日清戦争 -41 輸送船団
コメントは燃料なんだな。(投下ありがとう)
第2遊撃隊 旗艦『筑紫』 小鹿島
「どちらに向かうとしても速力は落とすべきではない。旋回する。」
旗艦に航海長として乗艦している秋山は…いや全ての将兵は悩んでいる。第2遊撃隊は置いて行かれた。停泊地付近に伝令役を置いていたために本隊と第1遊撃隊の航路はわかった。それに合流できるように部隊を動かし、合流できる地点まで進出した。小鹿島に。
しかし、接近中に2か所に煤煙が見えた。うち1か所からは砲声が聞こえる。
「第2遊撃隊だけで行って、清国艦隊に接敵されたら全滅する。」
指揮官の発言は事実である。
「本隊が戦っている可能性があります。援護に向かうべきです。」
その2つの意見が対立している。
「私としては…砲声から本隊は小鹿島西の海域で戦闘していると思われます。北の煤煙は清国艦隊ではない可能性があります。清国艦隊なら援護のために合流する進路に煤煙が動く。それが認められない以上、敵ではない可能性があります。」
秋山は冷静に判断する。だが敵が何かわからない。
「船が来るぞーー!!」
見張りが叫ぶ。比較的西に存在していた僚艦が気が付いた。それを見た見張り員の叫びだ
「『金剛』!!本隊に引き抜かれた『金剛』だ!!」
本当は『比叡』である。どうやら信号を読み取った士官が叫んでいる。第2遊撃隊の参謀だった男だ。旗艦変更と同時に乗艦を変えた。
「こちらに来るということは…戦線離脱か!!戦局は不利なのだろうか!!通信を確保せよ!!」
船を『金剛』に向かって動かす。
読者諸君は知っているだろうが、『金剛』ではなく戦線離脱中『比叡』だ。なお間違えた船の見張りはのちにどやされることになる。
「『比叡』から信号『戦局互角。本艦被害甚大につき離脱。第2遊撃隊は敵艦隊後方の輸送船団を攻撃せよ。本艦も参戦す。』です。」
接近した艦は手旗信号で会話をする。会話中にも『西京丸』が接近。合流の判断を下す。
「『比叡』は手痛く損害を食らったようですね。しかし、戦意を失っていないことは素晴らしいです。」
「輸送船団なら手が出ますね。弱い者いじめは申し訳ないですが、拿捕もしくは撃沈するべきですね。」
速力を落とさない判断をした第2遊撃隊はすぐに動く。豊島沖海戦で『吉野』が下した判断を味方も学んでいたようだ。なお『西京丸』は小鹿島で留守番だ。全体の動きを伝達する必要性もあるが、第2遊撃隊司令官にとって2つも立場が上な人間が現場にいることによる指揮系統の混乱を避けるためである。
「輸送船と護衛の砲艦2、水雷艇2を確認!!」
合計7隻の軍艦。いずれも旧式とはいえ外洋航行を考えて建造されている船。清国艦隊は沿岸戦闘が主体の小型の砲艦と一撃しか手がない水雷艇。史実では日本は輸送船の存在を失念していた。清国艦隊との交戦で忙しかったのもあるが。
「逃げられるぞ。釜焚きをもっとせよ。」
清国の輸送船は北東に逃げる。しかし行先は鴨緑江。揚陸する暇はない。さらに船速は遅い。追いつかれる。
「水雷艇接近。一撃に注意!!」
「水雷艇対策のノルデンフェルトを撃ちまくれ。」
「魚雷は来ても1隻あたり同時に2発まで1隻あたり計3発だ」
迎撃に来るのは護衛の水雷艇2隻『福靖』『右隊二号』砲艦の『鎮北』、『鎮辺』のたった四隻。
「敵艦魚雷発射。」
「回避!!」
そんな数の魚雷では役に立たないが、戦力差は圧倒的。水雷艇二隻は撃沈される前に魚雷を放つ。魚雷を避けるために動くだけで逃げる時間が稼げる。
「『福靖』被弾!!」
だが、被弾。どうやらノルデンフェルト二五㎜ではなく、炸薬込の砲弾のようだ。『福靖』の速力が落ちる。
「時間稼ぎには付き合うな。数隻残せばいい。輸送船を追撃せよ!!」
残りの三隻…魚雷を打ち尽くした一隻が抜け、たった二隻になった護衛部隊は時間稼ぎに抵抗するが、七隻に対する抵抗にしては力不足であった。2隻は遊撃隊の内、2隻を足止めすることはできたが、5隻には抜かれる。
ほとんど足止めにはならない。砲撃が周りに落ちると、日本艦隊の旗を確認すると、すぐに停船する。
日本艦隊は最終的に、7隻が砲艦2隻、輸送船5隻の拿捕に成功することになる。
当時の水雷艇に清国側については戦闘中の再装填は不可能につき、すでに離脱、逃走を開始していたために4隻ともに生存することになる。
更新ペースを5日を最後に低下させます。ストックが不安になってくる 正月ボーナスは終了ですね。




