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きっと水色の感情。
―現実世界―
ぼんやりと目を開けた先には、見慣れた天井。
ゆっくりと目を傾けると、あの痛みが嘘のようにくっついている左手。
そして、
腕と同じくらい残っている・・・・あの世界での、記憶。
沢山転がっていた、ゴブリンの死体。
近くに感じた、死の予感。
剣を突き立てたときの・・・あの感触。
少女が流していた・・・あの涙。
頭の名kをよぎった、あの日の光景。
―どうしてだろう?―
俺は間違いなく、あの瞬間、あの子に死んでほしくないと思った。
―なんでだろう?―
あの日は、何もできやしなかったのに・・・。
―すべてのことが・・・どうでもよくなっていた・・・はずなのに・・・―
それでも・・・
―私の初めての友達になってください―
あの言葉が、今でも耳にこびりついて離れない。
俺は・・・・何がしたいんだろう・・・?
透明だった思考の中に、混ざりこんでくる俺の知らない色。
水色だった世界が、透明でなくなっていく。
濁っていくのは嫌だ。
でも・・・
やっぱり・・・あの言葉は、消えてくれそうにもない・・・。
ぐるぐると思考が渦巻いて、それは答えは出せぬまま、今日もまた眠りにつく。