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エッセイ

オンライン英会話で海外の先生との間に超えられない壁を感じたお話。

作者: いかすみこ

レッスンの様子は日本語で書いてありますが、実際は全て英語のみの会話です。受講生の中で一番不真面目な生徒である自信はあります。(;^ω^)

 コロナ渦と失業が重なり、人恋しさに始めたオンライン英会話。

 3年目を過ぎ、先日のレッスンで350回を超え受講した講師は300人以上となりました。


 オンライン英会話のスタッフさんに学習方法のカウンセリングで聞かれました。


「海外の先生たちとは文化が違うから、コミュニケーションが難しくないですか?」


 私は自信満々に答えます。


「大丈夫です!私には40年以上生きてきて培ってきた、オタク知識がありますから!!」



 オンライン英会話で日本人に英語を教える先生はオタク(ギーク)が多いです。

 ※個人の見解です。

 アニメやマンガの話をすると高確率で食いついてきます。

 ※当社比です。


 イギリス移住する日本人に、ハリーポッター好きが多いのと同じ理由だと想像しています。


 今はネットのサイトで簡単にみれるので皆さんとても詳しいです。アニメやマンガの話だけで会話のネタに困ることはありません。

 教材は日常会話のレベル1で挫折したので、フリートークの講座でひたすらオタクトークを楽しんでいます。

※スピーキングテストではビジネスディスカッション中級レベル



 今回はそのなかでも印象深かったレッスン風景をご紹介します。





 まずは質問されて返答に困った回。


「ポケモンに出てくるピカチュウはウサギ、ネコ、犬?」


 全く分からなかったので「宿題にさせてください」と白旗を上げました。SNSで問いかけると優しいフォロワーさんがネズミであることを教えてくれました。


 電気ネズミ=ピカチュウ


 なるほど!


 自国の文化について、また一つ賢くなりました。



 過剰に褒められた事もあります。


 忍者が主役のアニメが好きだと自己紹介してくれた先生。サービス精神を発揮し、ノートのページを切って手裏剣を作りました。


「アメージング!素晴らしい才能ですね!!」


 海外の先生特有の大袈裟な称賛に、慎み深い日本人の私は慌てました。


「いやいや、日本人なら保育園児でも作れますよ」


「またまた、冗談を~。それは売るんですか?」


「売れません!!」


 将来、海外旅行中に財布を落として路頭に迷ったら、折り紙の手裏剣を道端で売ろうと考えてます。

※おだてを真に受ける生徒



 マンガだけでなく小説の話もします。


「日本で有名な小説を教えてください」


自称、本の虫の本領発揮です!


「オッケー!それでは源氏物語を説明します。それは1000年以上前に書かれた、人気な小説です。主人公はエンペラー(帝)の子どもです。彼はとてもハンサムです。彼には沢山の恋人がいます。若い恋人。年寄りの恋人。美人、不美人。とてもシリアスでロマンチックなお話です」


 説明を聞き終えた先生、なぜか大爆笑!?


「面白そうなコメディ小説ですね!」


 あれっ、源氏物語ってコメディ小説ではないですよね。ストーリーの説明間違ってましたっけ?(棒読み)



 小説と言えば意外だった事もあります。


 自己紹介で好きな映画の話になりました。


「『Anne of Green Gables』って映画が好きです。あまり有名ではないですが」


「……その映画のヒロインは赤毛ですよね。ギルバードって男の子とダイアナって女の子がでてきますよね」


 喜びの声を上げる先生。


「すごい!この映画のストーリーを知ってるんですか?」


「日本では、めちゃくちゃ有名なお話です」


「……??」


 村岡花子氏の名翻訳とアニメ世界名作劇場シリーズで日本人に大人気な『赤毛のアン』。英語圏ではマイナーな物語のようです。



 そんなこんなで楽しくレッスンを重ねる事350回以上。私は確信していました!


『オタク同士は国境を超えても語り合えるのだと!!』


 しかし、そんな私の自信を打ち砕く事件がありました。


 20代の講師のレッスンを受講。自己紹介で私と先生双方が、ボーカロイドの曲が好きなことが判明しました。


 お互い、好きな曲の動画をチャットボックスで送り合います。


 先生から送られてきた動画を見て私は歓喜の声を上げました。


「私もこのアーティストの曲大好きです!」


そして私も同じ方の好きな曲の動画を送りました。


「これは初期の作品ですね。私は中学生の頃に初めて聞きました。あなたが最初に聞いたのは高校生ごろですか?」


 先生からの質問に私は止まりました。


「……私がこの曲を初めて聞いたのはミドルエイジ(中年)です」


 動揺する20代の先生。


「えっ?だってこれ、すっごい古い曲……」


 絶叫する40代の生徒(私)


「10年前の曲は古いとは言わない!そして私が高校生の頃は、ようやくWindows95が発売された時代だ~!!」


 アラフィフのオタク、カルチャーショック(文化的衝撃)ではなくジェネレーションギャップ(世代間格差)に敗退しました……

私が最初に送った動画はHoneyWorks氏の『告白予行練習 』です。アラフィフの感覚だと比較的新しい曲なんですが(;'∀')

先生が好きな曲は『アイのシナリオ』。私からのおススメ曲として『プライド革命』送ったら「Cool!!」と大喜びしてました。

ボーカロイドは30代でハマってからずっと聞いています(^^)/~~~



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― 新着の感想 ―
[良い点] 超面白かったです(*ˊᵕˋ*) キャッキャッて会話してるさまが思い浮かびました(笑) オチも爆笑! み、みどるえいじ…!!(´;ω;`)
[良い点] なんだか英語を習いに行っているというより、おしゃべりをしに行っている感じですね。でも、好きなことのほうが単語も覚えやすそう。 若者との時間の感覚の違いに笑いました。 [一言] 赤毛のアンは…
[良い点] 英会話で、日本のアニメやボカロで盛り上がっているところの楽しさがこちらにもありありと伝わって楽しかったです。 [一言] 私もボカロ曲大好きです。 「アイのシナリオ」も大好きです。 こちらは…
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