旅立ち
ベッラに連れられ、アリッサや母の故郷だった土地に花を手向けた。
「ベッラ、私...色々見て回りたい。旅に出たい」
「あんたもBランクに上がってるからね...もっと早くに旅に出ても、可笑しくなかったんだ。アリッサと私の我儘に付き合わせて、ごめんな」
アイテムボックスはマジックボックスに名称を何時の間にか、変えた。
アイテムボックスだと時間経過で採取した薬草は萎びたりするから...
けれど...マジックボックスだと、時間経過は任意らしく魔法で停滞させるのも、逆に促進させるのも出来る
ギルドカードをみれば...大分成長の証だな。
剣術B+
鑑定A+
マジックボックスS
隠蔽SS
覚りS
魔法 空間S 水S 風S
土A 炎B 雷C
口座は無いが変わりになるのがギルドカード...貯蓄が出来る。無論引き出すのも可能だが、ギルドカードで買い物が出来る。これ、どんなクレジットカード?
身分証明にも使える、クレジットカードで...住民基本台帳の云々か?
アリッサが亡くなり、渡されたのは腕輪とヴェール、それから水晶玉だった。
腕輪は遺品として、ヴェールは何時か私が身を隠す時に...水晶玉は探し物の際に使え...
本当にアリッサさんは私の元、家族を知らずに亡くなったんだろうか...どう考えても、バレてるじゃん?
あとこのヴェール鑑定したら陰形の効果が付いてるんだ。
簡単に言えばスパイの為に有るような...もっと簡単に言うなら被ってる間だけは、透明人間になれるみたいな!
あと、特に考えず隠蔽を着けてたけど...これのお陰で複製スキルを隠せてるみたいだ。
隠蔽は本当に何の為に付けたか自分でも解ってなかったし、ギルドカードみても良く良く考えたら何を隠すんだと思ってただけに...だから、隠蔽に隠された文字こそ複製らしい
水晶玉は失せ物探しに最適だけで、これは...先ず、占い師に弟子入りするルートが開いたか?
腕輪は剛力の腕輪...装備すると、パワーが50上がるそうだ。
ゴリラには流石に成りたくないと、マジックボックスに放り込む。
うっかり腕輪を複製したけど、複製した方の腕輪を着けたけど...普段より力が増したのか、剣を振り抜けば普段は時間がかかる魔法で応戦する狼を一撃で倒した。
剛力の腕輪
装備するとパワーが上がる
ちょっとこれ複製スキルチートだわ。ぶっちゃけ※複製とか着くかと思えば、着かない。
ただ、このパワーが上がるだけで...どれだけ向上するのか解らないのがネックだ。
ベッラには旅立ち用に鞄とローブ、剣を貰い、ギルドカードには旅立ちの日が書き込まれた。
「ありがとうベッラ、行ってくるね?」
「えぇ。メル、行ってらっしゃい。必ず戻ってきなさいね」
日記用のノートと硝子ペンとインク、手紙用の便箋と封筒に封蝋セットを買い込んだ。封蝋に使う印はアリッサやベッラの嘗ての地元の特産だったオリーブの葉をモチーフにしたものを選んだ。
蝶や薔薇は細かそうだしな...
家紋が無い冒険者は自分で好きなものを使うし、何らかの功績で爵位を受ける際に今までに使っていた中から選ぶので、家紋も冒険者のアピールも中々に賑々しい
冒険者が使うもっとも多い印は剣や盾、馬やドラゴン。
魔法使いの職に就いたものは杖や使い魔、もしくは好みの魔獣...ペガサスやユニコーン、ドラゴンが人気らしい。
ペガサスは翼が生えていて、ユニコーンは角が生えているそれだけで見分けがつくとギルドのおっさん連中は語っていたが...
スケッチブックと鉛筆が欲しいけど...無いなら諦めねば...
科学の国に行こうか?それとも魔法の国に行こうか悩んでしまうな...ここは、あえてどちらも行かないを選ぶとしよう。
道なりにそって歩き続けて居たら、とある男連中が集団で何かしているのが見えた。
男共は何か...あぁ...女に乱暴を働いていたのか...こんな壁も無いところで...何故だ?
嫌がる女の様子から、合意で無いことだけは確かで...
男連中を鑑定すれば、落ちぶれた盗賊王と出た男が居た。
えぇ...私のパパ、こんな小汚なかったっけ?
私の人生の汚点です、死んでどうぞ。
女をうつ伏せにして、のし掛かった男を背後から斬った。
男だけが斬られ、女は男の血を浴びたのが余程ショックだったのか気を失った。