自立と弟子入り
冒険者ギルドの開始ランクはFらしい。
一ヶ月以内にEランクに上がらないと、また最初からやり直し...因みにEからDに上がるまでは三ヶ月の猶予がある。
DからCランクには対人戦闘も組み込まれるし、Bランク昇格にはBランクの魔物と戦闘で勝利することだ。
Cランクが最も多いのは、Bランクに上がらなくてもせっつかれる事が無いからだそうな。
なら、目指すはCランクだ。
こなす仕事は薬草やベリーの収集...時折そこそこデカイ蜂や蝶がうらうら飛んでて鬱陶しいが、払ったりしようものなら、攻撃されるからね...森のルートに出向く時は白い服だよ...
最初の内は4日に1度、そして3日に1度に成り、孤児院の手伝いも有って...毎日は行けないので、1日置きになった。
ギルドは他に商業ギルドもある。
そこから、服飾、薬剤調合、鍛冶、家具木工、食事レシピと多種多様...に分かれる。
薬剤にもなるけど食材にも使えたり、木材の削りカスも集めて染め物に使ったりも有るらしい
既に知識が流れているのか、元々有ったものが発展したのかは判別出来ないけれど...でも、染め物ってモノによっては鼻が曲がりそうなのあるよね
藍とか...色は良いけど、もう体験はこりごりかな?
確か、鍛冶も弟子入り必須だっけ?剣士や騎士、魔法使いも料理人...そのどれもが弟子入り必須なの許しがたい...ゲームとかだと、威力はくそ雑魚でも最初から使えるのに...変な所だけリアルで困る...
Eランクに上がり、採集も昆虫や小型の魔物関連の物がふえた。
そもそも最初のランク上げは経験を積むのは勿論、報連相を出来るようになることなのかも知れないが...
ギルドに登録してからもうじき4ヶ月、Dランクに上がった。
孤児院の何人かは既に亡くなったらしく、院長にお金と骨壷みたいなのが渡されているのを見掛けた。
私達も、間引かれているのだな...と冷めた心で眺めていた。
隣国ならマシだったのか?
しっかしなぁ...魔法の国の孤児院て絶対魔法使えなきゃじゃん?奴隷落ち待ったなしみたいな?科学の国も親が居ないならちょうど良いと実験台に回されそうよね...死亡フラグだけはどんな国でも生えるから不愉快...かといってあの親の下に居たんじゃ、ろくな死に方出来ないし...
覚りは割と恐ろしいスキルだと思う...まぁ、このスキルのお陰で危険回避出来てるけど...ただ、このスキル睡眠時以外はフルオートで人の心覗き見するからね...厄介。
だって、院長がショタコンとかクソどうでも良い情報も解るし...
不倫も浮気もあるのが普通とかマジ、勘弁しろし...キープならキープ君、キープちゃんで呼び分けてくださいよ!こちとら奥様のえーと...メアリーさんはお元気ですか?ってうっかり聞いてメアリーって誰よ!...って修羅場作ったのは私が心読めちゃうからだけど...
因みに奥様はアリッサさん、その件のメアリーとは親友だったらしいが即効縁切りしたし、旦那の浮気をばらしちまった私は何故か歓待を受けた。
ろくでなしを養う暇は無い...って貴女が稼いでたのか?
「まぁ...珍しいスキル持ちなわけだし、あぁ驚かなくて良いし、警戒は...まぁしても、しなくても私は解るから良い」
「まずは座れ。私はアリッサ、鑑定士だ。一応この国にも鑑定眼の持ち主は他にも居るが...メルの特異性は末恐ろしいな。悪用は控えな隠蔽と覚りなんて...親は...そうか、孤児院の冒険者ってことだし居ないのか?」
教会に行けない...洗礼を受けれないような、貧民街出の子供なら親がスキルを知らず手放したのか...難儀な
そのアリッサさんの思考読めるけども...親には最近棄てられたが、別に言うほどじゃないな...
「あの...アリッサさんには、鑑定でどのように見えているのでしょう?」
「ギルドカード有るだろ?大体それと一緒...名前と年齢に性別と、どのランクか...それに加えて、疚しいことが有れば個人差は有るだろうが解りやすいんだ。まぁ...あの馬鹿には女が居るのは解っても誰かは解らなかったから、離縁状突きだしにくくてね...そうだ、メル。あんた私の弟子に成らないか?」
鑑定スキルが欲しくなったのは事実...
でもアリッサさん若いのに終活するのにちょうど良い、ゴミ野郎と縁切りして弟子育てようじゃないでしょ?
錬金術士か薬剤士に診てもらおうよ...医者はこの街には居ないから
弟子入りとか、面倒なルートなんで書いたんだろ最初は無かったのに