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没落メルトダウン  作者: 小林晴幸
蛇足という名の番外編
196/210

アンドレ、愛の為に 2

その後のアンドレ完結編。

この筋肉オネエ(?)がドレスなんぞけったいな格好をしている理由が明らかに……!?




 目の不自由な愛娘がわざわざ父を訪ねて来て、言った言葉。

 ――「ママが帰ってきたの!」

 それを聞いて、父親(パパ)であるアンドレの反応は……

 わなり、唇を震わせて。

 アンドレは身を翻して、側に有った部屋……門番達の詰所へと飛び込んだ。

「アンドレ!?」

 どうしたのかと驚くジャスティや門番達に構うことなく。

 そしてさほど時間をかけることもなく、アンドレは再び姿を現した。


 その無骨な両の手に、長柄の武器……斧槍(ハルバード)を握って。


 どこからどう見ても、それは門番用の備品だ。勿論、無断持ち出しは厳重注意を頂いてしまうモノなのだが……アンドレがそれを握ると、驚くほどにしっくりと来る。門番以上の気迫が斧槍とアンドレの組み合わせを地獄の死者のように錯覚させる。

「アンドレ!?」

 先程とは違う感情の込められた、ジャスティの声が響く。

 アンドレは愛娘をひょいっと持ち上げ、自身の左肩に乗せると……やけにキリッと真剣な、覚悟の籠った眼差しがジャスティへと向けられた。

「こうしちゃいられないわ……ジャスティちゃん! あたし、早引けするわ! だから早退届、代わりにお願い・ねぇ・ん!」

 いつもと同じ、気色の悪い口調。

 しかし彼の顔は……戦場に赴く戦士(おとこ)の顔をしていた。

 そんなに悲壮な覚悟を滲ませた顔で、ごつい武器を持って。

 アンドレよ、お前は一体どこに何をしに行こうというのだ。

 嫁が帰って来たんだろう? それなのに何故、武器(そんなもの)が必要なのか……それで一体何をしようというのだろうか。

「待て、待つんだ刃傷沙汰はストップだアンドレー!!」

 同僚ジャスティの声に応えることもなく。

 官服の下に着込んだオレンジフリルのドレスを翻し……アンドレは猛ダッシュで消えた。通りの向こう、人並みの彼方に消えた。追い掛けて止めようにも、親子の姿はもう見えない。その俊敏さは、タイムセール卵お1人様1パック限り58円を前にした奥方の如しであった。

「……くそ、アンドレの住所知らないのに!」

 頭を抱えるジャスティは、どうか事件などおきませんようにと願いながら……とりあえず、アンドレの早退届を代筆するのであった。


 どどどどど……まるでバッファローの如き、その走り。

 快速アンドレ号は娘を乗せて、ひた走る。

「ロザリー、ママはいつ帰ってきたのかしら!?」

「えっと、お昼ごろよ。パパ」

「チッ……ゆうに3時間は過ぎたか。まだ家に居れば良いが」

「えっと、えっと……大丈夫! ママ、パパに会いたいって言ってたもの。パパもそうよね?」

「ああ……()も会いたかったさ。テレーズ!!」

 テレーズ。それが、アンドレの嫁の名前だと知る者は少ない。

 しかし今この場でアンドレが呼んだ名には……妻に対する声音とは思えない、何やら不穏な響きが込められていた。

 アンドレ夫婦に、一体何が……!?

 ジャスティが聞いていれば、きっと不穏な空気への驚愕を顔に浮かべたことだろう。

 しかし一人娘のロザリーちゃんは、特に気にしたところもなくのほほんと「パパはやーい!」などと楽しげな声を上げる。

 アンドレ親子が家に帰り着いたのは、15分後のことだった。

 それは一般的な成人男性が歩いて1時間の距離であったことをここに明記しておこう。

 親子が普段2人で暮らしている家は、アンドレの外見にはそぐわぬ可愛らしい家だった。まるで絵本に出てくるような、白い壁に青い屋根の一軒家。緑に映える、白く塗られた木の柵が敷地を囲み、庭には季節の愛らしい花が咲き乱れる。玄関ポーチ前では蔓薔薇の這うアーチが人々を出迎えた。

 家に帰りついたアンドレはアーチを潜らずに足を止め、何かを探すように……または警戒するように、きょろきょろと周辺を確認するのに余念がない。

「ロザリーちゃん、貴女は危ないから此処にいてちょうだい!」

 そう言ってパパが愛娘をそっと肩から下し、3歩の距離を取った時だった。


「 あ は は は は ! 」


 艶やかな女の声に不釣り合いな高笑いが、どこからともなく響いた。

 それはアンドレにとって、ばっちり聞き覚えのあるもの。

 油断はすまいと斧槍を構えたまま、アンドレは身構える。

「上ね……!」

 素早く官服の胸元に突っ込んだ指が、そのぶっとさにそぐわぬ繊細さと器用さを発揮して細身のナイフを掴み出す。その数、3本。

 アンドレに躊躇いはなかった。

 最小限の挙動で、ナイフは稲妻のように鋭く飛来する。

 刃先が向かうのは玄関ポーチの上に迫り出した出窓……その両脇の、飾り柱の影。

 アンドレの読み通り、そこには細身の影が潜んでいた。

 しかしナイフが命中するより早く、軽やかな身のこなしでひらりと避ける。お返しとばかりに、飛んできたナイフを宙で掴んで真っ直ぐアンドレまで投げ返すというおまけ付きだ。

「やあ、大歓迎だね。懐かしいねぇ、昔を思い出すだろ、アンドレ……! まるで2人が出会ったあの日の様でときめくだろ!?」

 投げ返されたナイフを、更にアンドレが指で挟んで止める。

 鋭い刃はの軌跡は、アンドレの心臓直撃コースだった。

「アンドレ! アンドレ! おお、我が愛しの君よ……! 会いたかったよ、我が愛しのマイダーリン! 君に会える日を一日千秋の思いで待っていたとも!」

「あたしも会いたかったわよ、スイートマイハニー!! こん畜生!」

「っていうか何だい!? その恰好! 面白過ぎて思わず笑っちゃったんだけどさぁ――あははははははははは!!」

「笑うんじゃないわよ! テレーズ、アンタが言い出した・ん・で・しょう!!」

「私が? なんて?」

 柱の影から躍り出た、細身の影――アンドレの嫁、テレーズ。

 彼女は長い髪を一つに束ね、しなやかな体躯をタイトに強調するような…… 軍 服 を身に付けていた。足をしっかりと守る皮のブーツは膝上丈で、躍動感溢れる動きを見る者にお届けする。

 嫁は、その右手に長剣を握り、左手で逆手にナイフを構え。

 玄関ポーチの上から、一直線に。

 アンドレめがけて飛び降りた。

 当然のように、その手の刃をアンドレの脳天命中コースの軌道へと乗せていたことを、2人の愛娘が目撃せずに済んだことは幸いである。

 勢いのある嫁の連撃をアンドレは斧槍の長い柄で受け止め、振り払う。嫁の身体は押し返され、アンドレから離れた位置へと跳ね飛ばされた。

 テレーズはそれでも慌てず騒がず、慣れた挙動で宙返りを交えると、静かに着地を決めた。

「アンドレ、私が何を言ったんだい?」

「テレーズ、忘れたとは言わせないわよ。――お前が言ったんだろう。『これから長く留守にする。待っていてくれとは言えない、待たなくても良い。私を見限って他の女と幸せになってくれても構わない。だけど、もし、こんなどうしようもない(わたし)を待っていてくれるというのなら…………遠くから見ても、それとわかる様に。私以外の女は寄せつけなかったと、はっきり知らしめるような……そんな姿で待っていてはくれないかい? 君が他の女と幸せになったんだと勘違いして、永遠に君の前から姿を消さずにいられるように』……と」

「凄いな! 一字一句覚えてたのかい!? 私は半分以上何言ったか忘れていたよ!」

「忘れないでよ! ……忘れるんじゃない! ああ、もう! 離婚届まで置いて行くし……テレーズ、本気でアンタはあたしと離婚したいのかと思ったわよ!!」

「というか、それでその恰好かい!? 吹っ切れ過ぎだろ、素敵だアンドレどうかこの私と結婚しておくれ!!」

「もう結婚しているわよ! ……じゃない、結婚しているだろ、この馬鹿女がっ!」

 太い筋肉を更に膨張させて、夫は妻の全力の(こうげき)を受け止める。

 通りに響く剣戟の音は日暮れまで続き……鳴りやまぬ金属音に、ご近所さんはテレーズの帰還を察知した。

「おやまぁ、お向いの(テレーズ)さん帰ってきてたんだねぇ」

「10年ぶりじゃないかい。旦那さんもよく辛抱して待ってたよ。帰って来てくれて、その甲斐もあっただろう。……旦那さん、奥さんがいないストレスか…………随分、変わり果ててたからなぁ」

「けど、帰って来るなり夫婦喧嘩かい? 相変わらず激しいねぇ……ご両親の喧嘩を見せつけられるなんて、あれじゃお嬢(ロザリー)ちゃんも可哀想に」

「いやいや、喧嘩の時はもっと激しかったろ。忘れたのかい」

「おや? そうだったかねぇ」

「そうそう。アレは再会の喜びを示した……うん、じゃれあいじゃないかね」

「なんにしても、10年も経つって言うのに変わらないねぇ、お向いさんのお宅」

「ははは、いやいや、10年経っても冷めず夫婦仲がよろしいようで結構じゃないか」

 ――そんな会話が、アンドレ達の家の通りを挟んだ向かいのお宅でされていたとか、何とか。

 ご近所さん達はすっかり順応させられていた。



   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・



「――はぁ? 出会いは戦場?」

 一方その頃。

 アンドレの突発的な早引けの処理を請け負ってくれていたジャスティさんは、理由を説明するなり上司にお茶に誘われて。

 上司と2人、卓に向かい合ってお茶を啜りながら――懐かしそうな白鬚の老人に、アンドレとその嫁の馴れ初めを聞かされていた。

「そうさなぁ、もう何年前になるか……ジャスティ、お前さんが生まれるよりも前にこの国で戦争があったことは知っておるじゃろ」

「ああ、なんでも風の噂ですが……アンドレが凄く活躍したとか、何とか?」

「そうそう。あの戦は熾烈な争いを繰り広げたもんでのぅ。アンドレを初めとした白兵部隊の活躍がなければ、どちらが負けておったものやら……」

「それで、アンドレと……その、奥方が、戦場で?」

 出会いが戦場。そう言われると殺伐としたイメージしか湧かない。

 もしかすると戦場に巻き込まれた娘さんを助けたとか、略奪に来た兵に乱暴されかけている村娘を助けたとか、そういうことだろうか?

 ジャスティの想像力は、その辺りを推測する。

 しかし白鬚の上司がぽろりと言った内容は、ジャスティの頭に空白を作った。

「アンドレの嫁さんはのぅ……敵兵のエースというヤツじゃった」

「まさかの敵対勢力。え、敵と恋に落ちたんですか? アンドレが!?」

 色々な意味で、想像力の限界が無理だと訴える。

 何がどうやって、どうなれば……あの(・・)アンドレにそんなロマンスが戦場で到来しちゃうというのだろうか。

 ジャスティは、軽く眩暈を覚えた。

 しかし上司のぶっちゃけ話はここからが本番だ。

「戦場でのぶつかり合いは、5度、6度と回を重ねての。アンドレと嫁さんは示し合せた訳でもないというに、その度に同じ場所でぶつかり合いおって……刃を交える内に、何がどうしたことか2人は意気投合。ついには戦の行方そっちのけで」

「まさ、か……戦場でいちゃつきだした訳じゃ」

「いや、お互い以外眼中にない様子で殺し合いだしよった」

「何がどうしてそうなったんですか! え、意気投合してそれなんですか!?」

「どうも、のう……この上は結婚するしかないという、よくわからん結論に双方が達したらしく。負けた方が相手の国に嫁(婿)入りするという勝負に突入したとかなんとか……捕虜扱いで自分の国に連れて行って、籍を入れるという話になったそうじゃ」

「アンドレって馬鹿だったんですか?」

「嫁が絡むと、のう……。嫁の思考回路に引きずられるらしく」

「嫁の方が馬鹿だったんですね……血の気多すぎでしょ。それで、アンドレがこの国にいるってことは?」

「うむ。他の誰の制止も聞かず、戦争そっちのけで始まった2人の死闘は三日三晩ぶっ通しじゃった……2人の大胆な攻撃に巻き込まれ、周囲の被害多数。遂には戦争どころじゃなくなって、両軍ともに固唾を呑んで2人の決闘の行方を見守るという異常事態に」

「異常事態ってわかってるんなら、それなりに対処しましょうよ。アンドレも何をやってるんですか」

「やがて4日目の朝が明けた時、僅かなスタミナの差でアンドレが勝利と嫁を勝ち取ったのじゃ。そして両軍の祝福と呆れと畏怖を一身に受けながら、アンドレは嫁取りに成功し……そのまま戦争も終わってしもうた。アンドレと嫁の戦いの巻き添えで、双方ともに甚大な被害が出ておったからのう」

「三日三晩ぶっ通しで戦い続けられる時点で、アンドレもその細君も人間じゃないと思うのは私だけでしょうか。色々と酷いんですけど、その話。似た者ですか。似た者同士なんですか」

「あの奥方をアンドレが正式に娶ると知れた時……敵方の軍勢から、盛大な祝の言葉と歓声が起きてのぅ」

「何をやった、アンドレの嫁。どういう扱いですか、それは」

「奥方は……故国の軍営で、『狂犬』の二つ名で知れておったらしい」

「どういう夫婦ですか、本当に……」

 とりあえず普通の夫婦と程遠いことはよくわかる。そんなアンドレの逸話だった。



   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・



「…………落ち着いたか、テレーズ」

「ああ、御免よアンドレ。やっと帰ってこられたから……私も、興奮してしまって」

「ママ、大丈夫……?」

「ああ、ロザリー! 可愛い私の娘。ごめんね、こんな時まで放ったらかしで……寂しかっただろう」

「ううん、私は平気よ。ママの元気な声、聞けて嬉しかったから」

「アンドレ……! 聞いたかい!? なんて健気で良い子なんだ!」

「あたし……私の教育が良かったんだ」

「それはない」

「どういう意味だ、その即答は」

「ふふ、御免よ。ああ、だけど良いねぇ……夫と、娘。私の家族が此処にいる」

「テレーズ……」

「アンドレ、私は帰ってきたよ。


 ――万病を癒す一角獣の角を手に入れて! 」


「手に入れたのか! 本当の本当に手に入れてきたのか!?」

「私は宣言したことは実現する主義なんだ、アンドレ! 私が有言実行できなかったのは……アンドレ、君を婿として我が祖国に迎え入れると言ったあの言葉だけさ」

「アレはそもそも幻の獣だろうが。どうやって見つけたんだ」

「ふふ、そりゃあ困難だったさ。簡単だったとは言えない。何しろ10年もかかってしまったんだからね! ……内、6年は一角獣との死闘に費やしたけど」

「半分以上は一角獣との戦いか……それほどに手強かったと?」

「そもそもアレは乙女の前にしか出てこないという好きモノだからね。場所を絞り出した後は如何に誘き出し、行動範囲を掌握するかが大変だったよ」

「苦労、したのか……」

「勿論さ! でも、その甲斐はあったと思うよ……だって、これで。これさえあれば……ロザリーの目、治るんだから」

「テレーズ、済まない。お前にばかり苦労をかけた……」

「何を言っているんだい? ロザリーの養育にどちらが専念すべきかって考えたら、アンドレが残る方が正解だろう? まあ、ロザリーに寂しい思いをさせたことに違いはないけどね……アンドレだって、ロザリーの目の治療費を払う為に軍から異動したって聞いたよ」

「……誰に聞いたんだか。私は、父親としてすべきことをしただけだ。治療の効果の程は、微々たるものだったが……」

「それもこれも、そんな全ても! この一角獣の角が解決さ! さあ、ロザリー! ママのところにおいで」

「ママ? どうしたの……? 泣いてるの?」

「……泣いてなんか、ないさ! だってママは今、とってもわくわくしてるんだからね!


 さあ、ロザリーの明るい未来が幕を開けるよ! 」


 かつて王国の軍部にて、鋼の男と恐れられたアンドレ。

 今となっては別の意味で恐怖と畏怖の対象であった、アンドレ。

 そんな彼には愛する妻と娘、2人の家族がいる。

 そして――嫁が放浪することは、これ以後に3度しかなかったという。





「ところで、テレーズ」

「ん? なんだい、アンドレ」

「あたしの部屋がしっちゃかめっちゃかになっている理由を聞こうかしら?」

「ああ、あれね! ほら、アンドレに女の影があったら一角獣の角だけ置いて身を隠そうと思ってたからさぁ……それらしい痕跡がないか漁った」

「堂々と言い切るのね!? 後ろめたさはないのか!」

「ふっ……クローゼットと箪笥からドレスやら化粧品やらアクセやら出てきたときはどうしようかと思ったけどね。ドレスの寸法が……どう見ても、アンドレ用の特注品にしか見えなくて。私は本当にどう事実を受け止めたモノかと思ったよ。実際の君を見た時は、堪えきれずに笑ってしまったけれどね!」

「だからアレはアンタのせいだって言ってるでしょ!? 変なこと言い残していくのは止めてよね!」

「そうは言いつつ、口調が染みついて中々元に戻らないみたいだけど……はまっちゃったのかい?」

「…………良いわ、お望みなのね。それ以上言いたいことがあるんなら、表にでて聞いてあげるわよ!」

「おっと、もう一戦かい? 喜んで受けて立つよ、アンドレ!」


 そんな夫婦の物語。

これは酷い。

そう思って没った箇所 ↓


テレーズ

「アンドレー、アンドレー♪ そのふとましくも逞しい二の腕ー♪ 我が愛しの外付け筋肉ぅ、アンドレの筋肉(にく)は私の筋肉(にく)だからー、全てすべてわたしのもーのー♪」

アンドレ

「なんなのその歌!? ちょっと、あたしの筋肉はあたしのものよ!? 伴侶って意味ならアンタのものだけど、部位単位であげた訳じゃないからね!」

ロザリー

「パパ、ママ! このシチュー、私が作ったの。……食べてくれる?」

テレーズ

「おお、我が愛しの娘! アンドレと私の愛の結晶ロザリー! 君が作ったというのなら、鍋の底の一滴まで私が飲みほして見せるとも!」

ロザリー

「……パパ、ママってこんな風だったっけ? もっと、もっとこう……きりっとしてたような」

アンドレ

「……ごめんね、ロザリーちゃん。ママったら久々の家族団欒でテンション振りきれて……その、頭のネジが5本くらい飛んでるみたいだから。明日にはきっと落ち着いているわ。だから勘弁してあげてちょうだい」


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