考えてたら、急に卓さんに呼ばれたので、びっくりした。……声裏返ったよ……



 「君………、本当に毒舌だね。…………直夏にもなの?直夏?」と、卓さんが……


 ええ!?そんなに酷いかな??



 思わず直夏を見る。……毒舌なの? ………私?


 「えっ、友理ちゃん…………自覚無かったの?」




 ん?






 「律っ君っ!」


 「え、…何?」



 ……………律君が……居ました。……………何時の間に?




 「りっ、りつ兄ちゃん〜」


 と、泣き言を言ったのは勿論私では無い。ーー海君です。ごめんなさい泣き言どころか、泣いてました。


 「えぐぅ、りつ、律兄っ、うぐぅ、待ってた〜直兄ちゃんが『お前見捨てられた』って言うからさ。うっうっ、でも皆来て、おとうさ…、お父さんも……うぐ、きて、でも、はなし、してないのに…………、さっき、行っちゃって、……うっ、そしたらさっき、『あれ』、………お父さん映ってて、…………お父さん…………ぼくの事………………心配してなかった…………」




 そこまで『言い切った』海君がーー『だぱあ』と止まる事の無い様な涙を豪快に『流した』。嗚咽と共に。



 「はあ〜。……カイ。」




 溜息と共に『現れた』のは、『巧』君ーーだった。



 「………巧…………なにしに………おいて、……!置いてったくせに。………オマエ!」



 「違う、海。」律君が言うーー



 「オレがね、『置いて』行ったんだ。巧は関係無いよ。巧無理矢理連れ帰ったの、オレだもん。」


 と言う。



 「は?ーーーーー律兄ちゃん…………………?」海君は何だか理解らなかったみたいだ。





 いつの間にか辺りは『寒く』なかった。ーー

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