雑記(9) 翔び去りしものの伝説
先日何か読みたくて本箱をあさっていたらこれが出てきたのですよ。都築道夫さんの作品です。
相当昔に買ったと思うのだけれど、保存状態がいい。
何でと思ったのだけれど、これ今はやりの異世界ものなですよ。
要するに好みというものは何十年たっても変わらないものなのね。
この人の作品は好きでした。でもこんな作品を書いているなんて知らなかった。
と言うより途中でめげて読むのをやめたのね。
主人公は26歳の男性なのだけれど、泥酔したあげくにチンピラと遭遇して命を落とすのよ。実にくだらない死に方なのだけれど。ここまでの導入部分の文章がうまい。どんなサスペンスになるかと期待していたら、当り前だよね職業作家なのだもの。
おバカなのよ。でも健康的なおバカなのね。時はバブルだから。ブラック企業もなければ、うつ病何て言葉もなかった。
死んだとたんにウエラという奴隷になっているのよ。この段階で拒否反応が。召喚されたというものなのですか。
しかも奴隷の場合仮面で顔隠す以外全裸だと言うのよ。せめてパンツくらい履かせろよ。
そんなことを考えていたらまともに読めない。でも読みましたからね。
大体この主人公もおバカな死に方をしているけど。別にヤケ酒ではないでしょう。
イジメにあって死んで異世界に行って復讐するみたいな話は多いと思うけど、人を恨んで死んでも勇者にはなれないよ。
中盤は西遊記のパロディーだったようですが、苦労したようです。
でもねあとがきで本人も書いているけれど、自分で書いて好きな作品だったのでしょう。
申し訳ないけれど私もこの人の短編が好きで良く買いました。売れるものを書かせるのが出版業界の常識だものね。
都築さん、書くのが早すぎたかもね。