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30歳童貞は魔法使いとなって異世界で無双する~10年元の世界に帰れないと言われたのでひっそりと生きて行くつもりが何故かいける伝説に~  作者: まんじ(榊与一)
神国編

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第41童 同盟

「どうします?」


カレンド王国から、書簡をしたためた新たな使者が送られてくる。

その内容は不可侵条約ではなく、同盟を結ぼうという物だった。


同盟の内容は安保、要はペイレス帝国との戦いに対する物だ。

帝国が攻めてきたら手伝えよって内容で、これを飲むのなら領地の割譲と此方の建国を認めくれると言っている。

此方の勝手な建国に対する条件としては、確実に破格だろう。


正直な所、戦争に荷担する可能性のある内容は気が進まないが、カレンドとペイレス間で戦争が起こって万一王国側が負けた場合、当然その領内にある此処が次の攻撃対象になるのは目に見えていた。

そう考えると、同盟を結んで王国の防衛を手伝うのは合理的と言えるだろう。


俺的には妥当以上の落としどころだと思うのだが、マーサさんは渋い顔をしていた。


「少々、条件が良すぎる気がしますね」


そう言うと、マーサさんは眉根を顰めた。

この前不可侵条約を王国が飲むって、自信満々で言ってませんでしたっけ?


まあ実際は、相手側がもっとごねると思っていたのだろう。

少々条件が変わったとは言え、あっさり建国が認められたのだ。

彼女が警戒するのも無理はないのかもしれない。


「少し確認を致します」


マーサさんは使者が持ってきた書簡を手にとって、改めて内容を精査しだした。


「何か企んでいる様なら、条約なんて破棄すればいいだけな気もしますけど」


そうなれば王国と完全に敵対する事にはなるが、マーサさんから聞いた世情を考えれば、本格的に攻め込まれる可能性は低いだろう。

仮に攻めて来られても、世界樹の万全な体制ならどうとでもなるだろうし。


世界樹は俺にとって最高の相棒だった。


俺には賢者として人知を超えた強力な魔法を扱う事が出来たが、そんな俺にも二つの大きな弱点がある。


一つは俺自身の体が、只のおっさん――なんかしらんが若返っているので、今はお兄さんだが――である事だ。

どれ程強力な魔法を使えても、俺自身不意を突かれてあっさり殺されてしまっては意味がない。


二つ目は魔法のディレイだった。

一つ魔法を発動させると、次の魔法の発動までに5秒間のクールタイムが発生してしまうのだ。

一つ目の理由と合わせて、魔法の切れ間に相手の攻撃を受けると俺はあっさりやられる事になるだろう。


だがこの二つの弱点を、世界樹は見事にカバーしてくれた。


世界樹内には様々なセンサーが存在し、俺に対する害意や敵意が持った行動に対して防御が働く様になっている。

お陰で世界樹内に居る限り、俺は奇襲や暗殺の心配をする必要がなかった。


しかも世界樹自体も魔法を扱う事が出来、俺が魔力を供給すれば間断なく魔法を発動させ続ける事も出来た。

流石にその威力や精度は落ちるてしまうが、状況に応じて魔法を細かく使い分けて行けるのは大きい。


「うーん、それってどうなんでしょう?神様が堂々と約束を破るのは、私としてはあんまり」


ルーリが眉根を顰めて俺の方を見て来る。


「確かに!神様が嘘を付いたら、もう世の中信じられる物なんてなくなりますよ!」


リピはそう言ってパタパタと俺の頭上を飛び回る。

妖精はアホなので3秒後には忘れて直ぐに世の全てを信じてしまいそうではあるが、言っている事は至極全うだった。


「まあ2人の言う通りか。今のは聞かなかった事にしてくれ 」


俺が神かどうかはこの際置いておいて。

トップの人間が都合が悪いからと言って約束を堂々と違えるのは、確かに余り気持ちのいい物でない。

俺としては揉め事に巻き込んでしまったタラン村の人やエルフ達を守る事が最優先ではあるが、曲がりなりにも国の顔を務める以上、その辺りも少しは気を付けた方が良さそうだ。


今は神として慕われてはいるが、馬鹿な事ばかりやっていると、妖精は兎も角他の皆にはいつ見限られてもれてもおかしくはないからな。


「で、どうしましょう?」


マーサさんは書簡と睨めっこしていたが、俺の言葉に顔を上げる。


「そうですね……このままの内容ですと、此方が送った援軍はカレンド王国の指揮下に入る事になってしまいます。それと、驚異の排除についての記述も少々曖昧ですので、下手をしたら侵略に利用される可能性もありますね」


「戦争になったら、いい様に利用されるって事ですか?」


小難しい文章だったので俺は軽くしか目を通していなかったが、どうやら裏はちゃんとあった様だ。

契約とか誓約とか、お役所的な文章は小難しくて敵わん。


「可能性は高いかと。ですのでこちらの方で訂正した内容を王国に提示し、その形でならと返事を返しましょう」


細かい条件を変更し、あくまでも領地侵犯の防衛に関してのみ協力する事。

指揮権はお互い独立させる事。

この条件での同盟条約ならば受けるとしたためた書状を、待たせていた使者に渡す。


1週間後にはその書簡に対する返事が返って来る。

王国は此方の出した訂正条件で構わないそうだ。

ひょっとしたらまだ裏があるかもしれないが、特に問題はないと言う事で合意の返事を返した。


とは言え、これで同盟が成立したわけではない。

正式な調印はお互い代表者を立てて改めて行われる事になる。

日程は後日王国から届き――こちらはいつでも構わないと言ってある――王国北部にあるガザム要塞で行われる事になった。

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