雨
初めまして。
作者の春です。
これが初投稿となります。
これからこの作品を成長させるために日々努力します。
感想等ありましたらよろしくお願いいたします。
じりじりと暑い太陽の日差しが身体に突き刺ささっているようだ。
どうしてこうも太陽は頑張ってしまうのか。
たまにはゆっくりお昼寝したいんじゃないのかな。そんな風に青井真琴は考えながら学校帰りの道を歩いている。
特に今は夏の真っ只中ということもあり、日差しだけでなく路上の照り返しも凄まじい。
アスファルトから発せられる熱気で蒸されてしまいそうな勢いである。
早く家に着かないものか。普段歩いている道もこれだけ暑苦しいと格段に長く感じる。
青井の家は学校から山に登って20分ほどの場所にあるのだが、周囲にはコンビニなどはない。それほど田舎の場所に住んでいるのだ。
あぁ、セミが鳴いている。地上に出て何日目だろうか。自分のすべきことをただただ黙々とこなして散っていくセミを歩きながら脇目に見つめる。ひたすらに鳴き続けるセミたちのことが少し羨ましく感じる青井であった。
ふぅ…やっとついたか
家に着き、腰を下ろした真琴はつい息を洩らしてしまう。
ただいま、あれ。母さんは今日は遅くなるのか…。
母と二人暮らしである真琴はひとりでいることが幼い頃から多かった。父は幼い時に他界しており、幼稚園や小学校などの運動会によその家の家族を見ると少し辛かったことが多かった。さすがに高校生にもなるとそういうわけもないのだが。
真琴は母のことを尊敬している。女手ひとつで自分をここまで育ててくれて何より今を真剣に生き抜いてきた彼女の姿は真琴にとってかけがえのないものであり、彼女のようにはなれない自分と比べて時折恥ずかしくすら感じてしまう。
真琴にはこれといった趣味がない。何をしたいのか、自分でも分からない。運動は不得意という訳でもないがさしてできるからといって得するものでもないと考え、勉強はそこそこできてしまえばよいし、友人関係や彼女などは無理して作るものでもない、ましてや1人で生きていけない弱さだと感じてしまう。しかし、たまに学校のクラスメイトが教室で馬鹿騒ぎをしながら笑っている姿を見ると胸がチクリと痛むことがある。これがなんなのかはまだわからない。
考えるのはやめだ。ひとまず疲れた。自室に戻り一眠りすることにする。
どうやら大雨が降っているらしい。雷の音で目が覚めた真琴はベッドから起き上がる。水道から水を出し、コップを持ってゴクリと飲み干す。雨音が聞こえる山の奥はあまり好きではない。じめじめとした空気が真琴にまとわりつく。
窓から外を眺める。雨はしばらく止まぬようだ。窓からを遠くを見ると雷雲があることがわかる。これだから夏は…。
天気の予測のつきづらい季節は僕は嫌いだ。
この雨が尚更、真琴が1人でいることを象徴しているようだった。
もう1度眠ることにしよう。母の帰りを待つと何時になるかわからない。
こんな天気は寝てやり過ごすのが一番だ。真琴はもう1度目を閉じた。