無空間
すいません。テスト終わったので、これから書きます。
マスターはそっと赤みある、一つのドアの前に立った。そして私の方に目を向ける。
「いきなりですが、もう実習にでも入りましょうか。まず、料理をする上で一番必要なものって何だと思いますか?」
「愛情ですか…??」
「素晴らしい回答なのは、間違いないのですが。食材ですよ。それがないとそもそも作れませんから…」
私は見栄を少し張っていった回答だったので、つい恥ずかしくなってしまった。
「まあ、愛情も絶対必要なので間違いではありませんよ!でも材料は愛情のように無限に湧き出るわけでは、ありませんので、今からすることは食材集めに行きますよ。」
「食材、集めですか?この星で?」
「いえ、この星では食材を得ることはできません。とりあえず私についてきてください。」
そういうと彼は年期の入ったドアノブを回しドアを引く。
その奥に広がるのは先が見えないほどに広がる大きな水面と。夜の空よりも暗い暗闇の空間が置かれていた。
「ここは、いったいなんですか…」
そう私が圧倒されながらも尋ねる。
「行くべき場所へと連れて行ってくれる、いわばテレポータというのが近しいでしょうか。さあ、恐れず、こちらへ。」
ドアの前に立ち、広がる空間は不気味そのものだった。でも、その不気味さが私の好奇心を引き寄せる。
疑念を抱きながらも、一歩ドアの内側に足を踏み入れる。その一歩は水面に波紋を広げ、暗闇へと消えてゆく。
マスターも私を前に押し出すように空間に足を踏み入れる。
「さあ、少し前に歩いてください。」
一歩、二歩三歩、四歩進んだころだろうか。パタンという音と同時に視界は暗さに包まれる。
「え、ええ。なにも見えないんですが、。ど、どうすれば、いいんですか、、」
私は狼狽しながらマスターの見えぬ姿を探そうとする。
「少しリラックスしましょう。そして目を瞑ってみてはいかかでしょうか。暗さで目の前が見えないのなら、目を瞑っても変わらないですし。むしろ、目にもいいですしね。」
マスターは、微笑んだ声で、意地悪な言い方で助言をくれた。
私はただその言葉の通りに目をただ瞑る。
その瞬間、目が閉じたおかげで、感覚が研ぎ澄まされたからなのか。私が今いる静かな空間そのものを認識できたように感じれた。
「わかるでしょう。この感覚。では次は、目を閉じたまま。耳も手で塞いでみましょう。」
私はマスターに言われるがまま耳を強く抑える。
すると、さっきまではマスターの声しか耳にしなかったはずなのに。耳をふさぐその裏側に波の音が振動として耳に伝わるのがわかる。でも聞こえない。
不思議な感覚だ。本当は見えもしないし、聞こえもしないはずなのに。確かに空間がある。
いや、空間がある。というよりも私自身が空間に溶け広がるように感じる。
音も、重力も、動きも。ただ私の中で広い水面が広がる。何も考えたくない。
いつの間にか息をすることさえも忘れてその感情に浸っていると、ふいと白い点が私の心を温めた気がした。その瞬間、視覚には白い光が、ぽつぽつと瞼の裏を埋め尽くす。そして、聴覚には、ザアアアッ。とまるで大波の口喧嘩をきいているかのように、波の音を耳の中で埋め尽くす。
そして、音も光もだんだんと高まり、限界まで達するほど高まった瞬間。
弾けるように、目が覚めた。
そして目の前に広がる光景は、あの時地球を旅たち、宇宙に行った景色のように。
上には星一面と、そして下には暗い青みがかる大きな球体が見える。
はっ。マスターは!
「マスター!!!!」
「およびですか?」
と後ろから声がした。
ビクッ。としとっさに後ろを振り向くと。やあ、と言わんばかりに、余裕の笑みを浮かべ、私に手を振るマスターの姿が。
「ここは、もう。わかるでしょう。そう、宇宙ですよ」
ただ、そう一言放つ。




