表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/47

日清戦争 -35 窮地3艦

 更新忘れてた。いろいろ忙しい

 第1遊撃隊が加速し、それに本隊が追従した。そうなると、問題が生じる。足の遅い船が取り残されるという問題だ。

 この取り残された船は史実においては『赤城』『扶桑』『比叡』の3艦だったが、この世界では『赤城』は会敵劈頭別任務のために戦列を離れている。そして史実本隊2番艦『千代田』が遊撃隊に引き抜かれた代わりに本隊5番艦に編入された『比叡』と同型の『金剛』 結果的にこの世界では『比叡』『金剛』『扶桑』3隻が窮地に陥ることになる。


 比叡 桜井 規矩之左右

「馬鹿が…ただついてゆくのなら貴様の席はいらんぞ伊東!!」

 坪井少将は本隊旗艦『松島』「(向かって)右の敵から攻撃せよ」という信号に反して向かって左 清国艦隊右翼から攻撃するために取り舵を取った。

 この行動が諸説あるが、命令違反とする説が多い。これは同時に窮地3艦の責任は彼にあると言っているに等しい行為である。

 だが作者は命令違反を否定する説を支持する。

 まずは陣形。(向かって)右の敵から攻撃するというのであれば敵艦隊左翼を攻撃することになる。それは同時に左舷の砲門を使用して砲撃戦をすることになる。そうなると史実においては『西京丸』『赤城』の戦闘能力皆無、非戦闘艦とみなされた2隻は左舷側に展開した。

 これは左舷側での戦闘をするであろう(向かって)右の敵から攻撃、敵艦隊左翼攻撃を否定することになる。ただの標的になる上に味方艦隊の攻撃において邪魔になる。

 これを2隻の離脱のために左舷側に寄せたというが、離脱なら右舷側でもいい。いやむしろ右舷側のほうがいい。

 艦隊の離脱ということはのちに合流する必要がある。合流可能海域は最寄りで小鹿島。この島は交戦海域の東側にある。艦隊が南西方向から進出するのであれば、左舷方向よりも右舷方向よりも楽かつ早く到着できる。

 左舷方向から北方向に迂回するようであれば合流は困難だ。清国艦隊は陸軍部隊輸送のためこの海域に進出していることはわかっていた。その艦隊の位置は北。輸送艦隊から主力部隊を分離したとしても直掩艦は残す。その直掩艦と切り離した非戦闘艦艇がかち合うことになる。砲艦1、武装商船1では対抗できず、撃沈される未来しかない。

 故に左舷側に非戦闘艦を展開したのは右舷側で戦闘する気満々だったという事実になる。

 その責を坪井少将に着せるのはまさに捏造に近い。

 作者の意見として命令違反が捏造された背後関係を想像してみる。

 坪井少将は薩摩閥に支配されていた明治海軍。これは薩摩海軍と皮肉られるほど薩摩閥の影響力は強かった。(一方陸軍は長州閥) 実際に実力の有無に関係なく人材は多く、彼らの活躍がなくして黎明期の海軍は存在しない。その薩摩海軍に珍しく長州閥出身の将軍。更に彼は長州征伐以前の時期には薩摩と長州間での戦闘にて活躍した経験がある。更には従来戦術のすべてを否定し、且つ低速、旧式艦艇すべてを足手まといと表現。すなわち明治維新以来、艦隊を整備してきた薩摩海軍の活躍を否定するに等しい発言でもあり、当然、薩摩閥の人間からいい目で見られていなかった可能性すらある。

 さらに坪井少将が戦後に亡くなっていること死人に口なし。責任を押し付けるに好都合である点。などがあるだろう。


ともかく、本隊が分断された。本隊と遊撃隊が分断されたではない。これは本隊伊東中将の指揮の失敗である。分断された艦艇には各艦の指揮官はいても艦隊を組織立って運用するに足る指揮官がいない。これでは孤立した各艦は各個撃破されかねない。

 某宇宙戦艦アニメ作品のように艦隊司令官と艦長を兼任することはまずない。兼任者があまりに多忙になることが目に見えている。この多忙さは艦の生存に大きく影響する。負傷・戦死など式が取れない状況でない限り兼任はあり得ないし、兼任の場合でも次席指揮官をうまく活用して人的リソースマネジメントする。

 それができないような隊列の分断はちぎれた側の窮地を意味することになる。『比叡』『金剛』『扶桑』3隻がその窮地に陥った。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ