一休さん この橋渡るべからず
昔々のその昔、一休さんというとても機知に富んだお坊さんがいました。
その日一休さんは町の人に連れられてある店の前にやってきました。
「このはし、わたるべからず」
看板にはこう書かれていました。
街の人は橋を渡れずに買い物ができないのです。
一休さんは少し考えた後、橋のど真ん中を歩いて橋を渡りました。
街の人は一休さんに言いました。
「やい、橋を渡ったじゃないか」
「いいえ。私は看板の言う通り、この端を歩かず真ん中を歩いたのです」
「バカが。橋渡ってんだろうが。無駄口を叩くな。経でも読んでろ坊主が」
町人はさらに言いました。
「商売の邪魔だから出ていけ小僧」
一休さんは泣きながらお寺に帰りました。