第240話:閑話 その6 ひとりぼっちのおひめさま
――むかし、むかしのおはなしです。
あるところに、かわいいかわいいお姫様がいました。
王様と王妃様がだいじにだいじに育てているお姫様です。
ですが、そのお姫様はいつもひとりぼっちです。
ちいさなころから、ずっと、ずっと、ひとりぼっちです。
お姫様が住んでいるお城にはたくさんの人がいますが、おともだちはひとりもいません。
妹のお姫様も、つよい戦士も、まほうつかいも、料理人も、召使いも、お姫様には近づきません。
ある日、お姫様は王様に言いました。
『どうしてわたしはひとりぼっちなの?』
王様はお姫様に言いました。
『それはね、おまえがお姫様だからだよ』
王妃様は言いました。
『それはね、あなたがお姫様だからよ』
お姫様は言いました。
『どうしてわたしにはおともだちがいないの?』
お姫様はふしぎでした。
おともだちがほしいのに、だれもおともだちになってくれないのです。
『それはね、おまえがお姫様だからだよ』
『それはね、あなたがお姫様だからよ』
二人はそう言います。
ですが、お姫様はなっとくができません。
お姫様はちいさいころからどんなものでもあたえられていました。
おいしいごはん、あたたかいねどこ、きれいなふく、かわいらしいおにんぎょう。
ですが、おひめさまがほんとうにほしいものはあたえられません。
『もういいわ、おともだちはじぶんでみつけるもの』
お姫様はほおをふくらませて、王様と王妃様から離れていきました。
おこったお姫様はじぶんのおへやにもどります。
『ねえ、わたしとおともだちになってくださる?』
お姫様はかわいらしいおにんぎょうにそう言います。
ですが、おにんぎょうはなにも言いません。
おくちがあってもおにんぎょうはおはなしできないのです。
お姫様は言いました。
『あなたがおしゃべりできたらよかったのに』
そうすれば、おともだちになってくれるでしょう。
ですが、おにんぎょうはなにも言いません。
それがおひめさまにはとてもかなしかったのです。
お姫様はなんども、なんどもねむりました。
おひさまがお空にのぼり、なんどもしずんでいきました。
それでもおともだちはできません。
妹のお姫様も、つよい戦士も、まほうつかいも、料理人も、お姫様には近づきません。
ですがある日、お姫様におともだちができました。
『おひめさま、おひめさま』
なんということでしょう。
おはなしできなかったおにんぎょうが、おひめさまにこえをかけてきたのです。
『あなたはわたしのおともだち?』
『はい、おひめさまのおともだちです』
お姫様は喜びました。
はじめてのおともだちができたのです。
それがおひめさまにはとてもうれしかったのです。
お姫様はなんどもねむりました。
おひさまがお空にのぼり、なんどもしずんでいきました。
もうかなしくはありません。
だいじなおともだちができたのです。
ですが、お姫様にはおともだちがひとりしかいません。
妹のお姫様も、つよい戦士も、まほうつかいも、お姫様には近づきません。
ひとりいれば嬉しかったおともだち。
お姫様は思いました。
『ひとりでこんなにうれしいのだから、ふたりいればもっとうれしくなるわ』
おにんぎょうはおはなしすることしかできません。
おひめさまはいっしょにあそんでくれるおともだちがほしくなりました。
お姫様はねむります。
おひさまがお空にのぼり、しずみます。
『おひめさま、おひめさま、いっしょにあそびましょう』
するとどうしたことでしょう。
お姫様に新しいおともだちができました。
おひめさまはとても、とても、うれしくなりました。
お姫様はなんどもねむりました。
おひさまがお空にのぼり、なんどもしずんでいきました。
妹のお姫様も、つよい戦士も、お姫様には近づきません。
ですが、おひめさまはかなしくありませんでした。
おひめさまにはおともだちがいるのです。
おともだちはおはなしをしてくれます。
おともだちはいっしょにあそんでくれます。
『おひめさま、おひめさま、わたしもおともだちにしてください』
おひめさまにおともだちがふえました。
大きなお城の中に、おともだちがたくさんいます。
それがとてもうれしかったのです。
お姫様はなんどもねむりました。
おひさまがお空にのぼり、なんどもしずんでいきました。
かわいいかわいいおひめさまは、きれいなきれいなおひめさまになりました。
ある日、お姫様は言いました。
『わたし、お外に出てみたいわ』
大きなお城の中はおともだちでいっぱいです。
ですが、おひめさまはお城の外にもおともだちがほしくなりました。
いっぱい、いっぱい、おともだちがほしくなりました。
おにんぎょうがお姫様に言いました。
『おひめさま、おひめさま、あたらしいおともだちをおよびしましょう』
おともだちがお姫様に言いました。
『おいしいごはんをよういしましょう』
『みんなでいっしょにうたいましょう』
『きかざってみんなでおどりましょう』
『たのしいたのしいうたげにしましょう』
おともだちのことばに、おひめさまはわらいました。
『おともだちはおおいほうがいいわ』
もう、さびしくはありませんでした。
お姫様はなんどもねむりました。
おひさまがお空にのぼり、なんどもしずんでいきました。
ある日、お姫様の前に一人の少年が現れます。
少年は剣を掲げながら言いました。
『きみはわるいやつだ。この剣でたいじしてやる』
少年と一緒にいた女の子が言いました。
『あなたはわるいやつね。わたしがたいじしてあげるわ』
女の子と一緒にいた、たくさんの人間が言いました。
たくさんの人間は、とても、とても、おこっていました。
『おまえはわるいやつだ』
おひめさまはおどろきます。
どうしてみんながおこっているのかわかりません。
おひめさまはおともだちがほしいだけなのです。
女の子が言いました。
『かわいそうなおひめさま。ひとりぼっちのおひめさま』
女の子は怒っていました。
とても、とても、おこっていました。
『おひめさま、おひめさま』
おともだちがおひめさまをまもります。
少年は剣を振るって戦いました。
女の子は白い、大きな龍へと姿を変えます。
たくさんの人間はおひめさまのおともだちと戦いました。
『おひめさま、おひめさま』
おともだちがひとり、またひとりとたおれていきます。
『どうしてこんなことをするの?』
お姫様は悲しくなりました。
たいせつなおともだちは、どんどんたおれていきます。
少年は言いました。
『ぼくのたいせつなひとをかえせ』
お姫様は言いました。
『ここにいるのはわたしのおともだちだけ』
怒った少年が剣を振るいます。
するとどうしたことでしょう。
強い風がおともだちをたおしていきます。
お姫様のおともだちはどんどんたおれていきます。
『おひめさま、おひめさま』
最後に残ったのは、おにんぎょうだけになりました。
お姫様は嘆き、悲しみます。
ああ、なんということでしょう。
おひめさまは、またひとりぼっちになってしまったのです。
お姫様は言いました。
『どうしてわたしはひとりぼっちなの?』
少年は言いました。
剣を掲げて、言いました。
『君がそう望んだからだ』
少年は剣を振り下ろしました。
それは、ひとりぼっちのおひめさまのおはなしです。
かなしい、かなしい、ひとりぼっちのおひめさまのおはなしです。
「こういう話って、普通は何かしらの教訓を子どもに与えるものだと思うんですけどね……わたしの故郷とは違うんでしょうか?」
古ぼけた一冊の絵本を読み終えたカンナは、ため息を吐くようにしてそう言った。
絵本の表紙には『ひとりぼっちのおひめさま』という題名が刻まれており、カンナは丁寧な手つきで本を閉じる。絵本は何度も読み返されたのか革表紙も頁もところどころが擦り切れているが、持ち主が大切にしていることが伝わってきた。
「そうかしら? わたしとしては色々と身につまされる思いがするわ。ええ、ええ、そうですとも」
絵本の持ち主――レベッカはカンナの感想を聞いて小さく笑う。
カルデヴァ大陸の南西に存在するポラーシャ王国。その王都に存在する宿屋の一室に集まったカンナとレベッカは、互いに穏やかな雰囲気を漂わせながら雑談に興じていた。
話題はレベッカが持ち歩いていた絵本についてである。机を挟んで椅子に座り、くつろいだ様子で言葉を交わし合う。
「ああ、そういえば貴女は似たような境遇でしたね」
「まあまあ、酷いわ。ええ、酷いわ。わたしはここまで“突き抜けて”いなかったもの」
読み終わったカンナが差し出した絵本を受け取ったレベッカは、その視線を部屋の隅に向けた。
「貴方も読む?」
視線の先にいたのはローランである。カンナとレベッカの会話に巻き込まれないよう大人しくしていたというのに、レベッカに水を向けられて内心で少しだけ焦る。
「さすがにこの歳で絵本は読みませんって」
苦笑しながら右手を振るローラン。しかし、その反応が気に入らなかったのかレベッカの目が僅かに細められた。
それに気づいたローランは焦ったように口を開く。
「……あーあーあー、俺もガキの頃に母親から似たような話を聞かされた覚えがありますけど、話の流れが違ったような気がするんですよねぇ」
「あら? それはそれは……興味があるわ。ええ、とっても興味があるわ」
どういう話かしら、と笑顔で小首を傾げるレベッカの姿に、ローランは会話の選択を誤ったと肩を落とす。それでも記憶を探り、幼少の頃に聞いた物語を必死に思い出し始めた。
「どんなってーと……あー、たしか、姫様じゃなくて姫様を倒した側の物語だった……ような?」
「それで?」
「……幼馴染みの女の子を城に連れ去られて、それに怒った少年が姫様を倒すために仲間を集めて……」
「うんうん、それで?」
欲しいものを強請る幼子のように、笑顔で話の続きを促すレベッカ。そんなレベッカとは対照的に、ローランは冷や汗を流し始める。
「……悪いお姫様を倒して、めでたしめでたし?」
「…………」
にこり、とレベッカが笑みを深める。それは道を歩けば多くの人間が振り返りそうなほど魅力的な笑顔だったが、ローランはひしひしと命の危険を感じ取っていた。
「わたしの力で操れば思い出すかしら?」
そう言いつつ、レベッカが右手を上げようとする。しかし、カンナから鋭い視線をぶつけられて手を止めた。
「――味方に使っちゃ駄目ですよ?」
笑顔のレベッカに勝るとも劣らぬ、綺麗な笑顔を浮かべるカンナ。その手には何も武器を持っていないが、レベッカの手を止めさせるには十分な気迫が込められていた。
「ふふっ……冗談よ、ええ、冗談ですとも。カンナちゃんのお気に入りの子を壊すなんて、そんなことしないわ。貴女はわたしの大切な“お友達”ですもの」
「そう言ってもらえるのは嬉しいですよ。わたし、歳の近いお友達がいませんから」
うふふ、あはは、と笑い合うカンナとレベッカ。
そんな二人の会話を聞いていたローランは頬を引きつらせる。
笑顔と共に剣呑な雰囲気を漂わせる二人だが、言葉にした通り友人同士であることに間違いはない。ただし、友情の方向性が間違っているだけなのだ。
レベッカの『魅了』の力も、カンナには通じない。それ故にレベッカはカンナに懐いている節があり、時折こうして“じゃれつく”のだ。
(傍で聞いてると、胃が痛みそうになるけどな……)
片や、グレイゴ教の司教第三位にして『双閃』と呼ばれる少女。
片や、グレイゴ教の司教第六位にして『傾城』と呼ばれる少女。
ローランからすれば年下ながらも敬うべき上役である。正攻法では勝ちの目がほとんど存在しない、化け物のような相手だ。
「お遊びはこれぐらいにしておきましょうか。いえ、わたしもローランの話は気になりますけどね?」
レベッカと笑い合っていたカンナだが、気が済んだのかローランへと視線を向ける。
「……何か気になることがありましたかね?」
おぼろげにしか思い出せず、話せたことはほとんどない。それでも何か気にかかることがあったのだろうか、とローランは首を傾げた。
「同じ話だと思われるのに、二つの視点……この絵本で言えばおひめさまと少年、それぞれの側に立った物語が存在するのでしょう? ローランの記憶が正しければ、ですが」
「まあ、そうなりますね」
話の詳細は覚えていないが大筋は正しいはずだ、とローランは頷く。すると、カンナは意味ありげにレベッカへ渡した絵本を見た。
「二つで一つの物語なのかもしれませんし、他にも物語があるのかもしれませんが……歴史書の可能性があると思うんです」
「……この絵本が、ですかい?」
「ええ。仮にそうだとしたら、“そのままでは残せない”から絵本という形にして後世に遺した……そんなこともあるかな、と思いました」
そう言いつつ、カンナは机の上に置かれていた水差しを手に取る。水を入れると沸かしてお湯にしてくれる魔法具で、どこからともなく取り出した“急須”に緑色の茶葉を入れてお湯を注ぎ始めた。
「たまにあるんですよね……レベッカ、その本を書いた人って誰なんです?」
「裏表紙の隅に名前が書いてあるけど、かすれているのよ……残念だわ。とても残念だわ。辛うじて読めるのはシーカーという文字だけなの」
「そうですか……まあ、いつの時代の話なのかはわかりませんが、さすがに著者は死んでるでしょうね」
湯飲みに緑色の液体――お茶を注ぎながらカンナが呟く。
「カルデヴァ大陸で似たような話は聞きませんし、わたしの故郷では剣を使わないので他の大陸の話でしょう。おそらくは、物語に出てくる少年かおひめさまに近しい人物が書き記したのではないか、と思うのですが……」
カンナは熱々のお茶にふうふうと息を吹きかけ、少しずつお茶を飲んでいく。
「あ、二人も飲みます?」
「熱いし苦いから結構よ。以前それで舌を火傷したもの」
「俺はもらいますね」
レベッカは嫌そうな顔をするが、ローランは冷や汗で流れ出た水分を補給するべくお茶をもらう。
「ふぅ……この熱さと苦さが美味しいのに……まあ、雑談はこれぐらいにしておきますか」
興味は引かれるものの重要でもない絵本の話題を横に置き、カンナはローランへ視線を向けた。
「それで? あの『狂犬』と戦った感想は?」
カンナが口にしたのは、先日城塞都市アクラにて繰り広げた戦いに関してだ。その問いかけを受けたローランはお茶を一口飲んでから顔をしかめる。
「ありゃ噂通り……いや、噂以上の化け物っすわ。レベッカ様の翼竜が拾いに来てくれなきゃ死んでましたね」
お茶が苦かったわけではない。ジルバとの戦いを思い返すだけで眉が寄ってしまうのだ。
ジルバとの戦いは完敗と言って良いだろう。左腕を折られ、愛用の曲刀にヒビを入れられ、率いていた部下は全滅。レベッカを模した魔法人形も破壊されるというおまけつきだ。
折られた左腕は治療を受けて元通りだが、砕かれた自信まで元通りとはいかない。
「ですが死ななかった。それは誇って良いと思いますよ」
「生憎と負けて誇れるほど卑屈にゃなれませんで……ま、あの『狂犬』が相手なら逃げられただけで誇れるってのも納得ですがね」
“アレ”は遭遇してはいけない類の生き物だ、とローランは内心だけで呟く。同時に、敗北はしたものの戦うことができて良かったとも思う。
(二度と会いたくねえが、仮に戦うことがあれば次は負けねえ……いや、うん、すぐには無理だろうから、俺一人でも逃げ切れるぐらい強くなってやる……)
ローランは前向きなのか後ろ向きなのかわからない決意を固める。
そして、そんなローランを横目で見つつ、カンナは爆弾を投下した。
「ところでレベッカ。あの少年……レウルスでしたか? 彼はどうでした?」
どこか楽しげな様子でカンナが問いかける。すると、レベッカは裂けんばかりに口の端を吊り上げ、満面の笑みを浮かべた。
「――最高よ。ええ、最高だったわ」
なまじ顔が整っているだけに、その笑顔は禍々しく映る。レベッカの笑顔を直視したローランは、そっと視線を逸らして小さくため息を吐いた。
(おいおい……とんでもない相手に気に入られたなアイツ。関わらないよう勧めてみたが、まさかこんな事態になるとは……)
善意から忠告したものの、レウルスは結局レベッカから逃げなかった。危険を冒して忠告した点を思えば同情する必要もないのだろうが、明らかに執着している様子のレベッカを見ると色々と思うところがある。
「ねえ、カンナちゃん。聞いてくださる? 王子様ったら、わたしの力に囚われながらもわたしの首を刎ねてみせたのよ? すごいと思わない?」
「最初から効かなかったのではなく、効いた上で反撃したんですか? それはそれは……とても素敵なことですね」
「でしょう? 嗚呼……今頃何をしているのかしら? 司教なんて立場がなければ、今すぐにでも会いに行くのに……」
年若い女性らしく、きゃいきゃいと明るく騒ぎ始めるレベッカとカンナ。
レベッカは恋する乙女のように頬を赤く染め、それを見たカンナはからかうように笑っている。
しかし、そんな二人の会話を聞いていたローランは必死に真顔を保ちつつ、心の中だけで引く。
(王子様ってなんだよ……魔法人形とはいえ自分の首を刎ねられて喜ぶってなんだよ……)
もしかすると、司教ほどの強さを得るためには人として大事な何か放り捨てる必要があるのか――ローランはそんな疑問を抱いた。
「外見だけで判断するなら、わたしと同じか少し年下ぐらいでしょう? それに、冒険者という立場なら“正式に”鍛えればこれからまだまだ伸びるでしょうし……うーん、前途有望ですねぇ」
「でしょう? でしょう? これからもっと強くなるわ、ええ、きっと強くなる。次に会うのが楽しみで楽しみで仕方がないわ」
「あはは、あなたがそこまで執着するなんて、わたしの見立ては間違ってなかったってことですね」
意中の男性を話題にしたような、年若い女性らしい会話。それは何も知らない者から見れば微笑ましく見えたかもしれない。
「良いですね――成長したら是非とも死合いたいです」
「ふふふ――カンナちゃんったら」
二人の声色が変わり、部屋の温度が一気に下がったような錯覚をもたらす。カンナもレベッカも笑顔を浮かべたままだが、刃を突きつけ合うような殺気が溢れていた。
「ほら、先に目をつけたのはわたしじゃないですか。だから少しぐらい……ね?」
「駄目よ、ええ、駄目だわ。王子様にはわたしを壊してもらわないといけないんだから」
二人の殺気と魔力に中てられたのか、ローランが使っていた湯飲みがピシリと音を立ててひび割れる。
(用事があるからって言って部屋から出て行ったら……駄目そうだなこりゃ)
足音を殺して離脱しようにも、気付かれたら矛先が向きそうだ。
そう判断したローランは興味を引かない程度に小さくため息を吐くと、アクラの町中で出会ったレウルスの顔を脳裏に思い浮かべ、目の前の二人と出会わないことを祈る。
祈る以外にできることがないとも言えるが。
(悪いな、戦友。俺にできることはなさそうだ……)
“仲良く”笑い合っているレベッカとカンナの横で、次はいつ会うともしれないレウルスの幸福を祈るローランだった。
サブタイトルを「女子会」か「明るい女死会」にしようかと迷ったのは内緒です