日清戦争-05 嘘の国3
漢城市内 穀物商店
「売れないってどうゆうことですか!!手付も払っているんですよ!!」
若い日本兵が叫んでいる。若いといっても義三よりは年長。朝鮮語・もしくは漢文が使えることで先遣隊に選ばれた兵士の一人である。
「だから貴様らより高値で買ってくださったお客様がいらしたんだ。もう買い占められているよ」
店主が叫ぶ。だが日本兵もただでは済まない。
「だったら手付けを返してもらおう。証文もある。」
兵士が証文を懐から出して掲げようとする。だがその掲げられた証文を奪う人間がいる。どうやら朝鮮現地の筋の者らしい。
「何をする!!」
日本兵が叫ぶ。同時に筋の者は証文を破る。
「これで返す必要はないだろう。」
筋の者はそういうと日本兵の顔を殴る。周りのやじ馬が歓声を上げる。相当に反日姿勢が強い。
それを見ていた同僚兵士が呼子笛を鳴らす。直後、その兵士も昏倒させられる。
「何をするか!!」
巡回中の水兵が駆けつけ来る。店主と筋の男は逮捕された。
日本大使館
「商人を尋問したところ、どうやら清国兵が無理やり買い上げたようです。それもかなり安く。ほとんど略奪に近いようです。」
昼に起きた騒動の報告がなされている。
「それで出た損失分を我らに押し付けようとしたのか…」
手付の横領に近い行動に関してのものだ
「清国兵も空手形を切ったものだ。」
証言によればいざというときに清国兵が駆け付けるという発言があったらしい。
「ゴロツキはどうやら清国とのかかわりが深いようで…」
「それで介入してきたということか…朝鮮の改革は清国の影響を排除せねばならないな…」
年末年始の大量投稿に向けて準備中…




