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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。

電車の中で

作者: 香坂裕之
掲載日:2011/06/22

※BL要素を含んでいます。

※ブログにも掲載しています。


登場人物

<春原裕紀 高2 ♂>

<小鳥遊秋人 高1 ♂>


思いっきり揺られて目が覚めた。

たぶん電車が跳ねたんだと思う。


部活帰り。

疲れて寝てしまっていたらしい。


伸びしようとすると、左手に違和感。

見てみると、俺の左手は小鳥遊につかまれていた。

何してんだ、てめぇ。


当の本人は隣でiPod聴いてる。


「何聴いてんの?」

「競馬中継ですv」

「……」

「じょ、冗談です!」


曲ですっつーから誰の?って訊いたら高鈴だって。


「コウ、リンさん?」

「あ、いえいえ、そういうユニットの名前です」

「へー……」


俺も聴いてみたいって言ったらいいですよって。

で、俺の手つかんでた右手離してイヤホン外そうとしてんだけど、

そこで手がとまった。

何か悩んでる。


「何?」

「え、あ、いや、その……んー……」

「……?」


顔赤いぞって言おうとして、気が付いた。

俺は自分のイヤホンを取り出す。


「先輩?」

「悪い、イヤホンとか借りるもんじゃなかったな」

「えっ、いや、そういうわけじゃ!」

「? じゃ何悩んでんの?」

「えーっと……それは、ですねー……」


まだごにょごにょ言ってる。

もーめんどくさくなって「それ貸して」って、iPod本体だけ取った。


女の人の声。

すっげー優しい感じの。

こいつにはちょっと似合わない感じなんだけど。


どうですか?って訊いてくるから、いいじゃんって答えといた。

へへっ、て笑いながら、「一番好きな曲なんです」だって。


「曲名は?」

「へ?あ!や、えーっと……」

「……お前、さっきからそればっかだな」

「いやぁ、なんだか恥ずかしい、っていうか、ね?」

「ねって、知るかよ。

 ユニット名は言えて曲名は言えねぇのかよ」

「やー、忘れました! あはは!」


一番好きな曲の名前忘れるわけねーだろあほーって言うのもめんどくさくなった。

そういえば画面に曲名出るっけ。


ホールド解いて画面起動させてみたら、


『愛してる / 高鈴』


……なるほどねぇ。

小鳥遊の方見たら、そっぽむかれた。

耳、真っ赤になってる。


俺は小さくため息をついて、小鳥遊の肩にもたれかかった。

小さくビクって震えたのがわかる。


「せ、先輩?」

「しばらく聴いとく。

 ……駅着いたら教えて」

「は、はい!」


聴きながら目閉じてたら、また左手をつかんできた。

ま、たまにはいいかってことで握り返してやったら、へへって笑うのが聴こえた。


ご感想・アドバイス等いただけますと嬉しいです。


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