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ウサギはソロでも生きている  作者: ハズカシダリア
episode3 ソロであって完璧ではない
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ソロは情報を整理する

 宿に戻ると店主が待っていた。


「犯人捕まえてくれたんだな?」

「ああ、訳の分からん奴だった…すまないが部屋に戻っていいか?眠たい」

「そうか、兎に角捕まえてくれてありがとう、ゆっくり休んでくれ」


 鍵を受け取り部屋のベッドに倒れ、眠りにつく。

 明日から長旅になることを考えて早く帰ったのが裏目に出るなんてなぁ……。









 眠りが浅かったか、それとも眠るのが遅かったか、いつもより早く窓から明かりがはい…明かり?

 昼ですら建物が近いせいで日もまともに入らない立地に不思議と暖かい光が瞼にチラつく。


 そして明るい方から余り感じたことのない気配を感じた。

 身体を起こし、明かりの方へ目を向けると火が浮いていた。

 いや、良く見れば人の形をしているような…。


 観察しているとこちらに気づいたのか窓をさも当たり前のようにすり抜け部屋に入ってきた。


「…不法侵入か…名を名乗れ」

「え………はい、私はカラッカ湖の“火”の精霊でございます」

「そうか、俺はエイン、用があるのであれば時間を改めて来い」

「え……」

「ああ、それと今度からは正面から来い、2度はない、さっさと去れ」

「ま、待ってください!私には!」

「深夜に声を荒げ騒ぐでない…」

「っつ…お願いです、今、話を聞いてください…」


 …はぁ、どうやら面倒なイベントのフラグを何処かで踏んだらしい…。

 時間はまだ3時間くらいしか経っていない…。


「断る、俺の眠りをこれ以上妨げるのであれば「怪物がこの辺りを火の海に沈めてしまうんですよ!」……よい、詳細を話せ」

「!はい!」





「つまり、俺にその阿呆から貴様らの姫を救えと?」

「そうです!一刻も早く見つけないと悪い奴が姫様の力を使って悪い事をするんです!」

「それで、他に協力している奴は?」

「他の子達が姫様の力を使った場所で声をかけているはずなのでいると思います」

「……はぁ、不確定な情報だな…仕方あるまい夜遅いが奴に聞くとするか」


 〔通信〕の一覧に唯一ある【ヘルメース】をタップする。

 一応オンラインになっているが、


『お呼びでしょうか、我が王』

「夜分にすまんな、今イベントのフラグを何処かで踏んで巻き込まれてな、カラッカ湖の“火”の精霊が訪ねてきた」

『おお。その件でしたら私どももそのイベントの最中です』

「なるほど、すまないが情報を買いたい、支払いは」

『いえいえ、我が王の力になるのであれば情報料を支払ってもらうなど恐れ多いですよ、しかしながら私どもも勢力を上げて情報を集めていますが、犯人の容姿や経歴くらいしか掴めておらず、現在何処に居るか…』

「…いや、それだけでも儲けものだ、聞かせてもらおう」

『かしこまりました、今回犯人と思われる人物で有力なのが元魔法研究所副所長のギレイ=マルサスで、容姿については研究者達からは不気味との事、研究資料を調べて出てきたのは準禁術指定されている精霊及び聖霊の封印術とこちらは禁止されている人工キメラ実験の資料が多いですね』

「封印術に…キメラ…か」


 何か…引っかかるような…。


『それと、今居る大陸図に印が記されており、我々の予想では今起きている放火事件と場所がほぼ一致していることから放火事件との関連性が高いと考えています。』

「放火事件…ああ、であればあの阿呆が…そうか、なるほどなぁ」

『?どうかされましたか?』

「いや何、そのギレイという阿呆であれば丁度少し前に倒して衛兵に引き渡した所だからな」

『…………流石は我が王…既に元凶を叩いておりましたか』

「そう言う事だ、すまんが俺は今から詰所に行って阿呆に捕まっているのを取ってくるからこれで切るとする、夜分にすまなかったな」

『い、いえ、そういう事でしたら私も大急ぎでそちらに向かいますので立ち合いさせていただきます』

「そうか、まあ勝手にせよ」


 そう言って〔通信〕を切って、精霊に伝えると驚きながら喜びの声をあげて飛び回る。


「兎に角、詰所に向かうとしよう」

「はい!早く姫様の元へ!」


 一階に降りたが、まだ夜中も夜中なので店主はおらず、鍵を置いておくのも危ないのでアイテム欄に入れて詰所に向かう………。

次回もゆっくりお待ち下さい

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