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ウサギはソロでも生きている  作者: ハズカシダリア
episode5 温厚ではあるが温情はない
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ソロは興味がない

 目が覚める、帝国の朝は室内でも寒さを少し感じる。

 重厚な窓の外を見ると日が照っており、いつもより遅めの時間に起きた。

 課金をしてアイテム欄の枠をセット価格の10枠を解放して、ついでに無手で闘うので手が汚れていた時のための手袋を2つほど良さげな柄を見つけて買っておいた。


 はめて見るが特に違和感も脱ぎにくいと言った事もない。

 肌触りもかなり良い、流石課金品と言ったところか…。

 手袋の感覚を確かめつつ出ると丁度向かいの(プレイヤー)も出てきたようだ。

 特に気にもかけず、会釈だけして階段をおr


「あれ?昨日の獣人のプレイヤーさんやないか」

「…どうも」

「…どうもってアンタもう少し会話をやな」

「ケルクあまりダル絡みするな、すまんな」

「いや、気にしていない…用がないなら朝食を取りに行きたいんだが」

「!なんやそれなら」

「俺は知らん者とは会食はしない性格だ、それでは失礼する」


 適当に話を切り上げて階段を降りる、無駄に聞こえやすい声で文句を言って仲間に宥められているが気にせず食堂へ向かう。





「ごちそうさま、釣りはここに置いておく」

「はーい!ありがとうございました!」


 今日の朝食は硬めのパンとジャガイモのスープだけだった。

 味はそれなりだったが、雪国と言うのはこう言うものが多いのだろうか?前のゲームでも同じような食事が多かったが…まあ、探せばもう少し良い料理が出る場所もあるだろうし、朝食だからと言う事もあるから一概には言えんか…。


 外に出れば昨日…と言っても夜だったから疎だったが、そこそこ人通りがあり、出店なども見える。

 さて、今日は少し帝都を見て回るか………中央に行くか。






 エインが出た後、ハロールの雪宿に向かって移動する兵士たちが居た。

 慌ただしく入ってきた兵士達は宿の主人にある事を尋ねた。

『ここにエインというプレイヤーが泊まっていないか』

『泊まっているのであればすぐにノーディシス城へ迎え入れたい』

 その言葉を聞いた主人は慌てて宿帳を見て答える。


「ええ、此方に泊まっておられるお客様ですが…何か」


 その言葉には不安であり、まさか犯罪者なのではという疑念も混じる。

 兵士の1人がすぐに手を振り、不安を払う。


「いえ、その方は我が帝国にとって多大なる力を持ってい「班長!」…ああ、そうだったな、今のは聞かなかったことにしてくれ、とにかくその方が帰ってこられたら伝えておいてくれ」

「か、かしこまりました…」

「ヘルメース様、連絡の方もう一度考えてもらうことはできないでしょうか?」

「そう言われましてもねぇ、我が王の自由を著しく阻む事など我が王が嫌う事ですから、これ以上の協力はできませんし、もう放置して置いた方が国の為ですよ、ええ」

「そうだとしても此方も陛下の勅命ですので話だけでもしなければなりません、一応現状を陛下に伝えるべく部下を送りましたが…」

「そうですねぇ…まあ、返事だけでも聞いておきましょう」

「!ありがたい!是非ともよろしくお伝え下さい」







 アイテム欄に余裕があるので日用品を買いにグラスを見に来たが、ハンダロには無かった金属製の物が多い印象だ。

 ガラスの物もあって迷う…どちらにせよグラスなどのアイテムはスタックするが次の旅のことや今後のことを考えると金属製の方が長持ちか?いや、美術性でいえばガラスも捨てがたい、路銀も問題はないがそれでも詰めるところは詰めなければ………ん?


「ヘルメースからか」


 店を出てヘルメースからの〔通信〕を受け取る。


「おはよう、何用だ」

『おはようございます我が王、先程より帝国の皇帝より我が王とついでに私に城へ来てもらいたいとの事を遣いの者から聞き、今遣いの者と同行して探しておりますが、いかが致しましょう』

「そうか、()()()()()()()()()貴様だけでも行ってくるが良い、俺は帝都を見て回る」

『そうでしたか、かしこまりました…案内の者でも「それは自由にせよ、俺は適当に見て回っているだけだ」…かしこまりました、用件はそれだけです』

「そうか、ご苦労」

『有難きおk』


 適当いに切り上げる、呼び出す理由は大体見当がつく、四獣の事だろうがわざわざ俺から何を聞きたいのやら…まあ、興味はない。

 とりあえず金属製2つと気に入った模様のガラスを1つにしておくか。








「そういう事なので、諦めてください」

「諦めてくださいって…」

「何度か言えばもしかしたら来るかもしれませんが、今日のところはやめた方が良いですよ、それに私も立場がありますからあまり無駄に時間を割く事は好ましくないんですよねぇ」

「…分かりました、とりあえず城へ行きましょう」

「ええ、分かってもらえて助かります」


 和かにしかし何処か黒い部分のある笑顔でそう答えたヘルメースに引き攣った顔で促す兵士。

 天を見上げれば昨日までは見慣れない空の色が見る。

 本当であればこの空の色をもたらした人物に会いたかったが仕方がない。

 兎に角今は陛下のもとに片方の賓客を同行できた事に心を撫で下ろし、どうすればもう片方も同行できるか考えねば…。





「ああ、そういう事だから……え、ああ、ジェイク君は今丁度クエスト中で今日は帝都に居ないからさ、それに今丁度我が王が機嫌良さげだったから、それとなく機嫌を損ねない君を選んだわk、え?ああジュリエッタちゃんは駄目だよ、()()()()を案内に私が出したなんてしたら旅の同行許可が台無しで首どころか縁を切られちゃうよ、あははは、イエニス君も恐ろしい提案するね、お兄さんに似てきたんじゃない?

 …まあ、とりあえず上手く頼むよ、どうせ勇者君も来ているだろうし鉢合わせたりしたら周りを巻き込んで処しちゃうかもしれないし、はいじゃあ頑張ってねー」

いつも感想などありがとうございます。

次回もゆっくりお待ちください。

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