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ウサギはソロでも生きている  作者: ハズカシダリア
episode 2 ソロであって暴君ではない
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ソロは真っ直ぐ帰る

 あれから日が落ちるギリギリでチェロル村に泊まり、野宿も何日かしてようやく街から一番近いウィロー村に着いた。


 いつも通り入り口の自警団の簡単な審問されてから村に入る

 王都までの流通経路だからか、今まで通った村は全体的に人口もさほど少なくない至って平凡な村ばかりだ。


 まだ明るい時間帯だが、早めに宿泊して明日に備える。


「ごめんください、部屋は空いてますか?」

「いらっしゃい!部屋はまだ空いてるけど掃除がまだだから少し待ってて!」


 そう言って子供の店員が小走りで階段を登り、少しして戻ってきた。


「はい!202号室のカギです!ご飯は隣のマールさんのところで食べてください!」

「ああ、ありがとう、そうするよ」


 とりあえず鍵を受け取って部屋に入る。

 少し狭いが綺麗に掃除されており、寝るのにも支障はなさそうだ。




 ある程度道中で取れたアイテムを整理してから隣の食堂へ行くと夕方が近いからか人が多く、少しだけ待たされたがその分美味しい料理だったので待った甲斐があったというものだ。




「なあ、あんたソロなのか?」


 食事を終えて宿屋に戻ろうと代金を払っている途中、こちらをずっと観ていた男から話しかけられる。


「そうだが?何の用だ?」


 金を払い終えて、邪魔にならない所に移動して仕方なく応える。


「あ、いや、俺はあっちに座ってる友達と組んでいるんだが、この村で受けたクエストがどうしても達成できなくて、できれば協力して貰えないだろうか?」

「そうか、俺はエイン、自己紹介しない奴とは関わらないし、クエストに興味はない。

 更に言えばさっさとハンダロに戻りたいので他を当たれ、ではな」

「え」


 テンプレートな動揺を無視して宿まで戻る。

 一応少し追う素振りを見せたが、お友達が引き戻したようだ。

 わざわざ友達だけで組むのであれば他人を巻き込むなと思うが、これもMMOの一つの要素だといつものように受け入れ、ベッドに横になった時に少しため息が出た。






 次の日の早朝に宿をチェックアウトして街に向かう。

 今から出れば正午にはハンダロに着く予定だ。

 勿論何もなければだが、ここまで何も起こらないのであれば人が頻繁に通る道には敵が来ないもしくは出てきにくい設定なのだろう。




 日が完全に出てたまに荷馬車か他のプレイヤーとすれ違うくらいで何事もなく街の門が見え始める。

 門の前は少しの列があったが、10分くらいで自分の番が回ってきた。


「ようこそハンダロへ、何しにきましたか?」

「王都から出戻りに、証明書はこれでいいですか?」

「はい…はい、ありがとうございます、おかえりなさい、ゆっくり休むと良い」

「ええ、そうします。お仕事頑張って下さい」


 軽く敬礼する門番にこちらも軽く会釈を返す。

 とりあえず今は宿に行ってどうなったか観に行くとしよう。




 宿の前まで戻ると俺以外の客が出てきた。

 中に入るといつものように店員さんが座っていた。


「ごめんください、まだ部屋空いてますか?」

「…なんだい、あんたか、101号室の部屋なら空けてるよ」

「そうですか、ありがとうございます」

「随分と空けていたけど、あんたの知り合いって奴がいきなり、あんたが王都に出かけたと言ったから仕方なく取っておいたよ」

「ご迷惑をお掛けしました、代金の方は…」

「いいさ、一応あんたの伝手のお陰で前よりかは客入りが良くなったからね」

「そうですか、それじゃあとりあえず5泊ほど」

「あいよ、それと商業組合のとこに顔でも出しときな」

「……ああ、そうでしたね、そうします」


 そう言って鍵を受け取って、部屋に入ると前と違って床が綺麗になっており、ついでにベッドも新品になっていた。

 階段といい床といい、かなり良い腕の大工だったようだ。

 とりあえず少し身だしなみを整えてから商業組合に向かう。





 少し小腹を満たしつつ商業組合に着く。

 いつも通り商人や職員があちこちに動き回っているのを横目に専用カウンターに向かう、こっちは相変わらず人が少なくスムーズに自分の番が来た。


「すみません、エインです」

「こんにちはエイン様、本日のご用件はなんでしょうか?」

「はい、新聞の定期便についてご迷惑をお掛けしたようなのでその件について話したいです」

「なるほど、少々お待ちください……そうですね、しばらく届場所を留守にして居られていたのでこちらで止めておりました、再開されますか?」

「はい、お願いします」

「かしこまりました、現在の届け先は前回の届け先と同じ場所ですか?」

「そうですね、変わりありません」

「かしこまりました、それでは明日の朝から再開させて頂きます」

「ありがとうございます」

「少々お時間よろしいでしょうか?」


 礼を言って席を立って帰ろうとした時に呼び止められたので、再び席について話を聞く。


「大丈夫ですが、何かありましたか?」

「はい、前にミダロス山脈のトンネル作業をしていましたよね?」

「そうですね、もしかして作業再開ですか?」

「はい、ですが今回はトンネル作業ではなく作業中の護衛を頼みたいと思いまして」

「護衛…ですか?」

「実は今回見つかった地底湖から定期的に属性スライムが発生するようで中々作業が進まず予定が押していまして、勿論エイン様だけではなく、冒険者組合にも掛け合っているのですが、なにぶん今は他の案件もあって冒険者の数も足りない状況ですので、できればご協力をしていただきたいのですが」

「問題ないですが、その属性スライムについて詳しく聞いてよろしいですか?」

「ありがとうございます、属性スライムというのは主に魔力が多く人の手が加えられていない、もしくは人気のない場所に出現する魔物で、属性…今回は水属性と土属性の属性スライムが多く、水属性スライムは打撃が通りずらく、魔法で応戦できるのですが、土属性スライムはその逆の耐性を持っています。属性スライムは中央の魔石を砕けば倒せます」

「分かりました、今から向かったほうが良いですか?」

「そうですね、お願いします。

 あと報酬は1日800Zで属性スライムの素材は別途で買い取ります」

「分かりました、では行ってきます」

「はい、ご武運を」


 再び席を立って、ミダロス山脈の方へ向かう。

 地底湖か…他のプレイヤーも居る可能性も高いし、とりあえずちまちま狩るとするかね……。

次回もゆっくりお待ち下さい。

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