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第二話:下らない漫才をする日常


本当にくだらないですよ。

でもこういうこと、学生なら何度かしますよね?

「今年の春は暑いわね~」

「もう日本に梅雨なんて存在しないな」

うだる熱気の中、俺こと折坂竜司と前田要は、二人で教室に残り、今度配布されるらしいプリントの整理をしていた。たまたま二人とも宿題を忘れ、教師に罰として命じられ、放課後残っての作業である。

「ねぇ・・・・・・これっていつ終わるの?」

「知らん。いいからちゃっちゃとやろうぜ」

俺たちは、複数枚のプリントを番号順に重ね、ホッチキスで束ねるという作業を繰り返していた。

「は~。貴重な放課後に、なにやってんだ俺は・・・・・・」

「ふっ。宿題を忘れるなんて愚行を犯した己を責めるがいい」

「いや。お前自分で愚行とかいって傷つかないの?」

「竜司を攻撃できるなら私は、どんな犠牲もいとわない。それがたとえ、己自身を傷つけようとも!」

「なんて迷惑な覚悟なんだ」

俺たちは、こうして軽口を叩き合いながらも、手だけは作業をこなしている。なんかもう、ここまで来ると二人とも、動きが洗練されてきた。もう手と口は別の生き物のようだ。

「つーわけで、トークしましょう」

「どういうわけかは大体察しがついたが、トークといっても何を話す?」

「いや~、もう春ですね~」

まさかの漫才風だとぉ!?

「ホント、この頃は暖かく、というかどんどん暑くなっていきますね~」

だが、あえて乗ろう!貴様の船に!

「全くこれも地球温暖化の影響でしょうかね?ところで竜司。温暖化対策としてなにかしてることとかありますか?」

「そうですねー。俺は、まあエアコンの設定温度気にしたり、電気のつけっぱなしとか気にしたり程度ですかね」

「あー、確かに、そういう身近なところから始めるのがいいんですかね」

「そういう要は?なにかしてるんですか?」

「私なんて凄いですよ?もう地球温暖化の進行を通常よりも遅らせているのが私といっても過言じゃないくらいの活躍ぶりですよ」

「へ~、そりゃ凄い。具体的にはなにしてるんですか?」

「地球を直接冷やすために、窓を全開にしてクーラーをガンガンにつけます。18度とかで」

「お前もっとマシなボケはできんのか!」

泥舟だった。凄い勢いで溶けていった。

「そんなんもうすでに使い古されたネタじゃねぇか!んなもん視聴者は聞き飽きてんだよ!」

「だれよ視聴者」

「もういい!このまま会話で漫才をやろうとしたらただの雑談になっちまう。つーわけで、お題を決めよう!」

「は?お題?」

「う~ん・・・・・・そうだな。無難に、ファミレスの客と店員なんてどうだ?」

「じゃあ私が店員やるわ」

「んじゃ、俺客な」



「あ~、腹減ったし、今日は外食でもするかな。お、こんなところにファミレスあんじゃん」

ウィーン

「いらっしゃいませー」

「こんなとこにファミレスあったなんて知りませんでした」

「えぇ、本日オープンですので。そしてお客様が、なんと開店18人目のお客様です」

「へ~。どうしてそんな微妙な数字を伝えた?」

「あと少し遅かったら、20人目として景品がもらえたのに」

「お客にそういうこといいます?ちなみに景品って?」

「割り箸100膳です」

「持て余すわ!いいから席に案内してくれよ」

「では、お1人でのご来店に決まってますよね?」

「せめて聞いてくれよ!決め付けるなよ!」

「何名様でお越しですか?」

「1人です」

「なんで貴様はお越しですか?」

「お腹空いたんで!誰が貴様だ!」

「ではお客様。タバスコのほうお吸いになられますか?」

「タバスコもタバコも吸わんわ!禁煙席で頼む」

「かしこまりました。それではお席のほうに誘導して差し上げますので大人しく付いてきてください」

「なんで偉そうなんです?そりゃ付いていきますけど」

「無駄な抵抗はせずに、私の三歩後ろを、影を踏まないように付いてきてください」

「注文の多い料理店・・・・・・」


「それではご注文の方お決まりになりましたら、こちらのボタンを押してください」

「はぁ・・・・・・。う~ん、よし。これにするか」

ピンポーン

「はい。何か用ですか?」

「いやあの、注文なんですけどつーか何か用ですかはねぇだろ」

「申し訳ございません。店長の方針でして。当店の三ヶ条というものがあるんです」

「へぇ、ちなみにどんな?」

「はい!『丁寧・冒涜・親切』になっております!」

「二つ目ぇえええええええええええええええええええ!!!」

「お客様。店内では大声をお控えください。他のお客様のご迷惑となります」

「いや、これをツッコまずににいられるか!なんか二つ目に変なの入りましたよね!確かに納得だけれども!」

「そんなことよりお客様。ご注文のほうお願いします」

「くっ・・・。いろいろ言いたいことはあるが、しかし腹が減っているから勘弁してやる」

「ありがとうございます」

「え~と、じゃあこのおすすめステーキセットで」

「お客様。ステーキのほう焼き加減『ミディアム・ウェルダン・ランダム』とございますが」

「適当に焼くんじゃねぇ!俺はウェルダン派だ」

「お客様。ライスとパンのどちらに致しますか?」

「じゃあライスで」

「ライスのほう『白ご飯・赤ご飯・青ご飯』とございますが」

「白と赤については納得できるが青ご飯ってなんだ!?」

「盛ったご飯を氷に見立てて、ブルーハワイシロップをふんだんに掛けます」

「なにそれ斬新!つーかいらんわ!白ご飯で!」

「汁物のほう『コーンスープ・コンソメスープ・キャンベル・スープ』とございます」

「アメリカの食品会社が混ざってる!あれを用意できるのか!?コンソメスープをもらおう!」

「それでは、ご注文のほう繰り返させていただきますを、繰り返させていただきます。ご注文のほうを繰り返させて――――――」

「まてまて!それエンドレスのやつだろ!?いいから早く持ってきてくれ!」

「かしこまりました。それでは少々お待ちください」


「お待たせいたしま――――――あっ!?」

べちゃっ!

「あ~・・・・・・」

「・・・・・・見ましたか?」

「えぇ、まあハッキリと」

「・・・・・・見~~た~~な~~~」

「いいから早く代えて来い」

「先ほどは大変失礼したぜ」

「今も大概失礼だけどな」

「こちら、ご注文の品でございます」

「おぉ、ありがとう」

「それではごゆっくり・・・・・・お楽しみください」

「おい、なんで最後声のトーン下げた」


「ふ~、食った食った。この店、店員はちょっと意味わかんなかったけど、味は結構良かったな。さて、じゃあ会計にいくか」

「それでは伝票のほう確認いたします」

「またお前か!」

「はて?なんのことでしょう」

「汚ぇぞテメェ」

「おすすめステーキセット一品で、お会計830円です」

「はいはい。んじゃあ1000円で」

「え?こんなにくれるんですか?」

「小銭がなかったんだよ!お釣りをくれよ!」

「それでは170円のお釣りです。安心して手を出してください」

「不安になったわ!」

「大丈夫ですよ。何もしません。さぁ」

「う・・・・・・はい」

「・・・・・・・・生命線短いッスね~」

「何を見てるんだ!?いいから釣りくれよ!」

「その長さでいったら、34までですかね~」

「妙にリアルな寿命宣言やめろ!」

「ありがとうございました。またのご来店を~」

「二度と来るか」



「どうよ!」

「もういいわ」

こうして、俺たちのなんでもない放課後は過ぎていった。

竜司「う~ん。確かに楽しめはしたが、何故これをピックアップした?」

要「確かにこれ、私たちのやり取りの中では不作なほうよね」

竜司「このときの会話に納得できずに、後日一緒にネタ合わせしたりしたよな」

要「そうそう。凄い考えたわ」

竜司「しっかし、いくら早く続き書きたかったからって、適当に作りすぎだろ」

要「このあとがき書いてる時間が、すでに11時55分だからね。ついさっき、ほんの数分前に本文完成したのよね」

竜司「ほんで、本編のほうは手付かずっていうね。ホント、なにしてんだか」

作者「宿題のほうが手付かずだけどね!今日も何もしてないし!」

竜司「昼まで寝て、そのあとずっと動画見てたからな」

作者「うん。昔のアニメ見てた」

要「一話から順番にね」


作者「はい、というわけで、今回のことは、というかこれからの色々も、目をつぶって多めに見てください!」

竜司「では。次回の『転生する前の俺は、普通の日常を満喫するようですよ?』」

要「お楽しみに!」

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