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[5/24 20:20] The tower of death 1

 

…前書きでのコメントは初めてですね。

「MURDER GAME」読者の皆様。

初めまして、作者の【桃月】です。

そして、遅れましたがあけましておめでとうございます。

去年はそれなりに忙しくて色々ありましたが、それでも悪くない年でした。

いや…。

むしろ、楽しい一年だったと思います。

今年は去年よりもさらに楽しく過ごせたら良いと思っております。(まぁ、忙しいも含めた意味なのですが…笑)

皆様も良いお年を…。


さすがに今のままの未央の服装はテロリストと疑われても仕方なかったので(現にさっきまで、テロリストの一員だったのだが…)、俺達は未央の服を調達するために、七尾診療所から距離が近かった市街一のデパート「リバティ」に向かった。

診療所から、10分程度。

行く途中、テロリストに見つからないように配慮して行動していたので、正確にはデパートに着くのに20分くらいかかった。


「ここ…だね」


「ああ、…やけに暗いな」


俺達はデパートに入る前にこの建物の外面を確認する。

外面から見れば、デパートは明かりが点いていなかった。

本来、このデパートは夜10時まで営業していたはずだ。

そのため、デパートの電気が点いていないとなると考えは極めて小数に限られてくる。

その中でも、最も可能性が高いと思われるのは、デパート内にいる人間を混乱・かく乱させて殺しやすくするために明かりを消した…、だろう。

また、違う可能性としてはこうも考えられる。

“テロリストの目を眩ますためにわざと電気を消した”と…。

どっちにしろ、中に入らないとその状況は分からない。


「…行くか」


俺の言葉に未央は頷き、俺達はデパート内へと入っていった。

診療所内と同様、店内は真っ暗だった。

俺はペンライトを、未央は懐中電灯を点けて、店内を照らし出す。

俺のペンライトは診療所内での消耗で若干、光が薄くなっていた。

入り口を入ってすぐに、案内図が描かれており、俺達はそれに目をとおす。


B-3…駐車場2

B-2…駐車場1

B-1…食料品

1-F…アクセサリー・化粧品・生活用品

2-F…時計・メガネ

3-F…婦人服

4-F…ベビー・こども服

5-F…紳士服・紳士洋品雑貨

6-F…きもの

7-F…書店・おもちゃ

8-F…食堂街

9-F…ゲームセンター


案内図を見る限り、ここは中々の設備が整っているみたいだ。

俺もここのデパートにはほんの数回しか来た事がなく、それも地下一階の食料品エリア・9階のゲームセンターエリアのみで、他の階については行った事が無く、まるっきりどんなところかわからなかった。

未央もそう来た事がなかったのだろうか、案内図をずっと見ていた。


「とにかく、3階にあるらしいな。行って見るか」


「そうね」


俺達は案内図を確認し終えた後にエレベーターへと向かい、スイッチを押した。

だが、何故か押したボタンは一向に光らなかった。


「電源…切られているね」


「そのようだな…」


電源が切られているとなると、エレベーターは使えない。

上の階へと行くため、残った手段は階段を使うほかなかった。

エレベーターの脇に非常階段と書かれた扉があり、俺はそのノブを回してみる。

ガチャッと音がして、扉が開いた。

入った先は非常階段とは似つかないくらいの螺旋階段だった。


「また…、派手だな」


「…私、螺旋階段って実際に初めて見たわ」


「…俺もだよ」


俺達はその光景に見とれながら、階段を上っていった。

そして、3階へと上り着いた。


「へぇ〜。たいしたものだ…」


着いた先は数々の婦人服が飾られた店が奥にずらりと並んでいた。

暗さからして、よくわからないが数的にかなりの店舗があるだろう。


「…きれい」


隣で未央がボソッと呟く。


「…さすがにもう従業員はいないと思うし…、好きな服選びなよ」


「えっ! …いいの?」


未央は目を輝かせて俺を見た。


「おう!」


俺は笑顔で答える。

未央は喜びながら、洋服店へと走っていった。


――…やっぱり、未央も女の子なんだな…。


軍人だからと言っても、やはり彼女はまだ女の子だ。

年も若いし、おしゃれに興味がない女の子なんていないだろう。


――それにしても、未央はどうして軍人になったんだろう? 確か、年は18歳だから、一応高校は卒業しているんだよな。…まぁ、後で聞いてみるか。


俺は先走る未央の後を追っていった。

未央が入った先は「SWEET」と呼ばれている若い女性に流行っている今時の店だった。

俺がその店に入った瞬間、未央が前方から手に服を持って、やってくる。


「ねぇねぇ! この服、どうかな?」


未央は服を合わせながら、俺に見せて感想を聞いた。


「う〜ん…。い、いいんじゃないかな?」


白黒模様の長袖のTシャツの上に袖なしの黒のシャツ、下はチェックのスカートと中々可愛らしい格好な服装だった。


「なら、これはどう!?」


未央は次に合わせた服装を俺に見せる。

今度はさっきとは違い、セクシーな服で胸元が開いている赤色のTシャツに下は短パンという結構過激な服装だった。

…狙っているのか?


「………」


さすがにこの服には感想がつまずいてしまった。


「ねぇ…どう?」


未央は迫り来るように俺へと近づいてきた。

俺の目線はどうしても胸元へと行ってしまおうとするが、それを必死で抑える。

そして、目線を逸らしたまま、未央に感想を言った。


「……俺は最初の服がいいと思うな」


「…ん〜。そっかぁ」


未央は俺の言葉に渋々と納得してくれた。

さっき未央に言った感想だが、…もちろん、嘘だ。

人の好みにもよるが、それでもやはり、大抵の男は「可愛い」よりも「少し色っぽい」の方が好みなはずだ。

少なくとも、俺はその中の一人だ。

だが、さすがにこんな状況の中、そんな事は言っていられない。

というか、そんな服装の未央と行動していたら、こっちの理性がおかしくなるだろう。


――…でも、なんか少しもったいなかったな……。


もう少しくらいこの目でしっかりと見ておくべきだったか…?

俺は少し肩を落としては嘆息した。

未央の服選びはまだまだ掛かりそうだ。

俺は椅子を見つけて座り、ゆっくりと気長に待とうと思った。



だがこの時、既に背後には何者かが近づいてきているのを俺達は気付けずにいた。

 


七尾 桂


[所持品]

・ベレッタPx4 [18発]

・ベレッタPx4 マガジン(2)

・Cz75     [15発]


[]内は弾数。

()内は所持数。


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