表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
見習い魔女と異界の騎士  作者: 豊穣 マツリ
7/11

深追い禁物

 タンパク源を入手する為に森の中を歩いている。

 目的地は小川である。

 山岳地帯が近くに見えることから湧き水などの水源があるはずと探索していた時に発見したのだ。

 水の流れを辿っていけば大きな川にたどり着けるだろうし、魚などの生物もいるはずだ。

 それが今回の目的である。


 ゲームみたいにいきなり、一狩り行こうぜ‼︎なんて言って狩猟に赴くなど無茶はしない。

 普通に死ぬだろう。

 野生の生き物の恐さは前世で十分に知っている。

 例えば、イノシシを知っているだろうか?

 毎年、畑を食い荒らしたり、泥浴びをする為に田んぼを踏み荒す農家の敵である。

 イノシシの怖いところは人はおろか、車にすら怖気ずに突進してくるところだ。

 近所のおじさんが軽トラックで畑仕事の帰りにイノシシに遭遇、真正面からぶつかられたことがあった。

 結果はもちろん目に見えていたが、命を賭した一撃で軽トラックのフロントはひしゃげ、路肩へ横転させられたと笑い話で聞かされたものである。

 ガクブル…((((;゜Д゜))))⁉︎


 通信端末の画面に映された地図を見ながら真っ直ぐに進む。

 端末の機能に半径5mを自動でマッピングする機能がある。

 拠点から離れるほど虫喰いではあるが周辺に至っては網羅したといってもいうだろう。

 小川までの道なりを多少ずれてマッピングを増やすか。

 そう思い、生い茂る森の中へと入っていった。




 順調にマッピングをしている最中、奇妙な異音で足が止まった。

 鬱蒼と茂る樹々の間からミシミシッミシミシッと音が聞こえてくる。

 この森で生活を始めてから、初めてのことであった。


 今日までのキャンプ生活でウサギやリスの様な小動物は見かけた。

 脅威となるような生物との遭遇はなかった。

 だが、ここは異世界だ。

 どんな未知の生物がいるかわからない。

 そして、未知とは脅威だ。

 知らなかったでは済まされない事態が起きることもあるだろう。

 もしもの時は撤退を最優先にして情報収集に徹するか。


 そう方針を決め、茂みの中へと入っていった。




 音の発生源はすぐに見つかった。

 大きな樹の根元に一匹の芋虫がいた。

 体長は今の自分と遜色ないくらいだろうか。

 そいつが自分の倍はあるだろう樹の幹に噛り付いていた。

 ミシミシという軋むような音は、あの芋虫が樹の幹を噛み砕いている音だったのか。

 普通は芋虫が食べるのは葉っぱじゃないのか?

 サイズが大きくなると葉っぱじゃ足りないから幹ごと食べるのか?

 噛まれたら指どころじゃ済まないな。

 つうか、大きくてグロいわ〜…(°_°)


 ミシミシメキメキと音をたてて樹が揺れている。

 今にも折れそうな音まで聞こえて来た。


 あれ?

 自分のいる方に微妙に傾いてないか?

 え?

 嘘でしょ?

 嘘だよね?

 嘘だと言ってよぉ〜Σ(゜o゜;;‼︎


 迫り来る大木を華麗なローリングで回避。

 そして、茂みの先、大きな芋虫の眼前に転がり出てしまうのであった。


瓜坊が一匹、瓜坊が二匹、瓜坊が三匹...



あぁぁあぁ〜(゜o゜;;‼︎

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ