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第16話:命の対価

「ニコラとシャロンは組合からの依頼でしばらくいないの。坊やもそれなりに“使える”みたいだし、今日からは一人で動いてちょうだいな」

「まさかOJTが一日で打ち切られるなんてたまげたなぁ……」


 ニコラとシャロンに連れられて魔物退治を行った翌日。再びドミニクの料理店の物置にて夜を明かしたレウルスは、冒険者組合に向かうなりナタリアから投げかけられた言葉にそう呟いていた。


「おーじぇいてぃ?」

「こっちの話こっちの話。というか先輩達に依頼? ニコラ先輩なんて昨晩遅くまで酒飲んでたけど、大丈夫なのか?」


 レウルスが初めての魔物退治を無事に終えたお祝いと称し、ドミニクの料理店で閉店まで騒いでいたのである。冒険者組合で“用事”を終えたシャロンも合流し、更には他の冒険者まで加わってのどんちゃん騒ぎを繰り広げていたのだ。

 今世の体がどれほど酒に強いかわからないためレウルスはほどほどで退散したが、ニコラは文字通り浴びるようにして酒を飲んでいた。酒に強いのかもしれないが、下手すると今頃は二日酔いで苦しんでいるかもしれない。


「ニコラはアレでしっかりしているから、仕事に影響が出るまでは飲まないわ。シャロンもついてるから大丈夫でしょう」

「はぁ……あんだけ飲んでも大丈夫なんて、ニコラ先輩って酒に強いんだな。問題がないなら良いんだけどさ」


 むしろ問題があるとすれば自分の方だろう、とレウルスは思う。ナタリアの話が嘘でも冗談でもないのなら、今日からは一人で動くことになるからだ。


 OJT――職業教育がたったの一日で打ち切られたことは由々しき事態である。


 前世で見知ったブラック企業でも新人研修が一日で終わることはない。短いとはいえある程度の教育期間を設けるのが普通であり、その間に新人の性格や能力を見極めて適正な部署へ配属させるのが常だ。


(あっ……よく考えたら俺がいた会社は“まともな”新人研修なかったわ……)


 中には例外もあるが、かつての自分がその例外だったことを思い出してレウルスは軽く凹んだ。習うより慣れろ、先輩の仕事を見て自分で学べ、それが無理なら会社を辞めろという最悪極まる環境だったのである。


(……むしろなんで辞めなかったんだよ俺……って、昔のことは良いんだよ)


 今を生きる世界は色々と世知辛くて厳しいが、少なくともブラック企業は存在しないのだ。生まれた時から奴隷同然の環境だったものの、それがこの世界における“当たり前”だという側面もある。

 そのため頭を振って意識を切り替えたが、同時に、無視できない疑問がレウルスの内側に湧き上がった。


 レウルスはニコラやシャロンから冒険者という職業について色々と教わったが、さすがに一日で放り出すような雰囲気ではなかった。ニコラ達の口振りから判断しても、しばらくの間は共に行動していたはずである。


(急に組合の依頼が入ったって言っても、それなら俺の教育を後回しにすればいいだけの話だろ? たしかに昨日だけでも色々と経験できたけど、先輩冒険者の指導を打ち切って仕事を与えるには早すぎる……うーむ、何か大きな問題でも起きたのか?)


 ニコラから話を聞き、なおかつ実際に戦うところも見たが、ニコラとシャロンはラヴァル廃棄街の冒険者の中でも指折りの存在らしい。請け負わせていた新人教育を中断させてそんな二人を駆り出す必要がある依頼とは、一体何なのか。

 ナタリアに対してチラリと視線を向けてみるが、薄く微笑んでいるだけで何も窺い知ることができない。これ以上は語ることもないと言わんばかりのその態度に、レウルスは内心だけでため息を吐いて深く追及することを避けた。


「……それで? 一人で動けって言われても、こっちは何をすればいいのかすらわからないんだが?」

「基本的には昨日と一緒よ。このラヴァル廃棄街に害を成す可能性がある魔物の討伐をお願いしたいの。もちろん、無茶なことは言わないわ。他の冒険者も駆り出してるし、街に近い場所で警戒してくれればそれで十分よ」


 どうやら町周辺の見回りだけで良いらしい。さすがに新人だけで魔物と戦わせる気はないようだ。


「もし魔物を見つけたら近くにいる冒険者に助けを求めても?」


 他の先輩冒険者も見回りに参加しているのならば、魔物の討伐は任せても良いだろう。他力本願ではあるものの、昨日から剣を振り始めた素人よりも安全かつ確実に魔物を倒してくれるはずである。


「坊や一人で倒してしまっても構わないわよ」

「ははは、無茶を仰る」


 艶のある笑みを浮かべて無理難題を言い出すナタリアにレウルスが笑い返すと、ナタリアは笑みの種類を変えながら小さな布袋を取り出す。


「一人で魔物を倒せるようになれば、もっと多くの報酬が出るわよ?」

「……それは?」


 布袋の中身を察しつつも尋ねてみると、ナタリアは丁寧な手つきで布袋を紐解き、その中身をレウルスへと見せる。


「昨日の魔物討伐の報酬よ。イーペル一匹にシトナム二匹、それにトロネス三匹を倒した報酬と、諸々の素材の売却額……そこから税金を引いて三等分した分が入ってるわ」


 そう言われて布袋の中を確認してみると、そこには数枚の何かが入っていた。逆さにして手の平の上に取り出してみると、硬貨らしき物体が七枚ほど転がり出てくる。


「…………」


 思わず沈黙し、瞬きを繰り返すレウルス。己の色覚が狂っていなければ、手の平の上でその重さを主張する物体は銀色に輝いているように見えた。思わず手を上下させてみると、チャリチャリと金属音が鳴る。


「……銀貨じゃねえか!?」


 驚愕から復帰するなりレウルスは叫んでいた。そしてすぐに銀貨を布袋に戻して両手で握り締めると、周囲を警戒するように見回す。


 シェナ村にいた頃、村を訪れる商人と村の上層部が貨幣のやり取りをしているのを遠くから盗み見たことがあったのだ。その際レウルスが見たのは小振りの銅貨と大きめの銅貨、そして現在手の中にある銀貨の三種類である。

 他に何種類の硬貨があるのかは不明だが、シェナ村の取引では銀貨以上の貨幣を見たことがない。つまり、レウルスが握っている銀貨はかなりの額である可能性があった。


 もしかすると無理矢理奪おうとする者がいるかもしれない。そんな危機感から警戒を露わにするレウルスだったが、ナタリアが話した通り他の冒険者達は依頼に駆り出されており、組合の中にいるのはレウルスとナタリアの二人だけだった。

 それでもレウルスはナタリアがいるからと警戒の視線を向けたが、ナタリアは苦笑しながら指先で煙管をくるりと回す。


「報酬の700ユラはたしかに渡したわよ。初めて得た報酬だろうし、大事に使いなさいな」

「……大事に使えって言われても、“コレ”がどれぐらいの価値を持つのか俺にはわかんねえよ。村でも遠目に見たことしかねえんだ。できれば説明を頼む……なにせ生まれて初めてお金に触ったんでな」


 できればと言いつつも、その顔は切羽詰まっている。今世で初めて得た報酬は精神的にもずしりと重く、その価値がわからなければ使う気になれなかった。


「仕方ないわねぇ……まあ、坊やもこの町の身内になったことだし、そのぐらいなら教えてあげるわ」


 真剣なレウルスの様子を見て何を思ったのか、ナタリアは苦笑を引っ込めるなり指先で回していた煙管を机に置く。そして受付の奥に引っ込んだかと思うと、木製の盆に何かを載せて運んできた。

 何事かとレウルスが覗き込んでみると、そこには五種類の硬貨が並べられている。


「これらはラヴァル廃棄街が属する国家であるマタロイのみならず、わたし達が住むカルデヴァ大陸全土で使われているお金よ」


 盆の上には小振りの銅貨に大きめの銅貨、レウルスが手にした銀貨、更には小振りの金貨に大きめの金貨が並んでいる。銀貨があるのだから金貨もあるのだろうと考えていたレウルスだったが、実物を前にして思わず喉を鳴らしてしまった。


(“昔”テレビとかで見たことはあるけど、まさか死んでから本物の金貨を拝むなんてな)


 銅貨と金貨は大小二種類、銀貨だけは一種類のようだが、それぞれ規格に則って作られているらしく整った形をしている。


 小振りな銅貨と金貨の形状は、前世の知識で例えるなら百円玉に近い。百円玉を二枚張り合わせた厚みがあり、銅貨には見たことのない花が、金貨には中年男性らしき人物の肖像画が刻まれている。


 銀貨は大きさ的に五百円玉に近く、五百円玉をやや厚くしたような形だった。表面にはドラゴンをデフォルメ化したようなマークが刻まれており、鋳造等の技術もそれなりに発達していることが窺える。


 残った大きめの銅貨と金貨に関しては、金貨が名刺サイズのカード型インゴットだ。厚みも1センチほどあり、手に持てばずしりと重いだろう。大きめの銅貨は名刺を半分に折り曲げた大きさであり、こちらも厚みが1センチほどある。


「銅貨、大銅貨、銀貨、金貨、大金貨の五種類よ。銅貨が1ユラ、大銅貨が10ユラ、銀貨が100ユラ、金貨が1000ユラ、大金貨が10000ユラ……坊やに渡した報酬は700ユラだから、銀貨7枚になるわ」


 そう言われて握っていた布袋の中身を再確認すると、銅貨や大銅貨、金貨や大金貨ではなく、たしかに7枚の銀貨が入っていた。


「貨幣は全部で五種類だけど、普段目にするのは金貨までかしら。大金貨は高額の取引や強力な魔物を退治した報酬ぐらいにしか使わないの」

「そうなのか……種類はわかったけど、それぞれどれぐらいの価値があるんだ?」


 貨幣の種類については理解したが、肝心の価値まではわからない。今回受け取った報酬である銀貨7枚はどれほどの価値があるのか。


 銀貨――銀色の貨幣で思い出すのは、前世で使用していた五十円玉や百円玉である。もしも銀貨が平成日本における五十円や百円程度の価値しかないのならば、魔物退治の危険度と報酬がまったく釣り合っていないと言えるだろう。


「そうねぇ……まずは銅貨を基準にして説明しましょうか」


 盆の上に置かれた銅貨を煙管で指すと、ナタリアは思考を巡らせるように目を細める。


「この町で銅貨、つまり1ユラで買える物はそれほど多くないわ。小さなパン、僅かな薪、小振りな野菜……ああ、あとは水が桶一杯で1ユラね。それとその日の相場次第だけど、塩が20グラム前後……それぐらいよ」

(水税はトラウマだから止めてくれ……)


 ナタリアは知らないだろうが、一文無しならぬ一ユラ無しが原因で危うく死ぬところだったのだ。その時のことを思い出して顔をしかめるレウルスだったが、今しがたナタリアが語った内容を元に頭の中でユラの価値を計算していく。


(小さなパンと野菜、僅かといっても薪、それに水に塩……塩の値段が高い気もするけど、1ユラ100円ぐらいか? そう考えると銀貨7枚で……)


 日本円で計算すると7万円ぐらいだろうか、とレウルスは結論付ける。


 命がけの魔物退治で得た報酬にしては少ない気がしたが、それでも数時間で稼げたと思えば破格に思えた。ニコラやシャロンと三等分した分を含めて考えると、数時間で20万円近い額を稼いだことになる。

 賭け金は自分の命だが、これほどまでに稼げる仕事は前世でもそれほど多くなかった。ニコラやシャロンがいなければほぼ確実に死んでいただろうが、魔物を倒せる力さえあれば冒険者という職業は案外儲かるものなのかもしれない。


(小さいとはいえパンと野菜が1ユラで買える……つまり700ユラで700個? うわ、なんだそれ……腹いっぱい食えるじゃないか!)


 今世においては満腹になるまで食べたことなどなく、シェナ村にいた頃は夢や目標のように思っていた。前世での食生活を思えば夢のスケールが小さすぎるが、今世における食糧事情とシェナ村の状況を振り返ってみれば叶う可能性自体が存在しなかったのである。


 ――聞く人によっては鼻で笑われそうな、夢とも呼べない目標。


 それが今回の報酬を使えばあっさりと叶うことにレウルスは感動したが、ナタリアから感情が見えない目を向けられていることに気付き、その思考を打ち切った。


「……何かあるのか?」

「この冒険者組合の受付として、少しばかりね」


 今はまだ僅かな接点しかないが、この世界で出会った人物の中でも目の前の女性は一番底が知れないところがある。そのためレウルスは背筋を正してナタリアの言葉を待つと、ナタリアは真剣な顔をしながらレウルスが持つお金を煙管で指した。


「坊や、そのお金はあなたのものよ。どう使おうが自由だわ。酒を飲んでも良いし娼婦を買っても良い、賭博に費やしても良い……でも、“本当なら”そのお金は手に入っていなかった」


 そう言われて銀貨が入った布袋に視線を落とすレウルス。


 この世界において初めて手に入れた貨幣は、魔物退治の対価として得たものだ。しかし、ナタリアの言葉通り本来ならば手に入れることはできなかっただろう。

 冒険者の先輩であるニコラとシャロンがいたからこそ手に入れることができたのであり、レウルス一人で魔物退治を行ってもこれほどの収入が得られたとは思えない。それどころか、命を落としていた可能性もある。


「いくら冒険者の先達と一緒に魔物と戦わせても、初陣で命を落とす子もいる。例え死ななくても、腕や足を失う子もいる。その点で見るとあなたは恵まれているわ。五体満足で初陣を終えられたのだからね」


 下級下位の魔物である角兎が相手でも命がけだったのだ。レウルス一人で戦っていた場合、今この場に生きて立っていた可能性は低いだろう。運が良くても負傷、幸運に幸運が重なったとしても逃げ出して帰還できたかどうか。


「――さて、そんなあなたは一体何にお金を使うのかしら?」


 その言葉に、ナタリアが何を言いたいか理解する。


 この銀貨はニコラやシャロンがいたからこそ手に入ったお金だ。泡銭とまでは言わないが、レウルス一人では到底手に入れられなかった貴重なお金である。

 レウルスも戦ったとはいえ、新人冒険者であるレウルスと一人前の冒険者であるニコラとシャロンで均等に三等分したこのお金は、その額や単純な重量と比べて遥かに“重い”ものなのだ。


 戦いにおける貢献度などを考慮すれば、レウルスが本来受け取ることができるのは現在の報酬の半分が良いところだろう。それでも均等に三等分し、なおかつニコラやシャロンが何も文句を言わないのは何故なのか。


(多分、ニコラ先輩達も最初はそうだったんだろうな……)


 おそらくは、“身内”になった者へのささやかな贈り物なのだろう。初陣を終えることができたことに対するお祝いとも言える。


(で、それを理解させた上でどう金を使うのかって話か)


 ナタリアが言った通り、酒色に費やしても良いのだろう。だが、冒険者として生きていく以上、ある程度まとまった金額が手に入った場合にどう使うべきかのか。


「ま、何が言いたいかは理解したよ」

「……そう。ならいいわ」


 口からの出まかせではなく、きちんと理解したのだとレウルスの表情から察したのか。ナタリアはそれ以上何も言うこともなく、素直に引き下がるのだった。








「というわけでおやっさん、この前の飯代です。受け取ってください」


 冒険者組合を後にしたレウルスが向かった先は、ドミニクの料理店だった。そして店に入ってドミニクの姿を見つけるなり、銀貨が入った布袋を差し出しながらそう言ったのである。


 ナタリアは何に使っても良いと言ったが、レウルスとしてはこれ以上の使い道が思いつかず、また、これ以外に使おうとも思えなかった。

 冒険者として考えるならば自前の装備を購入するべきなのだろうが、冒険者組合から貸し出された装備でも魔物を狩ることはできるため後回しである。


「前にも言っただろうが。あの時はお前が邪魔で、娘の見えないところに行ってくれりゃそれで良かったんだ。代金なんざいらねえよ」


 しかし、店に入るなり銀貨が入った布袋を差し出すレウルスを一瞥したドミニクは、野良犬でも追い払うように手を振りながらそう言い返す。レウルスが布袋の口を開いて中の銀貨を見せてみるが、ドミニクの反応は変わらない。


「いやいや、おやっさんの言いたいことも理解できるけど、あの時メシを食わせてくれたから俺は今も生きてるんですよ? この金でも恩が返せたとは思えねえけど、やっとまともな対価が手に入ったんだし……」

「いらねえ。ソイツはお前が使え」

「ぐぬぬ……手強い」


 レウルスにとって大金である銀貨7枚。それをちらりと見ただけで突っぱねるドミニクの姿に、レウルスは思わず歯噛みしてしまった。

 いらないと言うのならばそのまま懐に入れてしまいたいが、与えられた恩を放置するのはどうにも座りが悪い。それは元日本人としての気質がそうさせるのか、恩が大きすぎて無視することができないのか。


「コロナちゃん、こっちおいで。おじちゃんがお小遣いあげるから」

「おじちゃんって……もう、レウルスさんったら。レウルスさんがおじちゃんだったら、わたしはおばちゃんになっちゃいますよ?」


 次善の策としてコロナに金を渡そうとするが、コロナは苦笑するだけで近づいてこなかった。お小遣いなどと冗談めかしているが、レウルスが本気で全額渡すつもりだと察しているのだろう。

 ドミニクもコロナも恩を与えたと思っていない辺り、レウルスにとっては厄介な話である。かといってこのままでは銀貨を受け取ってもらえず、無理矢理押し付けてもそのまま放置されそうだ。


「それなら売り上げで貢献するしかねえ! おやっさん、700ユラ分メシを食わせてください!」

「今は開店準備中だ。それに700ユラっつったら百人前はあるぞ。材料が足りねえよ」

「開店したらいいんですね? あと、材料費はこっちで持つんで……いだっ!?」


 どんな形でも良いから恩返しを、と鼻息を荒くするレウルスだったが、ドミニクが投げたタワシが額を直撃してひっくり返る。ドミニクは床に転がるレウルスへ呆れた視線を向けると、続いてコロナへと視線を移動させた。


「コロナ、買い物に出るついでにその馬鹿を靴屋に案内してやれ。装備は組合から貸し出されるからまだいいが、せめて靴ぐらいは“まとも”なやつを履かせねえとな」

「それなら服も買わないと、だよね? うん、任せてっ!」


 額をさすりながら身を起こそうとするレウルスを他所に、ドミニクとコロナの間でそんな会話が交わされる。

 それを聞いたレウルスは、さらに恩が積み重なるのかと肩を落とすのだった。

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― 新着の感想 ―
潮、高いなー。これじゃ塩漬け肉や魚はいくらするのか。ディオクレティアヌス帝の最高価格令では小麦と潮の価格が同じくらいだったから、少なくとも古代ローマよりは随分高い。内陸で、塩泉も岩塩も近くには無いのか…
[気になる点] 塩やすくね?海が近い?
[気になる点] 生かしてもらった恩を返すなら、金を渡すよりまず生き残れるようになる事が1番でしょ。 無理に義理人情に熱くしようとしてる感がする。
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