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ウサギはソロでも生きている  作者: ハズカシダリア
episode4 パーティではあるが目的はバラバラである
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パーティは雪道を滑走する

 そこまで大きな村ではなかったからあっという間に一周できてしまった。

 とりあえず明日にはここを出るので保存食を多めに買っておいた。

 一応、移動手段が少しでもできればよかったが残念なことにどこも荷物で一杯で断られた。

 が、そのかわりに古いソリをもらえた。


「結構見た目はボロいがまだまだ現役で乗ることはできるから、まあ、運良くけん引できる動物が手に入ったら使うと良い」

「ありがたいが、それまではかなりの荷物になりそうだな」

「ははは、そう思うだろ?

 実際持ってみたらわかるがかなり軽いぜ、捨てるには勿体無かったから持ってってくれ」

「確かに、かなり軽いな、ではありがたく頂戴する」

「ああ、この辺りはけん引できる動物も多いし、人懐っこいからすぐに乗れると思うぜ」


 それはいいことを聞いた。

 とりあえず少しは問題解決の策としては及第点ってところか?

 そろそろ夜になるだろうから帰って明日に備えるか。




「…やはり、無理そうですか。

 ……いえいえ、そちらのギルドの仕事を優先して頑張ってください。

 …ええ、一応……ええ、では…」

「今戻った、とりあえずソリだけは貰ってきた…運が良ければけん引する動物を見つけられるそうだ」

「おかえりなさいませ我が王、こちらは成果がありませんでした」

「そうか、今話していたのがツテか?」

「ええ、ノーディシスを中心に動いているギルドにいくつか当たりましたが、どこもイベントに向けての練習やイベント準備の依頼を受けていてダメでした」

「よい、とりあえず明日からけん引できる動物を探しながら行けば、どうにかなるだろう。

 今は飯を食べて寝て、明日へ備えるしかない」

「そうですね、ああそうだ、今日の夕飯はユキジカが多く狩れたようでユキジカを使ったスープのようです」

「ほぉ、それは運がいいな」

「ええ、外で冷えたでしょうから、ささ早くいただきましょう」


 ヘルメースに促されて食堂へ向かう。

 料理人の腕がいいのかユキジカの肉自体がクセがないのか分からないがユキジカのスープは変な匂いもしない一般的なスープと歯応えのある肉で美味しかった。








「では、世話になった」

「また来た時も泊まりにきます」

「はいはーい、気をつけて行ってらっしゃーい」


 日が登る少し前に宿を出て村から出発する。

 入り切らない荷物はソリに乗せて引いているが、全然重たくない。

 今日も昨日より少ないが雪が降っている。


「とりあえずこのまままっすぐ行ければ、早ければ5日でジェーラー街に着きます。

 そこまで行ければ、乗合場があるのでカラッカ湖付近まで難なく行けるでしょう」

「5日か…それはエンカウントを数えず、天候がこのまま落ち着いていれば…か?」

「そうですね、吹雪けば2日はまともに動けませんし、村から離れれば、徒歩で行く我々は襲われやすいかと、もちろん我が王に傷一つとしてつけることもできないでしょうが」

「まあ、わざわざ当たる事も無いからな」


 ある程度整備されてはいるがそれでも雪は少し面倒だな。

 いつもより少しだけ警戒を強めておくか、結構雪で足音も拾いにくい…。















「村を出て2日くらいか…」

「そうですね、まさか動物に出くわす度逃げていくか襲ってくるかでけん引できる動物が手に入らないとは…」

「まあ、運が悪いのもあるが、そろそろ構ってやるか…」

「え?」

「荷物を少し見ていてくれ、すぐに終わらせてくる」

「あ、わ、我が王!?」


 とりあえず1番気配の大きい方に行く。

 村を出てからずっとこちらに敵意を向けず、それでいて着いてくる…よく分からないが行けば分かるだろう。


 あちらも俺が近づいてくるのが分かっているのか、敵意を見せずに寄ってくるので早めに出会うことができた。

 姿は見たことがなかったから断定はできないが、ミダロス山脈を越えてからすぐに襲おうとしていたオオヒョウロウと取り巻きのヒョウロウだろう。


「何のつもりか知らんが、これ以上……?」


 言葉が分かるのか知らないが忠告を言おうとすると、オオヒョウロウが姿勢を低くして、尻尾も完全に下げて何やら服従のポーズをとり、ヒョウロウも同じ行動をしている。


「…………よく分からんし、俺の言葉が分かるのかも分からんが、服従するのであっても、俺は貴様らのリーダーにはならんがそれでも良い奴だけついて来い、それ以外は散れ」


 少しずつ圧を強めながらオオヒョウロウ達の行動を見てみたが、逃げ出すモノも居ないようだ。

 そういう事ならばこちらも服従に誠意を持って返す。

 リーダーのオオヒョウロウの頭を触り、


「いいだろう、貴様らが何を望んでこの様な事をするのか、少し疑問だが、服従を受け入れよう、ついて来い」


 そう言ってソリの場所まで戻る。

 言葉を理解できているのか、俺の後ろをピッタリくっついてくる。



「待たせたな、ちょうどけん引出来そうな魔物を連れてきた」

「オ、オオヒョウロウ…」

「ソリさえ引ければ何でもいい、ヘルメース、手伝え」

「…は、はい…(流石我が王!)」


 少しけん引用の紐を着けるのに戸惑ったが、なんとか形になった。

 あとはコイツらが俺たちが乗ったソリを引けるかだが。


「…よし、進め!」

「フォオオオオオオオオ」

「「「「フォォォォォォォォォォォ」」」」


 合図と同時にオオヒョウロウが吠え、ヒョウロウも応えるように吠え、そしてソリがゆっくりと加速し始める。


「っと、ふむ、これは良いな」

「す、凄いですねぇ、まさか魔物にけん引されるなんて…この速さなら街まであっという間ですね」

「そうだな………む」

「あれ、そっちじゃな!うわっと!?」


 徐々に整備された道を外れて右へ右へとずれて、とうとう道を外れて雪の深い森に入っていく。

 …ふむ、やはり何か目的があってついて来ていたのか?

 あまり寄り道したく無いが、まあ、良いか…面倒事でなければ大目に見るとしよう…………。

いつも評価、感想などありがとうございます。

次回もゆっくりお待ちください。

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