ソロは旅の準備を始める
食事を終え、案内された部屋で寝る。
現実の時間も丁度良かったのでそのままログアウトする事にした。
現実でも食事を終えて、家事をしてからログインすると2日ほど経っていたようだ。
部屋を出るまえにヘルメースから来ていたメールを読む。
内容はいつも以上にどうでも良い前置と用事で3日は戻れないとの事。
とりあえず、返信してから建物を出て、フードを深く被り、街を散策する。
一応、少しだけお店を覗いたがどこも俺では買えない値段をさげていた。
と言っても、大抵はそう言う金を持っている層をターゲットにした店ばかりが目立つだけで探せば手頃な雑貨屋があるだろう。
そんな事を考えながら、後ろからつけている2人を人混みで撒きつつ、食料市のような場所にやってきた。
とりあえず日持ちしそうなものを物色する。
人を避けつつ端まで来ると、魚の干物を下げた出店を見つけた。
「失礼、これはいつまで日持ちする?」
「ん?ああ、こいつなら5日さ保つべ、1個250Zだが買うかえ?」
む、少々割高だが海の魚の干物だからだろうか?
だが、5日か…だが、他も見たがこれよりも保つだろうが…
「そうだな…4…5つ頼む」
「はいさ、これに包んでれば5日さ保つだべが、外したら効果がなくなるだで、そこんところ気をつけんさ」
受け取った笹のようなもので包まれた干物は少しひんやりとしていた。
「ああ、ありがとう…それと聞きたいことがあるのだが」
「…なんだべ?」
ついでだから雑貨屋の場所でも聞こうとしたが、何故か機嫌悪そうな顔と声で返された。
「いや、俺は王都について無知で、雑貨屋に行きたいのだがどこにあるか聞いてもいいか?」
「なんだ…それならここから市を真っ直ぐさ抜けて、外周あたりに良い物を売ってる店があるから行ってみ」
「なるほど、ありがとう助かった」
「いいべいいべ、気をつけて行くべさ」
よく分からないがどうやら気に触る質問でなかったことに安堵して紹介された雑貨屋に向かう。
着いた場所は外壁近くにある、ハンダロで見た雑貨屋のようなサイズの店があった。
中に入ると客どころか店員も居なかった。
「失礼、店員は居ますか?」
とカウンターで声を出すと、奥の方から小柄のお婆さんがゆっくり歩いてきた。
「はいはい、私が店員のキューネですさね」
「これはわざわざ、俺はエインと言います。
ここには旅の道具を揃えに来ました」
「そうですかそうですか、であれば見繕いしますので少々お待ちください」
そう言ってまたゆっくりとした動きで店の奥に行き、数十分後にゆっくり戻ってきた。
その間にさっき届いたメールを返したりして時間を潰していたが、それでも手持ち無沙汰な時間の方が多かった。
「お待たせ致しました、こちらが旅人セットになります。
中に火付け用の魔道具と水筒、ナイフに寝袋が入って3500Z
そしてこちらが少人数用の天幕で2500Zになり、合わせて買うのであれば6000Zになりますが、どうなさいますか?」
「両方ともお願いします」
そう言って金を払って両方とも受け取る…そこそこ重いものを持っていたと言うことはこのお婆さんも何かありそうだが、今はどうでも良い。
「ほかに何かご入用の物が有ればどうぞおっしゃってください」
「いえ、特にないです」
「そうですかそうですか、では、良い旅を」
「ええ、ありがとうございます」
そう言って外に出て空を見るがまだ昼前で、人通りの少ない外壁付近でも、それなりに人が増えていた。
とりあえず昼飯を食べてから王都を出る事にしよう。
少し歩いたところにあった店で済ませた。
味に関しては昨日食べた物より好みではないが、それでも王都に構えているだけあって美味しかった。
さてと、準備も腹ごしらえも終えたし、ハンダロに…ん?
ヘルメースからメールが返ってきたのに気づいて開き内容を確認する。
to エイン
from ヘルメース
件名:旅に出られる我が王へ
この度はハンダロへの帰還に御同行できず申し訳ございません。
できれば我々の誰かをお付けしたかったのですが、我が王の自由を損ねる可能性が大いにあったため辞退させて戴きました。
ですが、何かできる事がないかと思い、今回は王都からハンダロまでの地図を同封しておきます。
役立ててもらえると幸いです。
追伸:もし外套の耐久値が心配になった時はいつでもお呼び下さい、時間を少し頂きますが修理します。
読み終え、返事を返してからハンダロ方面に向かう門まで歩みを進める。
今から出れば日が落ちる前には村につけるだろう……。
次回もゆっくりお待ちください




