司令に会おう
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それでは、今回もどうぞ!
椅子に座り、足を動かしている仮面を着けた不思議な少女が祈りながら待つこと数分後・・・
あっ、受付のお姉さんが帰ってきた。お願い!無理であって!
「お待たせしました。司令と会いたいとのことですが、司令は今忙しい・・・
ヤタァァァァァァァァァァァ!はっはッは―どうだ神様(紙様)ぁ!この勝負私の勝ち―――
仕事を丁度終わらせた所ですので構わないとのことです」
・・・え?な、何だってぇ!?そんな・・・じゃあ・・・
そうしてふと、先ほどの破った紙の一部を幸也は視線を落として確認する。するとそこには・・・
[き・み・の・負・け♪フーンやっぱり神である私に勝つことは出来ないみたいだねぇ。じゃあ約束通り司令とやらにそのすんばらしい顔を見せてあげようか(笑)あ、あと暫く忙しくなって君に手紙を送れなくなるからねぇ。寂しくなったら泣いても―――
幸也は更にその紙を細かくし破り捨てた。それは幸也の細やかな望みが散った瞬間だった。
もう・・・二度と見なくていいよ・・・
幸也は大分イライラしていたが、折角自分のために許可を取ってきてくれた受付のお姉さんに申し訳なく思ったので心を落ち着かせながらお礼を言った。
「ありがとうございました。わざわざスミマセン。それで、司令は何処に居るんですか?」
お礼を言いながら軽くお辞儀し、司令が何処に居るのか尋ねた幸也。もう大分落ち着いている様子だ。
「司令は今執務室にいらっしゃいますが、接待室にと言われておりますので接待室に案内させていただきます」
「じゃあ、お願いします」
こう見えて幸也は頭が良く、記憶力も良いため一度本部に来たときに接待室に通されたことがあるのでどこにあるか覚えているが、ここで一人で良いと言えば変に怪しまれるかもしれないと考え案内して貰うことにした。
ん~本部の中は多少変わっただけで前とそう変わらない感じがするなぁ。一番の変化はあの入り口かな。入り口の自動ドアを大きくしてなんのいみがあるのやら。
そんなことを考えながら受付のお姉さんに着いて幸也が歩いていると、他の部屋よりも少し大きなドアがある部屋の前で止まった。
あ~そうそう、ここここ。この部屋だ。司令はもう中に居るかな?
「ここが接待室です。司令はもうすでに中でお待ちですので」
「案内ありがとうございました。お仕事頑張って下さい」
そう言うと受付のお姉さんは微笑み、
「はい」
と言って受付まで戻っていった。
さて・・・どう話せばいいんだろう?分からないなぁ・・・取り敢えず待ってくれてるみたいだし、中に入ろうかな。
コンコン
ドアをノックして返事を待つと、
「どうぞ。開いていますよ」
と声が聞こえてきたのを確認し、幸也はドアを開けて中に入る。
「初めまして、取り敢えず座って下さい。わたしは日本魔法士総会司令の佐々木深夜です。貴方は?」
そうして幸也は言われた通りにソファーへと腰かける。
ふ、フッカフカだぁ。今度こんなソファー買おうかなぁ。お金は余るほどあるし。このやり取り二回目だから初めましてじゃないんだけどなぁ。あ、でもこの姿では初めましてだねぇ・・・あの時は名前を言わなかったけど今回は言おうか。
「私は天羽幸也です。司令」
「幸也さんですね......幸也さん!?......それで、わたしにどのような用事が?どうしても会いたいと言っていたと聞いていますが・・・」
ふぅ、遂に言うときが来た・・・喜ぶんだ司令!貴方は私の正体を知る初めの一人になれるんだ!
だがそこで幸也はあることに気付いた。
・・・ちょっと待って、いきなり正体明かしても信じてくれないよねぇ。なら少しずついくしかない!
「一つ聞きたいんですが・・・」
「なんですか?」
「司令は魔法士序列一位の人物とあったことがありますよね?そう、さっき言った......」
すると、少し司令の雰囲気が変わった。本当に少しだけの変化だったのだが、幸也はそれを感じ取った。
「大丈夫ですよ。別にそれをどうこうするつもりはないので」
「で、でしたら何故そのようなことを?そもそも何故そのことを知っているんです?」
「何故と言われましてもねぇ。ただ知っていたと言うしかありませんね」
「そ、そうですか。では、用事というのは?」
「用事はですね・・・貴方と話をしにきたことです」
「話・・・ですか?」
「はい、それと、あることを伝えに」
「一体なにをですか?」
遂に、この時が・・・!
「・・・私が、その魔法士序列一位の魔法士だということをです」
「はい・・・?一体何を言ってるんですか。第一、あの人は―――」
「男のはず・・・ですか?」
「!?そ、そうですが・・・そんなことまで・・・」
「ふぅ~。なら貴方の魔法を使えばいいんじゃないですか?貴方の固有魔法、『正解を導く目』を使って」
「!?わたしの固有魔法まで・・・!?その事は一部の人にしか伝えていないはず・・・分かりました。いきます!
«正解を導く目»!」
そう言った司令、佐々木深夜は緑の髪と同じ緑の目を持っていたが、目が緑から白へと変わっていった。
固有魔法とは、世界でもほんの一部、各国で1桁いるかどうか程でとても貴重なものだ。代わりに、固有魔法保持者は他の魔法を使用することができないという大きなデメリットもあるが、それを覆す程の能力があるのが固有魔法だ。ちなみに幸也も元は固有魔法保持者であった。
少し経ち、目の色が元の緑に戻ると口を開いた。
「嘘は言っていないようですね・・・ですが・・・」
その口振りからしてまだ信じきれていない様子の司令。それに決め手をうちにいく幸也。
「まだ信じきれませんか・・・なら、これで信じれますか?」
「?」
ボソッ
「年下好き。ロリコン」
「!?」
「まだありますよ。例えば・・・」
「お願いします止めてください分かりましたほんとに十分理解しましただからもう止めてーーー!」
と見事なド☆ゲ☆ザを繰り出す司令。端から見れば、仮面とフードを被った小柄で不思議な子に対して土下座をしている国のトップという謎の空間だった。
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