第135話:なんでだよ姐さん
ドワーフ達を連れてラヴァル廃棄街に戻ってきたレウルス達だが、ラヴァル廃棄街にいるのならば冒険者稼業に精を出すこととなる。
ドワーフ探しの旅も武器や防具を作ってもらう対価も、それほど金がかからなかった。そのため、働かずとも当分は遊んで暮らせるだけの蓄えもある。だが、金があるからといって遊び呆けるわけにもいかない。
ラヴァル廃棄街にとってもプラスになることではあるが、武器を求めて旅をしたのはレウルス個人の都合だ。冒険者として、町の一員として、仲間のためにも働く必要があった。
そのため、旅の疲れを癒したレウルス達はすぐに冒険者組合で依頼を受ける。依頼といっても、農作業者の護衛か町周辺で魔物が来ないか監視するか、自由に魔物退治をするかの三択だ。
最近はラヴァル廃棄街に近づく魔物の数も減っているらしく、魔物退治に出かけても空振りになることも多いらしい。そのため、レウルスは農作業者の護衛を請け負うことにした。
新調したドワーフ製の装備一式を着込み、真紅の大剣を背負えばそれで準備完了である。エリザはドワーフが作った特製の杖を持ち、サラは魔法主体のため無手、ミーアは身の丈ほどの鎚と革製の部分鎧を身に着けている。
ミーアは冒険者ではないのだが、冒険者の仕事に興味があるらしくついてきたのだ。
レウルスからすると、戦力が過剰すぎる気がしないでもない。ラヴァル廃棄街の周辺に現れる魔物はほとんどが下級で、稀に中級の魔物が出てくる程度だ。
その頻度は本当に稀であり、以前キマイラと遭遇して以来中級の魔物が付近に出たという噂すらなかった。
(まあ、今は近くの森に“中級の魔物”が50人近く住んでるわけだが……)
ラヴァル廃棄街から南に下った場所にある森では、レウルスが連れてきたドワーフ達が仮住まいを造って住み着いている。中級の魔物どころか上級下位ぐらいの魔物なら集団で狩りそうな連中のため、好んで近寄る魔物もいないと思われた。
もっとも、戦力が多いに越したことはない。ラヴァル廃棄街において農作業に従事しているのは冒険者が務まらない老人や冒険者のリタイア組、そして女性や子供も含まれている。
ラヴァル廃棄街の食料を賄う必要があるため畑が広く、相応の人数が必要となるのである。そのためラヴァル廃棄街で特定の職を持たない者は大抵が農作業に従事しており、そんな彼ら、彼女らを護衛するのは非常に重要なことなのだ。
ラヴァル廃棄街から北へと進むと、件の畑が広がっている。その面積は非常に広く、一番奥まで移動するだけでも一苦労なほどだ。
ラヴァルの東側に伸びる街道を超え、さらにその北側まで畑が続いているのである。農作業者は数十人では足りず、毎日百人を超える大所帯での移動となる。
畑では主食となる麦だけでなく、野菜も育てられている。レウルスでは麦の種類もわからず、野菜も前世で見たことがあるようなものしかわからない。
葉野菜に温野菜、根菜といったように分類されるのだろうが、トマトに似た野菜、ニンジンに似た野菜、ジャガイモに似た野菜と名前すらわからなかった。
畑の周囲には魔物避けなのか小動物対策なのか、木で作られた柵が置かれている。格子状に組まれた高さ一メートル程度の柵だが、少し力の強い魔物ならば簡単に破壊できそうだ。そもそも壊す前に飛び越えるかもしれない。
しかし、効果が怪しいとはいっても柵があれば農作業者も少しは安心して畑作業に取り掛かれる。レウルス達冒険者はそんな農作業者達が魔物に襲われないよう畑の周辺を巡回し、仮に魔物が襲ってくれば迎撃して農作業者達を守るのが仕事だ。
もっとも、魔物が襲ってくるといってもラヴァル廃棄街周辺と違い、畑の周辺は平地である。森の中ならば不意打ちを受けることもあるだろうが、平地ならば魔物を発見するのも容易だ。
魔物達も遮蔽物がない平地へ簡単に出てくることはなく、警戒が必要なのは空を飛ぶ魔物ぐらいだろう。
農作業者の護衛依頼に従事する冒険者は、その半数近くが弓を装備している。これは空を飛べる魔物対策の一環だが、遮蔽物がない平地ならば地を走る魔物でも十分な武器になるからだ。
時折度胸試しのように単独で森から出てくる魔物もいるが、その場合は冒険者達が集まって矢を射かけ、ハリネズミのようにしてしまう。
また、魔物が襲ってくるかは季節も関係するらしい。温かい時期ならば森の中に食料が豊富なため大人しいものの、食料が少なくなる冬の時期になると畑の作物を狙い始めるのだ。
かつてレウルスが生きていた日本と比べると差は小さいが、四季らしきものが存在するのである。
日本の四季と比べると温度差が小さく、夏でも冬でも死人が出るほど過酷な気温になることはない。ただしこれはラヴァル廃棄街周辺で過ごしたレウルスの感想であり、他の場所に行けば気温の変化も激しくなるのかもしれなかった。
もしかすると、前世と比べて遥かに頑丈な体になっているためそう“錯覚”しているだけかもしれないが。
「今日は魔物は出るかのう……」
畑に向かう途中、エリザがそう呟く。しかし、そう呟いたエリザが近くにいれば下級の魔物は寄ってこないのだ。もしも魔物に遭遇するとすれば、それは中級以上ということになる。
レウルスもそうだが、エリザも新調した武器が使いたいらしい。エリザの杖は『詠唱』なしで雷魔法を行使できるようになる代物だが、石突で魔物を刺すこともでき、逆に先端の膨らんだ部分を叩きつけることで鈍器の役割も果たせる。
『宝玉』が入っているため手荒に扱うのは不安だったが、杖自体はドワーフが精錬した鉄を使っているため、鈍器として振り回しても全く問題がないのである。
魔法使いの杖というよりも、魔法が使えて槍の代わりにもなる棍棒といった方が正しいようだ。
レウルスとしても真紅の大剣を振るいたい気持ちはあるが、今回の依頼では農作業者達の安全が最優先である。魔物と遭遇しないのが一番だろう。
そうやって歩いていると、遥か先まで広がる巨大な畑に到着した。そして、到着するなりレウルス達冒険者は細かく分かれて畑の中を進み始める。
麦や野菜の陰に魔物が潜んでいる可能性があるため、冒険者が先行して畑の安全を確保するのだ。もちろん農作業者達の安全も確保する必要があるため、レウルスはエリザとミーアを残している。
農作業者の護衛に参加する冒険者は多いが、その中で索敵技能を有する者は少ない。レウルスやサラのように魔力や熱源で感知できる者は皆無と言っても良いだろう。
そのためレウルスとサラが先頭に立ち、魔力や熱源がないことを確認しながら進んでいく。他の冒険者達は目視での確認に努め、万が一にも見落としがないよう畑の隅々まで確認していく。
下級下位の魔物である角兎を一匹見逃すだけでも、下手すれば農作業者が死ぬのだ。ラヴァル廃棄街周辺で最も弱い魔物である角兎でさえも、質が悪い革鎧ならば一撃で貫いてくる。防具がない農作業者ならば当たり所によっては即死だ。
「魔力は……ないな」
「熱源もないわねー。見逃すと後ろの皆が危ないし、気合入れて探っちゃうんだから!」
レウルスは真紅の大剣を握りながら、サラはそんなレウルスの隣を歩きながらでの会話である。
レウルスが魔物の魔力を感知できる範囲はそこまで広くないが、サラの熱源感知と合わせれば見逃すことはない。魔力を隠せるだけの技量を持つ魔物もいるのだろうが、それほどの技量を持つ魔物でも自身が放つ熱までは隠せないのだ。
ただし、何事にも例外はある。畑を歩いていると農作業用の小さな溜め池が見えてきたため、レウルスは歩調を緩めて大剣をしっかりと握り直した。
(魔力はないが……よし、『核』っぽいのもないな)
農作業には多くの水が必要となる。そのため小さいながらも溜め池が作られているのだが、かつてジルバからスライムに関する話を聞いたレウルスとしては、溜め池の中を確認する時が一番緊張するのだ。
スライムの発生条件などはジルバも知らないらしいが、こうしてラヴァル廃棄街近くの溜め池にいきなり姿を現すこともあり得るだろう。ないと言い切れないのは、これまでの自身の運の悪さが原因だとレウルスは思っている。
吸血種に火の精霊に火龍にドワーフ、更には『城崩し』とこの世界でも珍しいであろう生き物達に遭遇しているのだ。溜め池を覗き込んだらスライムと顔を合わせてしまった、なんてこともあり得そうである――スライムに顔はないと思うが。
(でもなぁ……以前溜め池に糞が浮かんでた時はスライムの『核』かと思って覚悟しちまったしなぁ……)
溜め池というものは、当然ながら他所から水を運んで来なければ水が溜まらない。しかしながら周囲に川や湖はなく、雨水で農作業に必要な量の水を溜めるのは不可能だろう。
そのため、近くの水が多い場所――ラヴァルの堀から引いてくるのだ。
ラヴァル廃棄街近くにあるのは空堀だが、農地に水を供給するためなのか、ラヴァルの北へ行くと水堀になっている。ただしその水は綺麗なものではなく、ラヴァルの生活排水を流して堀に溜めているのだ。
その堀から溝を通して農地の各溜め池に水を供給しているわけである。
もちろん、水が綺麗ではないといっても公衆便所の下水道とは別だ。ラヴァル内で出た生活排水をラヴァル廃棄街の者達に再利用“させている”のである。
それでいてラヴァルの民が使う水は地下水脈の綺麗な水だ。ラヴァル周辺だけなのか、それともマタロイ全体がそうなのかはわからないが、地下水が豊富なのである。
レウルスとしては川がなく、水道なども整備されていない場所でどうやって人間が生活するのかと疑問に思っていたが、どうやら地下に巨大な水脈が存在するらしい。
地面を多少深く掘るだけで水脈にぶち当たり、豊かな水が溢れてくるそうだ。
もしかすると地下の下水道のように、かつてこの土地にいた人間達が“そういった造り”にしたのかもしれない。
レウルスはお目にかかったことがないが、この世界には水魔法や土魔法が存在するのである。上級の魔法で水脈を捻じ曲げた――といった自然に喧嘩を売るような真似を過去の人間達が行った可能性もあった。
レウルスはラヴァルに入ったことがないためわからないが、城壁内では井戸ではなく前世の水道のようなものが使われていてもおかしくはない。
(でもアクラとかでは水道も見当たらなかったしなぁ……)
魔法だけでなく、魔法具と呼ばれる道具も存在するのだ。水を発生させる魔法具があっても不思議ではなく、城壁を隔てた先にあるラヴァルではどんな生活が営まれているのか、と少しだけ空想に耽るレウルスだった。
「ようレウルス、お疲れさん。お前達がいると楽でいいな」
ひとまず畑の索敵を終え、周囲の警戒に移ろうとしたレウルスだったが、先輩冒険者であるニコラに声をかけられた。
「魔物は寄ってこないし、寄ってきてもお前が仕留めて食っちまう。農業をしてる仲間だけじゃなく、冒険者仲間も無傷で済むからありがたいぜ」
「ふふーん! わたしとレウルスだからね! そりゃもう当然よ!」
傍にいたサラが胸を張り、鼻高々といった様子でふんぞり返る。レウルスとしても否定できないが、さすがに態度が悪いと思ったためサラの頭に手を乗せて左右に振り回した。
「わっ、な、なになに!? や、やめてよぅ!?」
「悪いね先輩。コイツはどうにも口が……」
「構わねえよ。元気があって良いことだ」
ニコラは気にした様子もなく笑っているが、レウルスとしては肩身が狭い。火の精霊だから仕方ない面があるのかもしれないが、最低限の礼儀は仕込むべきだろうか頭を悩ませる。
「サラ、エリザ達と合流して索敵を頼む。見つけたらすぐに知らせてくれ」
「うー……最近優しくなったと思ったのに、思い出したように扱いが雑になる……でも何故かそれに安心するわ! 不思議!」
笑顔でそんなことを言い放ち、レウルスの指示通りエリザとミーアの元へと駆けていくサラ。
何だかんだで素直なのはサラの長所だな、とレウルスが考えていると、ニコラから微妙な視線を向けられていることに気付く。
「先輩? なんだ、どうしたよ?」
「……いや、なんでもねえよ。他所の関係に口を出すのは野暮ってもんだしな」
曖昧に言葉を濁すニコラに対し、レウルスは首を傾げるだけだ。それでも何か用があったのかと尋ねることにする。
「それで先輩、何か気になることでもあったのか?」
「それならお前の方が先に気付いてるだろ? 可愛い後輩の顔を見かけたから声をかけに来ただけだっての」
「そんなもんか……シャロン先輩は?」
「今日は休みを取らせた。ちょいと“体調”が悪いらしくてな」
体調が悪い――その言葉にレウルスは表情を曇らせる。
「病気か? 森に行って薬草でも取ってこようか?」
「病気じゃねえよ……あー、食あたり?」
歯切れが悪くなるニコラだが、今世では食あたりに無縁のレウルスである。薬草もいらないぐらいなら大事を取って休ませたのだろうと納得した。
「最近は町に近づく魔物の数も減ってるしな。シャロンが少しぐらい休んでも大丈夫になった……本当に助かってるぜ」
「そう言ってもらえると嬉しいよ。魔物退治の仕事が減ってるんじゃないかって少し不安でさ」
ニコラは心から言っているようだが、レウルスとしては冒険者の主な仕事である魔物退治が減っているのでは、と気にかかる。危険がある上に魔物と遭遇できるかは運次第だが、“手頃”な魔物がいれば短時間で高い収入を得られるのだ。
魔物が減ったということは、冒険者の稼ぎも減るということである。農作業者の護衛は毎日必要になるが、一定数いれば足りるのだ。
「馬鹿言うなよ。たしかに稼ぎは減るが、冒険者仲間が死ぬこともなくなるんだ。町の皆も安全に過ごせる……それ以上の報酬はねえだろ」
レウルスの不安を聞いたニコラは笑い飛ばすように言う。それを聞いたレウルスは肩の荷が下りるというものだ。
「そっか……ああ、そうだな。それ以上の報酬はねえな」
いくら人間に敵対的な魔物といえど、吸血種であるエリザがいるラヴァル廃棄街に好んで近づくことはない。中級の魔物であるドワーフから見ても『禍々しい』という感想が出てくるぐらいなのだ。
それに加えて近づけばレウルスが喜んで狩りに行く上、今はサラもいる。ついでにいえばドワーフの集団がラヴァル廃棄街の近くに潜んでいるため、近づくのは余程の命知らずだけだろう。
(肉が足りなくなったら俺が狩りに行けばいいしなぁ……)
ラヴァル廃棄街に来た頃ならばいざ知らず、今ならば下級の魔物は美味しい獲物でしかない。サラと組んで出かければ容易く魔物を見つけることもできるだろう。
そうやってニコラと言葉を交わすレウルスだったが、ふと気になることを思い出してしまった。そのため周囲に自分とニコラしかいないことを確認すると、声を潜めて言葉を発する。
「ところで先輩……ラヴァル廃棄街って娼館があるよな? どこにあるんだ?」
「お、おう……声を潜めたと思ったら一気に話題が変わったな。まだ日は沈んでねえぞ?」
ニコラとしては予想外の質問だったのだろう。面食らった様子である。
しかし、レウルスとしては聞いておかなくてはならない。なにせ、誠に遺憾な話ではあるが、自身に関して良からぬ噂を聞いてしまったのだ。
(まさか男色家だと思われていたとは……)
つい先日、ドミニクの料理店で酔っぱらっている先輩冒険者がそんなことを口走っていたのである。明らかに酩酊していたため話半分で聞いておくべきだろうが、まさか冒険者仲間にホモだと思われていたとは――。
「あー……そういやこの前おやっさんの店で大暴れしたって話だったか……」
「とんでもないことを口走ってたんでジャイアントスイングをしただけだ。おやっさんに怒られたけど後悔はしてない」
「じゃいあんとすいんぐ? よくわからねえが、ほどほどにしとけよ?」
「ちゃんと吐く前に店から連れ出したよ。そのあと便所まで連れて行って介抱したぐらいだ」
明らかに酩酊していたというのに、件の先輩冒険者はレウルスを見るなり顔が真っ青になっていた。レウルスが笑顔で両足を抱えた時には絶叫すらしていたほどである。
しかし、ニコラとしては件の冒険者よりもレウルスが口にした話題の方が気になったのだろう。ニヤニヤとしながら遠くのエリザ達に視線を向ける。
「なんだなんだ、エリザの嬢ちゃん達には手を出さねえのか?」
「あいつらは身内で家族だよ。それに、抱くなら姐さんかエステルさんみたいな女性が良い」
「へぇ……胸がデカい女が好みだったのか。噂じゃ幼女……いや、なんでもねえ。さあて、仕事に戻るか!」
ピクリ、とレウルスの目元が動いた。それに気づいたニコラは即座に視線を逸らして逃げの一手を打つが、瞬時に間合いを詰めたレウルスがニコラの両肩を掴む。
「ちょっと待ってくれ先輩。今なにを言おうとした? なあ、俺の目を見ながらもう一度言ってみてくれないか?」
「痛い痛い! お前いつの間にこんな馬鹿力になりやがった! あと俺は噂を聞いただけだ! んな阿呆な噂を吹聴するような真似はしてねえ!」
なんということだ、とレウルスは戦慄する。まさかニコラにまで妙な性癖だと疑われていたとは――。
「娼館については姐さんに聞け! 姐さんが取り仕切ってるんだよ!」
「えっ? 姐さん、何やってんの?」
冒険者組合の受付以外にもそんなことをしているのか、とレウルスは驚きの声を上げる。
(というか、娼館について姐さんに尋ねるって難易度高いなおい……)
案外気にしないのかもしれないが、中々にハードルが高い。そんなハードルを飛び越えるぐらいならば、潜り抜ける方が良いだろう。
「先輩も利用してるんだろ? 仕事が終わったら一緒に行こうぜ」
「意外と明け透けだなお前。俺は別に構わねえんだが……あー、やっぱり姐さんに一声かけとけ。姐さんにも“色々”と考えがあるだろうしな」
「ぐっ……噂を払拭するためには仕方ない、か」
組合でそんなことを尋ねれば、すぐに噂が誤解だと周囲にも伝わるだろう。問題があるとすればエリザ達の情操教育に悪いことだろうが、話があるからと先に帰らせればいい。
性欲云々よりも、噂を払拭することが目的なのだ。護衛依頼が終わったら早速ナタリアに尋ねてみようとレウルスは思った。
「――駄目よ」
そして、ものの見事に断られたのだった。