弟子入り
翌日、アリッサさんに呼び出され...弟子入りを指名依頼を出された。
冒険者には使える手段ですよ?でも弟子入りを指名ってアリッサさん、貴女大丈夫?
半休とった受付嬢のベッラさんに文字通り抱えられて、一緒にアリッサさんの元に...
「はぁ?浮気の情報掴んでた、メルを弟子にしようって何考えてるの?あんたのスキルはこの国に役立つけど、態々後継に子供を選ぶって...傀儡にされかねないでしょ?」
「...解ってるし、そうならないように育てるから私を信じて、ね?」
「あんたの事は信用できない、けれど...メルは信頼出来る、けども子供だからまだ自衛出来ないのよ。Dランクに対人戦闘やれって言う事は少ないんだから」
「酷くない、私を信用出来ないって何でよ20年近く友達...ううん、親友してんのに」
「私、あんたの男見る目同様信じてないのよ...まぁ、メルはうちのギルドで仕事してるし、ランクと評価も順当に上げた。あんたの子供時代と違ってね?」
「あの、孤児院の院長は弟子入りするなら、孤児院を出るんだろうと言われ餞別を貰ってしまったので帰るに帰れませんので置いてくれると助かります...」
「任せな!」
「アリッサ...あんた、もっとちゃんと考えてよ...」
それから...アリッサの自称、残り短い寿命の間...実際は5年近く共に生活していた。
アリッサと共に有るのは中々に有意義だったし、鑑定スキルもモノにした。
けれど、アリッサは冬の寒さ突き刺す日に眠るように亡くなった。
ベッラには後継で有ることは暫く明かさないように指示された。
彼女には、私に関わってこようとする者全てが敵に思えたのかも知れない
ベッラにとって、アリッサの忘れ形見めいた何かか?
5年で孤児院の子供達はこの国を出たか、亡くなるかしたのだろう...孤児院の院長は代替わりしたし...
私は...Bランクになった。Cランクで良かったのに...
まぁ、アリッサが亡くなり...ベッラも旦那を亡くして居たので、久々に私を引き連れて、アリッサとベッラの生まれ故郷の...あった土地に連れ出された。
「此処が私達の故郷だった場所...かつての先読の一族...先見の明みたいのを言うんだけど...巫女姫は恋に溺れて、堕ちてしまった。遠見の巫女姫、マリーア。メル...あんたの実母だよ」
「流石ギルドと言うべきかな?私のこと...アリッサは何処まで知ってた。」
「あの子は知らないままさ...アリッサとマリーアは双子のように育てられたからね...因みに、マリーアの妹がアリッサの旦那を寝取ったメアリーだ。」
身内が師匠相手にやらかすとか胃に大ダメージ負わすなんて...