表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

17/114

開業

カワウソ三等兵(本名は松本小太郎というらしい)はホムンクルス達の間でマスコットとなった。


なで回したり、一緒にブランコで遊んだり、なんと麻雀に命をかけていたホムンクルス達は小太郎に麻雀を教え楽しませるためにわざと負けたのだ。


このことに小太郎はまんざらでもなさそうだった。チヤホヤされるのは好きらしい。


その様子を観察しているとホムンクルス達が薄らとだが笑顔に、微笑んでいる瞬間が多くあった。


ホムンクルスにも可愛いという感情があるのか、それともそれが芽生え始めているのか。

なんにせよホムンクルスは成長を続けている。このまま健康に正しく育って欲しいものだ。





………さて。




本日のログインボーナスは『スキル確定コイン』。


実体化したのは水色のコインにSと描かれている。


今まで出たスキルは浮遊のみ。10秒だけ、1センチだけ浮くことができるという、しかも移動ができないという、意味の無いスキルだ。


少しはましな、何か役に立つスキル出ろぉ!





C スキルの秘伝書『電気ショック』


現れたのは一冊の本だった。表紙には秘伝 電気ショックと書かれている。



前に引いたスキルは秘伝書では無く、カプセルを回した時点で自動的に俺が習得していた。ホムンクルスなどが仲間に加わったため、このような形で出現したのだろうか。


とりあえず近くにいた2号に読ませるか。


2号は秘伝書を読み終えると、なんと俺に向かって黄色い玉を打ち出してきた!


反逆か⁉と考え避けようとしたが速いぞこの玉、避けることができずに俺の体に当たりチクッとした。

静電気みたいだった。


2号はその後他のホムンクルスに向かって打ち出した。遊んでいるらしい。






え、今のが電気ショック?あぁー、外れだ。これを攻撃には使えない。








気を取り直して無料ガチャ!


なんだかこのガチャを回すのもわくわくしてきたなあ、ほとんど外れしか出ないのに、回したい、もっと回したいと考えている。

俺はギャンブル依存症になりつつあるのかもしれない。







UC『時計台』


壁際に現れた時計台は、イギリスにありそうな見た目をしていた。

四角い塔の上部に大きな時計が設置されており数字はローマ数字で書かれている。時計盤には、動物や神話的生物などの彫刻が置かれてある。時計台の塔の上部はピラミッドの形で飾られ、金属製の柱や彫刻で装飾されることで美しさと威厳を出している。




機械馬の解析の結果、時間の流れが不確定なこの空間においてアンカーのように鐘の音を鳴らすことで周辺空間の時間設定を強引に日本標準時と同期固定しているらしい。これがUCだということが信じられないそうだ。


……意味が分からないが、面倒なのはわかった。


今のところ時間を知る方法がシステムウィンドウの表示時刻、Barに設置してある時計、小太郎の腕時計だけだったので、時刻を知るすべの無かったホムンクルス達にとって非常に有り難い代物だ。


動かすこともできないので壁際にそのまま放置。









2号がマッサージ屋を始めた。


なんとこの静電気並みの電気を使いホムンクルス達のマッサージを開始したのだ。


これが非常に気持ちよく、電気が体の内部にバチバチと走るのが心地よい。


そして客の中にバーテンダーが存在しており、金を支払わせることに成功しそのお金で2号に卵料理を食べに行かせた。言葉を話すことができないので感想を聞くことはできなかったが、大げさなジェスチャーで美味しさを伝えてくれた。

お土産に持って帰ってきた目玉焼きは本当においしかった。優しいなこいつ。









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ