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世知辛異世界転生記(漫画版タイトル:餓死転生 ~奴隷少年は魔物を喰らって覚醒す!~ )  作者: 池崎数也
5章:異形の国喰らいと無名の精霊

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第169話:『国喰らい』と『魔物喰らい』 その4

 パキパキと霜柱でも踏むような軽い音が、バキバキと派手な音へと変わっていく。


 その音は凍り付いているはずのスライムから発せられたもので――スライムが動き出したことに気付いた瞬間、レウルスが駆け出していた。


この三日間で魔力も回復し、気力も十分、少しばかり睡眠不足だが戦闘に支障はない。相手がスライムならば問答を交わすこともないだろうと最初から『熱量解放』を使い、全力かつ最速で仕留めにかかる。


 蹴り付けた砂浜が大きく凹み、舞い上がった砂塵を置き去りにする疾走。レウルスは『龍斬』の柄を両手で握り、右肩に担いで瞬時にスライムとの距離を詰めた。

 スライムは強引に氷の束縛を解いたらしく、“まだ”動き出してはいない。しかし時間をかければ凍っていた影響から脱し、襲い掛かってくるだろう。


 目の前のスライムが友好的な存在だという可能性もある――などと思考することはなかった。


 氷の束縛を強引に破った瞬間、レウルスに対して過剰ともいえる敵意が向けられたからだ。

 それだけでレウルスは理解する。目の前のスライムは明確な敵で、青い少女のためにもここで仕留めるべきだと。


 駆け出した時と同様に、砂浜を陥没させる勢いで踏み込む。『熱量開放』によって底上げされた脚力は踏み込んだ砂浜を円状に爆散させ、周囲に砂塵を撒き散らす。


「オオオオオオオオオオオオオォォォッ!」


 相手が“あの”スライムだというのも理由の一つだが、明確な敵意と殺意がレウルスの体を動かす。『龍斬』に魔力を込め、踏み込みと同時に上段から振り下ろして魔力による斬撃を叩き込む。

 スライムの体が完全に溶けているのならば、『龍斬』の刃がどうなるかわからない。そのためレウルスはスライムの皮を斬りつつ、魔力の刃で“中身”を叩き切ろうとした。


スライムの弱点は体内の『核』である。ジルバの話を信じるならば、『核』さえ破壊できればスライムも殺せるはずだ。

 問題があるとすれば眼前のスライムには三つの『核』が存在することだろうが、その全てを破壊すれば良いだけの話だろう。


 動き出したといっても、それまで凍っていた影響はゼロではない。問答無用で斬りかかったレウルスに対する迎撃はなく、その巨体が機敏に動いて斬撃を回避するということもなかった。

 スライムの外皮も、『龍斬』ならば斬り裂ける。あとは放った魔力の刃で『核』を両断するだけだ。少なくとも、レウルスはそう思っていた。


「っ!?」


 レウルスが放った魔力の斬撃は、スライムの体を大きく斬り裂いた――が、それだけだ。


 たしかにスライムの皮は強靭だったものの、『龍斬』の切れ味ならば斬り裂ける範疇である。スライムの“中身”についても、ほとんど抵抗なく斬ることができた。

 だが、スライムの体内を斬り進み、十メートルほど進んだところで魔力の刃が霧散した。体の中心付近に存在する『核』までは届かず、一つも断ち割ることができなかったのだ。


 ――それならばもう一度斬撃を叩き込む。


 レウルスは即座に判断して『龍斬』を振りかぶったが、つい今しがた付けた巨大な裂傷が急速に塞がっていく。それはまるで時間を巻き戻すように、割れた水が元に戻るような自然さと速さで、レウルスの斬撃によって刻まれた傷が瞬く間に“元通り”になってしまった。『龍斬』によって斬り裂かれた皮部分も、元通りに接着している。


「チッ……厄介だなぁオイ!」


 斬ってもすぐに復元するというのなら、復元するよりも先に『核』を破壊するしかない。レウルスは再びスライムの皮を斬り裂き、魔力の刃で肉を穿つ。そして傷口が塞がるよりも早く連撃を叩き込み、『核』に向かって肉を切り分けていく。


 『核』は半ば溶けかけたスライムの体の中心――距離にしておよそ25メートルほどの位置に点在している。レウルスは手数で強引に斬り開き、あと少しで『核』に到達するというところまで斬り裂くと、一際大きく愛剣を振りかぶった。


「叩き――斬るッ!」


 これまで以上に魔力を込める。ここ三日ほどスライムを食べ続けて蓄えた魔力を乗せ、踏み込みと同時に上段から銀閃を叩きつける。

 『核』に届かせるにはまだ“肉”が邪魔をしているが、レウルスに出せる全力の一撃だ。多少の障害などそのまま斬り飛ばし、その勢いで『核』を両断する――。


「…………?」


 その直後に起こったことを、レウルスは一瞬理解しかねた。


 大剣を振り下ろして放った魔力の刃は狙い通りスライムの体内を突き進み、『核』へと直撃した――と、思ったのだが。


 レウルスが放った魔力の刃はスライムの体を縦に斬り裂き、そのまま突き抜けてメルセナ湖の水面に斬撃の跡を刻み込む。


 ――肝心の『核』は、レウルスの魔力の刃を“避けて”いた。


 レウルスが狙いを外したわけでも、魔力の刃が届かなかったわけでもない。スライムの体内で『核』が急速に散開し、レウルスの斬撃を回避していたのだ。

 多少動いただけならば、そのまま魔力の刃で斬り裂けただろう。だが、スライムの『核』はそれまでの緩やかな動きが嘘のように、狭所で跳ね返るゴム玉のような動きで魔力の刃を高速で回避していた。


「そんなに速く動けるのかよ……っ!?」


 思わず呆然とした呟きを零すレウルスだったが、それまで斬り裂いていたスライムの体が急速に元通りになっていく。それも、レウルスを巻き込むように左右から、両手で蠅でも叩くように押し寄せていた。

 それに気づいたレウルスは追撃を諦めて砂浜を蹴り付け、後方へと跳ぶ。細かい砂で占められている足場は動きを鈍らせるものの、『熱量開放』による強化された脚力は余裕を持った回避を可能とした。


 余裕を持って回避しなければ、非常に危険というだけの話ではあるが。


(ジルバさんの話だと、体に取り込まれたらその時点で詰む……属性魔法を使えないと倒すのが難しいって話だったか……)


 属性魔法は属性魔法でも、風魔法や雷魔法が効果的だと言っていた。

 たしかに体の大部分が液体と思わしきスライムでは火炎魔法の効きも悪く、氷魔法でも体を凍らせるのが精々だろう。仮に氷の矢などを撃ち込んだとしても、『核』に届く前に消化されそうだ。


(エリザがいれば……いや、ないものねだりしてても仕方ねえ。あの子もいるし、手はある……はず……)


 スライムを警戒しつつ思考を練っていたレウルスだが、スライムの動きを見て思考が途切れた。


 完全には氷が解けていないのか、ぎこちなさを感じさせる鈍重な動き。ズズズ、と重たい音を響かせながら、スライムが立ち上がっていた。


 それまで孤島の端で“寝そべって”いたスライムだが、体を起こすとその巨大さが嫌でも理解できる。さすがに『城崩し』には劣るものの、全体の大きさだけでいえば火龍であるヴァーニルにも勝るだろう。

 氷の束縛から逃れたスライムの体は饅頭型で、幅は30メートル程度、高さは10メートル程度と巨大である。透明に近い体色は体の奥まで見通すことができ、相変わらず三つの『核』が蠢いているのが見えた。


 レウルスからすれば突如として小山が出現したような状況で――その巨体が跳ねる。


 突如として地面が揺れ、スライムの体が波打ちながら宙へと舞い上がった。あまりにもいきなりの行動にレウルスは度肝を抜かれたが、高々と舞い上がったスライムが自分と青い少女を押し潰すつもりだと察し、即座にその場から離脱しようとする。

 だが、少女はスライムの落下地点から離れようとしていない。それどころか落下してくるスライムを見据え、魔法を発動するつもりなのか両手を掲げようとしていた。


 これまでスライムを凍らせていた少女ならば、“もしかすると”再び凍らせることができるかもしれない。そうでなくとも、真下から氷魔法を撃ち込んで『核』を破壊することができるかもしれない。


 その代償として落下してきたスライムによって圧死するか、体内に飲み込まれて溶けて消えるだろうが。


 レウルスは瞬時に進路を変え、スライムに向かって魔法を放とうとしている少女を横から掻っ攫う。左腕を胴体に回して荷物のように抱え上げ、少しでもスライムの落下が遅れるようにと林に向かって逃避を図る。

 それしか手がないのならば、相打ち覚悟で相手を仕留めるのはレウルスとしても賛同するところだ。先ほどの少女の行動は、相打ちにすらならなかった可能性が高いが。


「……レウルス、なに?」

「何? はこっちの台詞だ! っとぉっ!?」


 不思議そうな声が聞こえてきたため叫ぶレウルスだったが、背後にスライムが落下してきたためバランスを崩しかける。下手すると百トンを超える水の塊が落ちてきた、と考えるとその威力は計り知れないものがあった。

 スライムが“着地”した衝撃は局地的な地震のようで、レウルスの体も一瞬だけだが浮き上がる。


(逃げ遅れたら圧死か融解の二択とか洒落にならん……『核』を斬らない限り“傷”すらできないんじゃどうしようもないぞ)


 足が地面につくなり、レウルスは乱立する木々をすり抜けるようにして走っていく。木にぶつからないよう注意しながら背後に視線を向けてみると、落下してきたスライムは周囲の木々を体内に納めて体を震わせていた。


 スライムに飲み込まれた木々が、音も立てずに消化されていく。木の数は五本程度だったが、枝も葉も幹も、地表に露出している全ての部分が数秒とかからずにスライムの体内に溶けてしまった。

 あとに残ったのは、スライムが着地したことですり鉢状に凹んだ地面だけである。地表に生えていた草も消え失せ、岩や石も吸収されたのか土の地面が見えるばかりだ。残っているものがあるとすれば、溶けて幹から切断された木の根ぐらいのものだろう。


「なんだアイツ……いくらなんでも食い意地が張り過ぎだろ! 見境なしか!?」

「…………」


 瞬く間に孤島の一角を更地に変えたスライムに対し、レウルスは叫んでいた。そして、そんなレウルスを青い少女が無言で見上げる。何か言いたげな顔をしていたが、スライムの動向を確認していたレウルスが気づくことはなかった。


(アレがスライム……アレが『国喰らい』……そりゃあ国も滅ぶわ)


 スライムが見せた雑食性に、レウルスは内心だけで戦慄する。

 “成長すれば”『国喰らい』のあだ名通り、国の一つや二つは滅ぼせそうだ。逆に言えば、今はまだそれほど強力な存在ではない。


 レウルスと少女を圧し潰そうとしたスライムは、まだまだ成長の途中なのだ。体がさらに大きくなり、優れた敏捷性が備われば強力無比で、それこそ火龍のヴァーニルとも渡り合えそうに思える。

 だが、今はその領域に達していないのだろう。現時点でも間違いなく『城崩し』よりも格上だろうが、少女を抱えたレウルスが逃げ切れる程度でしかない。


 ――この場所が孤島でなければ、だが。


 孤島は大して広くなく、レウルスが全力で走れば十秒とかけずに端まで辿り着ける広さしかない。孤島に着地したスライムの体だけで、孤島の一割ほどが消えてしまうほどの広さしかないのだ。

 当然ながら周囲は水に囲まれている。陸上ならば例えスライムが飛び跳ねてきても逃げ切れるが、『熱量開放』に回している魔力が尽きればそれで“終わり”だ。


「レウルス、下ろして」


 天候が荒れていない今ならばメルセナ湖の湖面を走れないだろうか、と益体もないことを考えるレウルスだったが、左腕で抱えている少女が淡々とした声をかけてくる。

 スライムは地を這うようにしてレウルス達との距離を詰めてきているが、進路上にある木々を逐一取り込んでいるため動きが鈍い。レウルスは言われた通りに少女を地面に下ろすと、『龍斬』を両手で握り直した。


(このお嬢ちゃんと共闘すれば勝てる……といいんだけどな……)


 スライムを凍らせ続けていた以上、少女が優れた氷魔法の使い手だというのは疑いようもない。それに加えて水も操れるらしく、戦い方次第ではスライムをどうにかできそうではある。

 スライムの動きを少女が止め、レウルスが突っ込めばどうだろうか。数秒――可能なら十秒ほど動きを止めてくれるならば、レウルスとしても賭けに出るのだが。


(でも、魔力がな……あのスライムを止めるのは難しいか?)


 少女の魔力の回復速度は目を見張るものがあるが、元々限界が近づいていたのだ。動き始めたスライムを止めるのは至難の業だろう。

 さて、どうしたものか、とレウルスは思考を巡らせる。一番良いのはこの場から逃げ出し、倒せる戦力を揃えることだ。


「わたしが食い止める。レウルスはその間にこの島から逃げて」


 そして、青い少女はそんなレウルスの思考を真っ向から否定する。初めて会った日に語った通り、逃げるようレウルスに言い放つ。


「あのスライムが人間のいる場所まで行ったら大変なことになる。きっと、多くの人間が死ぬ。わたしがあのスライムを止めている間に、スライムのことを人間に知らせてほしい」


 そう言いながら、少女が湖面に向かって右腕を振るった。すると、音を立てながら湖面が凍り付き、不格好ながらも船に似た氷の塊が生み出される。


「レウルスが乗ったら水にお願いして岸まで運んでもらう。わたしが消えても、一度作った水の流れから外れなければ大丈夫だと思うから」


 これまでにないほど長く、そして切実な声色で少女が言う。他人と話すことに少しは慣れてきたのか、それともそれだけ大事な話なのか。

 少女は必死だった。そして、この場に残れば文字通りの必死が待っている。


「一つ聞くけど、この島から離れたらお嬢ちゃんは死んでしまう……そんなことはないよな?」


 だが、レウルスはそんな少女の必死さを受け流して質問を投げかけた。


「……? ない……けど……」

「そうか……よし、決まりだ」


 徐々に迫りくるスライムを睨みつつ、レウルスは口の端を吊り上げる。


「お嬢ちゃんがこの場に残るなら俺も残る……って言ったらどうする?」


 少女の決意は賞賛すべきものだろう。己を犠牲にしてもスライムを食い止め、レウルスにスライムの情報を持ち帰れというのだから。


 なるほど、それならば確かにレウルスは助かるに違いない。魔力が限界近いとはいえ、これまでスライムの動きを封じていたのは眼前の少女だ。

 その能力の高さから、レウルスをメルセナ湖の岸まで送り届けるのも不可能ではないだろう。スライムの出現を知らせるかはレウルス次第というところに“手落ち”を感じるが、命の恩人である少女の言葉を守ることに抵抗はない。


 冒険者であるレウルスの言葉がどれだけ信じられるかという問題はあるだろうが、その辺りはジルバに協力してもらえばどうとでもなるはずだ。

 自分の身の安全だけを考えるならば、少女の申し出はそれこそ渡りに船だろう。


 ――“そんなもの”は糞食らえだ。


「お嬢ちゃんがこの場に残って時間を稼いでも、それほど意味はないんだよ。自殺志願者なら止めはしないが……いや、やっぱり止めるな。お嬢ちゃんは命の恩人だし、是非ともうちの町に来てほしいし」


 困惑したように見上げてくる少女を再び左腕一本で抱え上げ、レウルスは全力で跳躍する。そして少女が作り出した氷の船に着地すると、少女を下ろしながら苦笑した。


「俺一人でスライムを倒せたら格好もついたんだろうけど……うん、ありゃ無理だ。俺とお嬢ちゃんが協力しても無理だろ」

「だったら……」

「ああ。ここは逃げて、俺の仲間と合流する。そうすればお嬢ちゃんが死ぬこともなくアイツに勝てるさ」


 再び島に戻りそうな少女の言葉を遮り、レウルスは言い放つ。他力本願など、本当に格好がつかないと苦笑を深めながら。


「俺の命を助けたのが運の尽きだ……んん? 何か違うな……これじゃ悪人っぽいか? ま、とにかく一緒に逃げてくれよ――ネディ」

「…………?」

「お嬢ちゃんの名前だよ。スライム喰いながらずっと考えてたんだ……って、自分で言っておきながら酷い状況だな」


 ようやく思い出したが、前世ではウンディーネという言葉があったはずだ。サラマンダーと似たような、精霊かそれに類する何かの名前だったとレウルスは思う。


(結局、サラマンダーのサラちゃんよりは少しマシか? ってぐらい簡単な名前だしなぁ)


 少女――ネディは言った。


 自分は“それしか”知らない、と。


 だからこそ、それならばと、レウルスは答える。


「他に何も手がないなら相打ち覚悟で挑むんだが、今回は島から逃げ出す手段もスライムを倒すアテもあるんだ。ネディがそれしか知らないっていうのなら、“違う答え”を見せるよ」


 そのためにも、まずはこの場から逃げる。勝てないのなら、勝てる状況になるまで逃げる。普段ならば勝てるまで全力で斬りかかるところだが、既に斬りかかって倒せないと悟っているのだ。


 ズルズル、と這いずるような音が近づいてくる。徐々に近づいてきていたスライムだが、その巨体が更に大きくなっているように見えた。

 スライムが通った後には何も残っていない。レウルス達が逃げる準備を整える間に孤島に生えていた木々を全て平らげてしまったらしい。その食欲にはレウルスも脱帽だった。


 “似たもの”同士、背中を向けて逃げ出すのは少々癪ではあったが、それを恥と感じるぐらいならばとっくの昔に死んでいただろう。跳躍するべく体を震わせるスライムの姿を見たレウルスは、傍らのネディに向かって叫んだ。


「跳んでくるぞネディ!」

「っ……」


 レウルスが促すと、ネディはその声に反応したように平手で湖面を叩く。すると次の瞬間、氷の船が急速に進み始めた。


 どうやら逃げる気になったらしい。そのことにレウルスは少しだけ頬を緩めたが、すぐに表情を引き締め、スライム目掛けて魔力の刃を放つ。

 スライムの跳躍力がどれぐらいかはわからないが、下手すると移動先を狙って落ちてくるかもしれない。魔力の刃はそのための牽制で、少しでも動きを妨げることができれば十分だろう。


 魔力の刃で出鼻をくじかれたスライムは数秒経ってからメルセナ湖に飛び込んでくるが、さすがに泳ぐことはできないらしい。それでも水中を巨大な魔力が移動しており、完全にレウルス達に狙いを定めていることが伺えた。


 こうして、レウルスはエリザ達との合流を目指してメルセナ湖を突き進んでいく。例えスライムが相手だろうと、エリザ達の協力があれば倒せるだろうと判断して。


 ――エリザ達の“現状”を知らないからこそ、素直にそう思えたのだった。

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