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第134話:とある酔っ払い冒険者の酔話

今回は一人称(?)でのお話です。

 ――レウルス?


 ああ、知ってるよ。むしろこの町の冒険者であいつを知らない奴はいないだろ。町の住民でも知らない奴は少ないんじゃないかな?


 最初にあいつを見たのは……あー、いつだったっけ? 九ヶ月ぐらい前になるか?

 春先だからそれぐらいだな。あいつは町に馴染み過ぎてるから忘れちまうけど、この町に来てまだ一年も経ってないんだよな。


 え? レウルスがどんな奴かって? 別に話すのは構わねえけど、酒の一杯ぐらい奢ってくれよ。


 へへ、悪いな……で、レウルスのことだっけ?


 俺は一緒に組んで魔物退治に出かけたこともねえが、組合で何度か話したことがある。でもまあ、初めて見た時はみすぼらしいガキだったよ。

 この町から南西にあるシェナ村ってところから来たらしいが、生まれも育ちも農奴らしくてな。成人を迎えるなり鉱山用の奴隷として売られたそうなんだが、運ばれてる途中でキマイラに襲われたんだとさ。


 キマイラは知ってるか? 中級上位の魔物なんだが、ありゃとんでもねえ化け物だ。雷魔法を使う上に接近戦も強い。キマイラが出たって聞いた時は町の仲間が何人死ぬかって思ったもんだがなぁ……。


 ああすまん、ちょいと話が逸れたな。それでレウルスの奴なんだが、命辛々逃げ出してこの町まで辿り着いたらしいんだ。


 門番のトニーさんから聞いた話だが、着ている服はボロボロで体はガリガリ。少しは筋肉もついてたが、その格好を見るだけでどこかの村から逃げてきたってわかったらしいぜ。

 でもなあ、この町は知っての通り余所者には冷てぇ。その時はレウルスの名前も境遇も知らなかったが、トニーさんもすぐに死ぬって思ってたらしいな。門を通すだけ通して、あとは面倒だが“塵掃除”をすればいいってな。


 で、だ……俺も詳しい話は知らねえが、ドミニクのおやっさんとコロナの嬢ちゃんがレウルスを拾ったらしい。


 あん? おやっさんもコロナちゃんも知らない? おいおい、この町の顔役とこの店の看板娘を知らねえのか?

 ほら、あそこにいる笑顔が可愛い女の子がコロナちゃんで、厨房にいるのがおやっさんだ。変なことは考えるなよ? 引退しちゃいるが、おやっさんは元冒険者だ。それも上級下位のな。


 ああ……酒が美味い。どこまで話したっけ? もう一杯頼んで良いか? へへ、悪いな。


 それで……えーっと? そうそう、『魔物喰らい』の話だった。

 あいつがおやっさん達に拾われてだな……え? 『魔物喰らい』が何かって? 『魔物喰らい』って言ったら『魔物喰らい』だよ。レウルスに決まってるだろ。

 なんだよその納得面は。あいつのことだから他所に出かけた時も魔物を食ってたんだろうけど……まあその話は脇に置こうか。すぐに出てくるからよ。


 というわけでおやっさん達に拾われたらしいけど、一晩経ったら出ていったらしい。いや、おやっさんが追い出したんだっけな? 

 ん? 冷たくないかって? おいおい、余所者に飯を食わせて一晩寝かせてやるだけでも優しい方だぜ?


 そんなわけでこの店から出ていったレウルスだけどな……なんと、近くの森でイーペルを狩って戻ってきたんだよ。イーペル? ほら、頭に二本の角が生えた……そうそう、ソイツ。

 門で話をしたトニーさんも驚いてたぜ。なにせ武器も持たずに森に入ったって話だからな。そのまま帰ってくることなく森の中で死んだと思ってたらしい。


 そりゃそうだよな。武器も防具もなしに森の中に入るなんて自殺行為だ。俺も後から聞いてそりゃ死んだだろって思ったぐらいだよ。いや、その時はレウルスが目の前にいたから死んでねえけどな?

 なんでも、拾った石でイーペルを撲殺してきたらしい。今のあいつを知ってるなら驚くことでもねえが、当時はとんでもない奴がいたもんだって噂になったよ。


 ちょいと話が逸れるが、俺達冒険者はそこまで腕が立つわけじゃねえ。駆け出しの奴がイーペルに挑んだら、正面から串刺しにされて即死した……そんな話もよく聞くぐらいだ。

 隣のラヴァルの町を守る兵士様みたいにきちんと訓練したり、上等な武器や防具があったりするわけでもないからなぁ……。


 え? それならちゃんと訓練しろって? そりゃごもっともな話だが、誰が鍛えてくれるんだって話だよ。

 腕が立つ冒険者仲間に教わったりすることもあるが、精々新人に先輩冒険者をつけて最低限鍛えてやるぐらいだな。

 もっと冒険者の数が増えるか、腕の立つ奴が増えれば話は別なんだろうが……毎日の食い扶持を稼ぐためにも仕事をしなきゃならんしな。


 訓練をするにも時間がかかるし、その間も金がなくなっていく。そう、金があれば話は別だよ。でもなぁ、そんな悠長な真似ができるほど裕福な奴がこの町に何人いるのやら……。


 話を戻すが、下級下位でも魔物を狩れるってことでおやっさんがレウルスを冒険者に推薦したんだ。レウルスが魔物を狩ったのもおやっさんとコロナちゃんへの恩返し目的だったらしいし、その辺りも気に入られたんだろ。


 そんなわけでレウルスの奴は冒険者になったわけだが……ここでさっきの『魔物喰らい』が出てくるんだ。

 あいつはな、どんな魔物でも食べるんだよ。あいつの指導役を任されたニコラとシャロンなんて、シトナムを生で齧り始めるところを見たらしい。

 ほら、あのでっかい虫みたいな魔物さ。せめて火を通せって話だよな。いや、食えって言われたら火を通していても俺は遠慮するけどさ。


 それから食い物にならない……組合で買い取っていない魔物を冒険者仲間が倒してるのを見ると、近寄ってきて食べさせてほしいって頭を下げてくるんだ。

 その頃のあいつは本当にやせ細ってて、いつも腹を空かせてる感じだったっけ。


 下級下位の冒険者っていっても、おやっさんの推薦でこの町の一員になった後だからな。他の奴らも腐らせるよりはマシだって思ってレウルスに魔物の肉を食わせてたぜ。

 町の仲間が腹を空かせてるんだ。町に帰ったら飯を奢ってやるって言っても、あいつはこれでいいって言ってな……あいつ本当に大食いだから、町の飯屋で腹を満たそうと思ったら足りなかったんじゃねえかな?

 でも火を通さずに生で肉を齧るのはどうかと思うんだよ……胃袋が頑丈なのか、腹を壊したところを見たことねえけどな。


 そんなあいつの食いっぷりからついたあだ名が『魔物喰らい』だ……うん、うん、言いたいことはわかる。最初は冗談でそう呼んでたんだが、名前にあいつが追い付いたのか、あいつに名前が追い付いたのか……。

 別に悪意はなかったんだぜ? 見どころがある新人ってのは可愛いもんさ。おやっさんの推薦でもあったし、そういうあだ名があった方が町の住民も受け入れるだろうなって思ったぐらいだ。


 そう思ってんだけど、まあ、あの様だよ。笑うだろ? あいつ仕留めてきた魔物の皮とかは売るけど、肉は売らずに食べちまうんだ。

 姐さんが火熾しの道具をやったから今ではちゃんと焼いて食うけど、昔は生の肉を齧りながら笑顔で歩いてたっけ……せめて血抜きはしろよって話だよな? え、そこじゃない? もっと別のところがおかしい?

 でもなぁ、あいつは魔物の肉を好んで食うけど、それ以上におやっさんの料理が好きみたいだしな。食えるものは食うべきだろ?


 ま、そうやってあいつはこの町に馴染んでいったんだ。で、ここで問題が起きた……そんな目で見るなよ。あいつの食い意地が問題になったわけじゃねえよ。


 さっき話したキマイラ、こいつがこの町の近くまで出てきたんだ。


 うちの町にはニコラとシャロンっていう“兄弟”がいるんだが、この二人は魔法が使える上に腕が立つ。んで、二人にキマイラの調査を命じたわけだが……相手がこっちの予想以上の難物でな。気付かれて返り討ちに遭っちまった。

 そこからはもう大騒ぎさ。倒すのは無理でも追い払うぐらいはしなきゃならねえ。どれだけ犠牲が出るかわからなくても、な……なに? ラヴァルの兵士を頼れ? ははっ、レウルスの奴もそんなことを言ってたっけか。


 それができたら苦労はしねえよ。“だからこそ”この町は廃棄街なんて呼ばれてんだ。あー……でもなぁ、結局キマイラはレウルスが倒したんだよ。

 俺は他の場所でキマイラから逃げた魔物の相手をしてたから詳しくは知らねえが、あいつは魔法が使えたらしくてな。

 この町の組合長とおやっさん、ニコラとシャロン、そしてレウルスの五人で戦ったんだが、最後はレウルスが一対一で倒したんだよ。


 キマイラ以外の魔物と戦ってた冒険者が三人ほど引退しちまったが、キマイラみたいな化け物と戦ったレウルス達は重傷で済んだ。運が良いのか、ただ単に体が頑丈なのか……おっと、もう酒がなくなっちまった。もう一杯頼んで良いか?


 その後も色々とあったっけな。ほら、レウルスの隣にいつも女の子がいるだろ? あの子はエリザって言うんだが、なんでも吸血種らしい。魔物だか亜人だか知らねえが、見た目はただのガキだよな。

 で、レウルスがエリザを拾ってきたわけだ。推薦だって言ってたな。あんな見た目だが雷魔法を使えるんだぜ? すごいよなぁ。


 最初はレウルスの奴がとち狂ったのかと思ったけど、あいつの目は正しかったわけだ。魔法が使える奴は一人でも多くいた方がいいしな。

 つっても? エリザの嬢ちゃんがこの町に来た直後は雷魔法どころか『強化』も使えなかったみたいでな。指導についたシャロンが不思議そうな顔をしてたっけ。


 その後も色々あった……色々じゃ説明になってねえな。グレイゴ教の奴らが襲ってきたんだよ。いきなりレウルスが刺されて、エリザの嬢ちゃんが攫われたんだ。


 グレイゴ教は知ってるよな? そうそう、あのイカレた奴らだ。あの時は町を挙げての殺し合いになってな。俺ももちろん参加したぜ?

 あん? なんで町を挙げての騒動になったのかって? そりゃお前、“身内”に手を出してきたんだ。殺し合うのも当然だろ?


 襲われたのがレウルスとエリザの嬢ちゃんだったからそうなったわけじゃねえ。誰だろうと身内に手を出されたら落とし前はつけるさ。あんたらは違うのかい?

 まあ、そんな騒動があったわけだ。その後のことについては俺もよく知らねえ。


 レウルスの奴がエリザの嬢ちゃんとジルバの旦那を連れてマダロ廃棄街に行ったり、武器を求めて西の方に行ったり……ん? ジルバの旦那が誰かって?

 町の北側に精霊教の教会があるんだが、そこの精霊教徒だよ。歳は四十ぐらいか?


 町の住民も教会にはあまり近づかねえんだが、グレイゴ教徒が襲ってきた時に力を貸してくれたんだ。レウルスが仕留めきれなかったグレイゴ教徒を仕留めてくれたらしくてな。凄腕らしいぜ。

 グレイゴ教は滅べって思ったし、外部の人間である精霊教徒もあまり関わりたくないんだが、ジルバの旦那は個人としてこの町に力を貸してくれることもある。俺としちゃあ嫌いじゃないね。


 それに、教会じゃあこの町でどうしても育てられなくなった子どもを引き取ってくれてるしな。その分組合長も色々と配慮してるみたいだが……ま、持ちつ持たれつってやつさ。

 エステルって嬢ちゃんもいるけど、あっちは見てくれは最高だね。なにせ胸がデカい。町の仲間の中にも実は狙ってる奴がいるんじゃないか? あと治癒魔法が使える。それとやっぱり胸がデカい。


 え? なんで二回言ったのかって? そりゃあんた、男としちゃ大事なところだろ?


 ああ、酒が美味いねぇ……もう一杯頼んで良いか? え、駄目? なら仕方ねえ、自分で頼むか。飲み過ぎ? そっちは俺以上に飲んでるじゃねえか。


 あー……飲み過ぎといえば、ちょいと前に……レウルスがこの前の旅に出る前だったか? 仲間内で酒を飲んで盛り上がった拍子に、レウルスのことが話題に上がったんだよ。


 何の話題かって? そりゃお前、酒を飲んで盛り上がった時に男同士でする話題なんて決まってるだろ? おう、そうそう艶話さ。


 レウルスはほら、家を建ててエリザの嬢ちゃんと一緒に住んでるだろ? まあ、家を建ててすぐに救援依頼でマダロ廃棄街に行くことになった時は、周りも同情してたけどな。あいつ、家が建つのを滅茶苦茶楽しみにしてたから。


 あ、コロナちゃーん。酒をもう一杯お替り。ついでに何かつまみを頼むよ。うん、うん、大丈夫大丈夫、酔ってないから。え? 酔ってる人は皆そう言う? はははっ、コロナちゃんも言うようになったねぇ。


 あ、話が逸れたな。それでだ、マダロ廃棄街からレウルス達が戻ってきたと思ったら、今度はサラの嬢ちゃんを連れてきたんだ。


 あいつは幼い見た目の女が好きなのかー、なんて話になってよ。エリザの嬢ちゃんが十三歳で、サラの嬢ちゃんも似たような歳だろ? でもあの見た目だしな。初めて見た時幼女としか思わなかったぜ。というかあの二人って顔がそっくりじゃねえ? あんたもそう思うだろ?


 酔ってないって。また話が逸れたけど酔ってないって……で、えーっと、そうそう、男が女を囲ってるって話なら、そりゃ色々と……ほら、わかるだろ?


 酒の席で盛り上がった勢いでな、レウルスの“夜の剣”の腕前を確認しに行こうぜって話になったんだ。ほら、この店のすぐ裏だし? そういう馬鹿話も大事だろ? 家の壁も薄いだろうし、聞き耳立てれば色々聞こえると思ってさ。


 違うって。からかうためのネタを探したんじゃなくて、可愛い後輩のことが気になっただけなんだって。ニコラとかもレウルスを娼館に連れて行こうかって悩んでたぐらいだからな。

 え、なんでって……あいつってほら、拾い食いどころか魔物を生で食うような奴だろ? 食欲ばっかりで性欲はどうなってんだって……からかうためじゃないって。本当だって。


 それで、うん、酒に酔った勢いでな、レウルスの家まで行ったんだ。気付かれたら元も子もないから抜き足差し足でな。笑いを堪えるのが大変で……いやうん、心配してただけだから。あいつが不能じゃないかって心配しただけだから。

 え? それでどうなったのかって? いやー……酒を飲み過ぎたのか、“いつの間にか”気を失っちまったんだ。はははっ! しかも俺達全員だぜ? 目を覚ましたら朝になってた!


 道の脇に折り重なってたところをおやっさんに叩き起こされて……すいません! 次からはコロナちゃんの目に入らないところで倒れます! でも酒を断つのは無理です勘弁してください!


 ふぅ……やばいやばい。ここを追い出されたらどこで酒を飲めば……え? 本当に酔い潰れただけなのかって?

 財布とかも取られてなかったしなぁ……あ、でも、背後から“誰か”に肩を叩かれたような気も……まあ、気のせいだな! うん!


 気のせいじゃないって? いやいや、レウルスの家の裏の小道にわざわざ張り込むような奴はいないだろ? そんな奴がいたら怖いって。


 あー……酒が美味い。え? 話が逸れてる? えーっと……あれ? 何の話をしてたっけ?


 うん、うん……そうだ。レウルスが不能かって話だったな! え? 違う? あ、合ってるのか。


 でもなぁ、酔った勢いで確認しに行った俺が言うのもなんだけど、あいつがエリザの嬢ちゃん達に向ける視線ってなんか違うんだよなぁ。色気の欠片もないっていうか。


 あいつ自身は良い奴だと思うぜ? 腕っぷしもあるし、他所から来たにしてはこの町の流儀も弁えてる。性格も冒険者向きだ。

 しかしまあ、なんていえばいいのかねぇ。変なところで礼儀正しいというか、それでいて常識を知らないっていうか。エリザの嬢ちゃん達のことも、案外ガキを見捨てられない、なんて理由で拾ったのかもな。


 はははっ、俺は嫌いじゃねえよ。ただ甘いだけなら色々と言わなきゃならねえが、あいつは身内に甘いだけだ。敵に容赦しないのなら何も言うことはねえ。

 エリザの嬢ちゃんもサラの嬢ちゃんも、どっちも魔法が使えるしなぁ。レウルスと合わせりゃこの町でも一番強いだろうな。


 ん? 別に悔しいとかは思わねえな。むしろありがたいぐらいだ。この町は他の場所の助けなんてほとんど得られねえ。精々同じ廃棄街同士で戦力を貸し合うぐらいか。

 その点、あいつらがいれば傷つく奴も死ぬ奴も減る。そら、ありがたい話だろう?


 で、だ……最近、もう一人増えたんだよ。何がって? 幼女。


 あいつって旅に出る度に幼女を拾ってくるよな。え? あの子って幼女じゃない? あれで十四歳? 本当かよ……あ、ドワーフなんだっけ? 

 幼女……あれ? 年齢だけで見たら少女? でも外見が……だから酔ってないっての。あはははっ、でもまだ飲んじゃう。コロナちゃーん、もう一杯お酒ちょうだーい!


 んぐんぐ……ふぅ、美味い。


 ところであんた、レウルスが連れてきたっていう噂のドワーフだろ? 俺の剣を見てくれないか? え、駄目? 質の悪い武器を見ると折りたくなる? おっかないねぇ……。

 レウルスが恩人だって言ってたから話したけど、ここだけの話にしておいてくれよ? というかなんでこんなことを聞いてきたんだ? 本人に尋ねればいいじゃねえか。


 ほう……ほう……娘をレウルスに預けてる? えっ? あの子あんたの娘さん? ずいぶんと小さい……あ、ドワーフだったな。というかあんたも小さかったな。筋肉はすげえけど。


 え? 小さいって言うとあの嬢ちゃんは喜ぶ? なんで?


 よくわからんが、娘の預け先の素行調査みたいなもんか。男親ってのは大変だねぇ……いや、そういう意味じゃああんたの娘さんも大変なのか?

 なんでって? いやいや、その嬢ちゃんがレウルスのことを憎からず思ってるから預けるんだろ? それなのに肝心のレウルスがアレじゃなぁ……あ、俺やばいことに気づいちまった。


 何がやばいって? ほら、レウルスの“夜の剣”はどうなってるか知らないけど……あいつ、もしかして男色なんじゃねえの?


 ぶははははははっ! 冗談だって! あいつナタリアの姐さんを口説いてたし、男色じゃないだろ! 多分!


 ……真剣な話、娼館にぶち込んだ方が良いかもしれねえな。あいつに襲われたら抵抗できねえぞ……いやいや、俺は信じてるぞ? レウルスは男色じゃないって……ぶふっ! 


 お? 急に席を立ってどうしたんだ? おーい、ドワーフのおっちゃん? 大丈夫だって! 実はレウルスが男色で魔物専門で小柄な男を狙ってるかもしれないけど大丈夫だって! もしそうだったらおっちゃんは狙い目だろうけどな!


 あー酒がうま……ん? 誰だよ肩を叩くのは?


 あれ、レウル――。











顔を見られることなく複数の冒険者を無力化できて、人様の自宅裏に張り込む人物……一体何者なんだ……


どうも、作者の池崎数也です。

一般の冒険者によるレウルスの評価を書いてみました。

そして、前回の更新でたくさんのツッコミをいただきました。ありがとうございます。

いただいたツッコミ(ご感想)で気になるものがありましたので以下にご回答いたします。


Q.わざわざトイレの話をしたのに伏線じゃないのかよ!?(意訳)

A.今後の物語に絡む部分がありますので間章に入れてみました。前回のあとがき部分については、気付けば一話丸々使っていた作者自身へのツッコミです。


それでは、こんな拙作ではありますが今後ともお付き合いいただければ幸いに思います。


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― 新着の感想 ―
[一言] レウルス : ニコリ
[一言] 服の上からでも分かるほどの筋肉を携え、大柄な人物が家の裏で張り込んでる恐怖…
[一言] あっ、もしかしてジr……
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