6告白
私はその時やっと気づいた。
私はリオンに今までなんてひどい仕打ちをしていたのかって…ユーゴの事をあんな偉そうに言っておきながら自分だってリオンを利用していたんだって。
リオンの真剣な気持ちを知っていたのに私は都合がいいからってリオンを適当にあしらっていた。
なんて嫌な奴なんだろう。
もちろん私がだ。
彼はただ世話をやいてくれる便利は男ではない。
彼といると何でも話が出来て言いやすくてつい本音で話が出来て気負わなくていいし、彼といるとまるで温かい毛布にくるまれているみたいな気持ちになれて、そして何より彼のそばは居心地がいい。
私はただ人を好きになるのが恐かっただけかもしれない。
また裏切られるのがごめんだなんて思っていたのかも知れない。
でも、リオンはそんな心配のない人だって今なら信じれる。
「あの…マーシャ様」
「なあにブリジット」
マーシャはリオンに向けるのと同じ微笑みをブリジットにも向けた。
ブリジットの心は(私はなんてことをしようとしてたんだろう)とズクズク痛んだ。
「お話があります。メリーナさんも聞いて…」
私はユーゴと婚約関係にあった事から婚約解消をされた事、そして何より教ユーゴから聞いたメリーナへの気持ちもすべて全部洗いざらい話した。
「ブリジット。お前なに余計なことを…」
「ユーゴさっきの話本当なの?」メリーナさんはユーゴの詰め寄る。ユーゴはあたふたとしながら「そんなの嘘に決まってるだろう。俺にはメリーナしかいない!」
「うそ。私知ってるのよ。いつも私のいない所で他の女と会ってるのを…今まで気づかないふりしてたけど…やっぱりあなたってそういう男だったのね!」
「そうじゃ…ああ。悪いか。お前みたいなちんけな女を相手にしたやるだけいいと思えよ。俺は女に不自由した事なんかないんだ。その気になればいくらでもお前以上の…バッチン!!」
マーシャがユーゴの頬を引っぱたいた。
「出て行って!よくもうちの可愛いメリーナに。許さないわよ。このくそ男!」
マーシャはそばにあったお盆でユーゴの頭を殴りつけた。
「バゴン!いて!止めろこのくそババぁ!誰がお前らなんかと、クッソ!」
ユーゴはマーシャを突き飛ばすと怒って出て行った。
私はその後リオンの寝ている寝室に入らせてもらった。すやすや寝息を立てているリオンに向かって話を始めた。
「リオン。ごめんなさい。今まで私あなたとは適当に付き合っていた。でも、気づいたの。私あなたが好きよ。あなたは優しくて温かくてご家族も素晴らしい人たちで…私ね。ずっとこんな家庭に憧れてたの。あなたとならきっと暖かい家庭が築けるって思えるの。愛してるわリオン」
リオンはいきなり起き上がった。
「ブリジット。今の話は?本気なんだね?俺の事愛してるってもう一度言ってくれ!」
「何度だって言うわ。リオン愛してる。愛してるのリオン!」
「俺もブリジット愛してる…ぐぅぅぅぅ~」
リオンは私を抱きしめるとまたベッドに転がった。
翌日起きて来たリオンはそのことを全く覚えてはいなかったが、私が家に泊った事を知って大喜びした。
そしてその朝すぐに「ブリジット俺と結婚して欲しい」と結婚を申し込まれた。
「リオン…でも私の言った事覚えてないんでしょ?」
「ごめんブリジット。君の話覚えてないなんて…でも、俺は君を愛してるから、もしまだ受け入れられないなら待つからどうか考えてくれないか?」
リオンのドストライクのプロポーズは私の胸に直球で決まった。
「リオン私ね。あなたを愛してるって言ったの。あなたと結婚する」
私は迷うことなく受け入れた。
私、今度こそ幸せになります。