ソロは地下を探索する
屋根伝いに移動して2分ほどして金属音が小さく聞こえたのでそちらに向かうと、大通りに出た。
人も居らず、この辺りにアジトでもあるのかと探すと、足元から足音が聞こえてきた。
下水道か…悪巧みに持ってこいな場所だな。
確か許可がなければ入れないが、今からそんな事すれば逃げられるからな。
マンホールの蓋を開けて、梯子に足をかけ中から閉める。
中は湿っているせいか、それとも獣人の鼻が良いからか臭い…が、探索できないほどではないし、気のするほどでもない。
足音は…あっちか、気配が多いから出来るだけ早く見つけないと面倒だな。
足音の方に向かって居ると浮浪者が項垂れていたり、餓死したであろう死体に虫が集っていたりとあまり衛生面が良くなさそうだ。
しかしそうなるとここ以外にもこう言った奴が居るのであれば足音を頼りに動くのは得策じゃないか…。
仕方ないあまり気は進まないが聞き込みでもするか。
近くにいた壁に寄りかかって居る奴に声をかける。
「すまんがさっき誰かここを通った奴はいるか?」
「……………」
「…………」
反応はしているが喋る気がないようだ……こういうのは大抵の場合、金か物もしくは力でどうにかするのが良いが、野蛮な事は最終手段として置いておくとして、物もない…金か。
とりあえず100Zを目の前に置いて
「知っているならもう100Zだすが…」
「…杖持った男が…そっちに行った…」
「なるほど、ありがとう」
そう言って気持ちも含めて合計250Z出してその方角に向かう……しかし、杖か……俺の見かけて影に杖っぽい物はなかったように思えたがな…。
「見てないがあっちの方から足音は聞こえたぞ」
「そうか、ありがとう」
追いながら聞き込み大体10分は経った。
結構最初の場所から歩いてきたが、まだ犯人らしき人物が見つからない…。
そして、さっきから金で情報を得ているせいでコソコソと後ろをつけられていい加減鬱陶しい。
…がどうやら痺れを切らしたか、それとも俺が1人だからなのか、つけていた奴らの2人が前からうざったい顔で近づき、後ろからも詰めてきて居る。
暴れてもいいがさっさと寝たいのと、もしかしたらコイツらが犯人なら適当に拘束して衛兵にでも引き渡すだけで良いか。
「っと、へへ…半獣の兄さんさっきから金配ってくれんだって?」
「俺らにもくれよ?なぁ?」
「なんだ、ただの馬鹿か」
「へへへ、おいおい、この状況でそれを言うか?」
「馬鹿はオメェだってな!キャキャキャ」
「まあいい、貴様らここらで杖を持ったやつ見たか?」
「へへ、知りたきゃ金を出せるだけ出しやがれ!!」
「身ぐるみ剥げ!!」
「キャキャ!!」
「今度からは身の程を!?」
4人でそこそこの連携しており、別段避けるのは容易だが、面倒なので間合いに入った奴から壁に叩きつけていく。
死にはしないだろうが、殆どが気絶していて正面から来ていた1人がふらふらした足取りで立ち上がり、
「ひ、ひぃぃぃ〜〜ば、化け物おおぉぉ〜!!!」
と言って逃げていった。
にしても上と下でここまで治安が変わるのか…もう少し
「……ぎゃああぁぁぁぁぁぁ…………」
奥の方から響く悲鳴と先の方に悲鳴と同時に小さな灯りが見えた。
…どうやら馬鹿のおかげで目的の人物であろう奴を見つけられたな。
とりあえず気絶している馬鹿どもを放置して奥に向かう。
次回もゆっくりお待ちください




