日清戦争-00 暗躍セリ
今回少なめですので正午にも更新を予定。
1894年 朝鮮半島
朝鮮半島は地獄であった。支配階層である両班が悪政を敷く。それは限界を迎え、農民たちは立ち上がる。甲午農民戦争、東学党の乱とも呼ばれる事件である。
この東学党の乱が始まったのは2~3月。朝鮮政府は討伐軍を送るも撃退。武装を奪われる始末だった。朝鮮政府はこの反乱軍を鎮圧することが困難になった。
朝鮮政府が他国に鎮圧軍の派遣を要望することは目に見えていた。
田中義三 兵営 2月(若干時をさかのぼる)
「本当に清国との戦争が起きると思うか?」
田中義三は多忙である。通常の訓練だけではない。この時点では上等兵向け教育がされていないが、上官たちから特別課題が科され、時に口頭審問のようなことまでなぜかされている。
「朝鮮は汚職まみれです。兵個々も練兵する時間があれば私腹を肥やすでしょう。下手すれば訓練用弾薬をくすねて横流しする人間もいるやもしれません。練度は民間人と差異あれど大差がないかと思われます。兵の練度という意味では士気・物量で何とかなる程度の差であるでしょう。」
「確かに兵個々の質はそうだろうな…常備・徴兵問わずだ…だが装備の質は段違いだろう…」
「本来ならばそうです。ですが奪えばいいだけのことです。緒戦にて朝鮮軍が敗北、武装を反乱軍に奪われたら…朝鮮軍の手のつけようがなくなるでしょうね。それ以上にこれを煽るには武器さえあればいい…誰でも使える…それこそ江戸時代の火縄銃でも構わない…」
のちに反乱軍は政府軍に勝利を収める。その手には鹵獲した政府軍の小銃とともに旧式化した先込め式の銃が握られていた。
その報を聞いて上官たちは義三に詰め寄る。田中義三は歪んだ笑みを浮かべると直後…考える
「なぜ…荷物が入管を超えられたんだ…」
つぶやいた田中義三は疑問について説明している間に出した答えに戦慄を感じるしかなかった。
旧式銃はどこから朝鮮に送られたのでしょうか。当然、日本軍には旧式銃を保有する面倒はしません。予備保管も動員分しかないはず…
と考えると軍からの払い下げ品をどこからか調達するしかない。それは全国に分散している。それをかき集める人手が必要。
当時、日本には朝鮮の改革を支援する日本人(代表格が福沢諭吉)が存在しており、その手の情報を回す(回すために使った人脈は速水親子)だけでおそらく協力はしてくれる。だが、その分、朝鮮・その背後にいる清国にも情報が流れる。当然、入管に情報を回して輸入を阻止する。だがそれが阻止されず反乱軍の手に武器が渡った…
ということはだれかが入管をすり抜けさせた…さて…それは誰でしょう…




