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9/17

[5/24 18:55] ゲーム・スタート

『 た、大変です! ○○県篠山市で謎のテロリスト集団により…市が占拠されてしまいました。テロリスト集団の数は少なくとも300はいる模様だと警察は調べております。警察はこのテロリスト集団が同県内の軍の銃を奪った犯人グループだと見ています…。生存している篠山市の市民の方々、すみやかにその場から逃げてください!』



――…プツン!


俺はテレビの電源を消し、手に持っていた銃をホルダーに収める。

大体の状況はわかった。

なぜ、こんな事になったのかは分からないが、一つだけ確かな事がある。

それは動かなければ死が待っているという事だ。

脱出するのは困難だとは思うが、まだ手段はある。


――…今頃、彼女も無事だろうか?


ふと、俺は中学からの友達の事が気になり、自宅の電話から彼女、唯の携帯電話へと掛けてみる。


プルルルルッ! プルルルルッ!


だが、待っていても一向に電話が出る気配がない。

何度も掛けなおすが、その度に留守電話が聞こえる。


「…チッ!」


まさかとは思うが…唯はもう既に…。

最悪の事態を考えてしまうが、それをすぐに頭から消し去る。


――そんなはずない。きっと生きている。アイツがそう簡単にくたばるはずない!


俺はウェストポーチに銃のマガジンを二つとお茶が入ったペットボトルを入れて、ドアを開けた。

ここから先は相当な覚悟が必要だ。

そう、もう既にここは戦場なのだから。


「さて…」


俺はウェストポーチから市内の地図を出して、それを広げた。

現在地は箕田町。

俺が住んでいる町だ。隣町は藤間町。

藤間町と言えば、唯が確かここに住んでいたはずだ。


――もしかしたら、まだアイツは家にいて、部屋のどこかに隠れているかもしれない…!


そう思った俺は急いで彼女の家へと向かった。






移動してから10分後、唯の住んでいるアパートへと着くが、悲惨な状況だった。

各部屋の玄関のドアが全て開きっぱなしで、部屋からは血まみれの死体が幾つも見えた。

惨すぎる…。

俺は急いで2階へと上がり、唯の部屋へと向かった。

唯の部屋も玄関の扉が開けっ放しにされていた。

嫌な予感がして、額から汗が流れ出る。


――…まさか!


俺はホルダーから銃を抜き取り、構えながら部屋へと入った。


「な…!」


部屋内には唯の姿はなく、代わりにテロリストがその手に包丁を握り締めて倒れていた。

腹部からは血が流れていて、それが床に染みている。

銃をホルダーへとしまって、俺はテロリストに近寄り、身体を調べてみた。

息は既にない。傷口をもっと調べてみた。

傷口に弾丸の貫通した後がある。

銃を奪われて殺されたのか…。


――誰に…?


その答えはすぐに出た。

思い当たる人物は彼女しかいない。

ここは唯の部屋だ。

多分、彼女が奪い取って、それを発砲したのだろう。


――なら、唯は生きている…?


まだ確定した訳ではないが、彼女がまだ生きている可能性は高い。

だが、何処に行った…?

もう既に無事に脱出したのだろうか。

…いや、まだ数分前にニュースが放送されたばかりだ。

それは絶対にありえない。


――なら、何処に…?



「くそ…!」


携帯が繋がらなかった今、現時点で彼女を探す術がなかった。

仕方ない。

手がかりがない以上、唯を探すのは後回しにする。

一応、さっき電話で連絡をしておいたのだ。

着信履歴は絶対に残っているはずだ。

何かあったら、向こうから電話を掛けてくるだろう。

俺は唯の部屋から出て、アパートを後にした。

既に次の目的地は決まっている。


“七尾診療所”


そう。

親父が勤めている診療所だ。

 

七尾 桂


[所持品]

・ベレッタPx4 [20発]

・ベレッタPx4 マガジン(2)


[]内は弾数。

()内は所持数。


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