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見習い魔女と異界の騎士  作者: 豊穣 マツリ
4/11

欲求

 過ぎた事は振り返らない。

 後ろ向きだった自分を変える為に習慣付けた言葉である。

 まぁ、習得するのに20代の全てを消費してしまったのだが…。


 なんて強がってみたものの、実際は行動らしい行動を起こすのに小一時間も要した。

 しばらくはASの隙間に挟まって空を見上げていた。


 自分のいる位置は周囲を山に囲まれた盆地らしい。

 影の傾きからだいたい正午過ぎ。

 大小異なる二つの月のようなものが薄っすらと見える。

 時折、雲の間に岩のような大きいものが浮いているのも伺える。

 そうしながら、ここが自分の生きていた地球と異なる世界であるという事を少しづつ認識していった。


「ぐぅ〜…」


 行動を起こすきっかけは詰まる所、好奇心よりも空腹であった。

 人間の三大欲求は、食欲、睡眠欲、性欲と言われているからな。

 まぁ、少子高齢化に絶賛貢献中の身として性欲は隅に置いておく。

 きっと埃まみれだろうなぁ。


 気が逸れたが今後の生存を考えて重要なのは衣食住だ。

 身体が人間ではなくなってしまった点、壊れたASが雨風を凌げる点で、衣と住はクリアされたといっていいだろう。

 そして、食についても心当たりがあった。



「たしか、ここら辺に…」


 身体が小さくなっているから、いまいち距離感が掴めないな。


「おっ?これかな、レバー?」


 触手を使いレバーを引くと動作音が鳴り、コクピットが開きだした。


「よかった。動力とシステムはまだ生きて———」


 ガコンッという異音を発すると途中で開閉が止まってしまった。

 持ち上げられた期待が叩き落され…orz




 僅かに開いたコクピットの隙間は子供の頭部がギリギリというものだ。

 現在の自分でも詰まってしまって入れない。

 上位種でもあれば転移可能なのだが、自分は下位の中の下位、強いて言えばレアなだけ–––

 レア?

 そういえば崩れた地下坑道が捕食者の巣にされた歩兵用のイベントの時、崩落で隠れたフロアにレアが隠れてた時があったが、もしかしたら–––


 一つの可能性が頭に浮かび、僅かな隙間に無理矢理身体を押し込む–––

 ムギュッという音と共に身体が潰れ、ところてん突きのようにコクピット内へと転がり落ちたのであった。



こそこそ更新


ふふふっ、誰も見てないな(゜ω゜)♪

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