表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

114/114

助けて

俺は忘れていた。あいつらの恐ろしさを。


いつの日か、俺はこいつらを便利屋だと思っていた。

ホムンクルスが肉体労働担当なら、あいつらは知的労働担当。

物理的な無理難題はホムンクルスがどうにかしてくれるが、あいつらは科学的な無理難題を解決してくれる。というか勝手に解決する。


まぁ、都合のいい存在だと考えていた。でも、間違いだった。あいつらが大人しく俺のいうことに従うわけがなかった。



●マッドサイエンティスト、それは夢とロマンを追い求める技術者です!

このアイテムはそんな目的のためなら手段を選ばない者たちが100人、さらに彼らが拠点とするプロメテウス研究所までついたお得なアイテムです。

彼らはあなたの文明を何段階も進めてくれるでしょう。

使い方にはご注意を。本当にご注意を。一歩間違えば全滅もあり得ます。



そんな忠告を忘れていた。


あいつらの知識欲は、基本的に全てにおいて優先される。その矛先を俺にとって都合のいいように誘導していたが、ついに限界が来てしまった。



だが、俺は心のどこかで安心していた。

基本的にガチャから出るユニットは俺に対して危害を加えることはできない。まぁ、最悪の事態にはならないだろう、どうにかなるだろうと甘く考えていた。


だが、奴らは終わらなかった。そう、そんなに簡単に納得しないのだ。

ルールがあるなら、抜け道を探すだけ。


彼らは進み続ける。その知識欲が満たされるまで。




「んんむんんん(進むな!)!!」


俺は拘束されてしまった。体は布でぐるぐる巻きにされ、鎖で縛られている。おまけに口は猿ぐつわで塞がれ何も話せない。


周りにはマッドサイエンティストたちが俺を囲うようにしてあれこれと話している。




「んんっ、んんんん!!!(た、助けて!)」


「大丈夫、安心してください。ちょっと体を調べるだけです。」


そ、それはメスを持っている奴がいう言葉ではないぞ!信頼できない!


こ、こいつら、やばい!まじでやばい!お、俺を傷つけるなと命令したはずだが!?


「あくまで検査ですので。人間ドッグのようなものです。危害は加えません。ええ。」


「ん!!??」


そ、そんな出鱈目でプロテクトを突破したのか!や、やめろ!今すぐに俺を解放しろ!


「残念です。あなたが何を言っているのかわかりません」


く、くそ!まずい!このままでは悲惨な結末を迎えてしまう!


な、舐めるな!俺を誰だと思っている!政治を他人に押し付けている間、俺が何をしていたと思う!


そう、超能力を習得していたのだ!俺は多くの超能力を習得した!スプーン曲げ、真剣衰弱、ダウジングなど!そしてそのうちの一つ、テレパシー!俺の意思を、言葉にせずに伝える超能力!


食らえ、テレパシー!助けて!




●防御されました。対精神干渉防御アイテムを確認。

●…まぁ、当然だな。拙い超能力が通じる相手ではない。


そ、そんな!


そ、そうだ!俺にはガチャがある!ガチャを引いて何か凄いものを引けば、そっちに注意を逸らすことができるかもしれない!


ガチャ召喚!


うおおおおおお念動力!

負けるな念動力!!!

回せ回せ回せ!!!



ガタンッ





C『スキル 宝くじ鑑定6級』


●宝くじを購入する際、買った瞬間にハズレかどうかわかるようになります。もし反応しなかったら激アツです!



何言ってんだ!宝くじは当選発表されるまでの間のワクワクを楽しむものだろ!夢を買うんだよ!こんなスキルOFFだOFF!

まったく、何考えているんだ…ギャンブルの楽しさを理解してないな…


というか、買った後にハズレかどうかわかっても意味ないし!



ああああああ待って!お願いだから待って!つ、次こそは!次こそはちゃんとするから!


今日のログインボーナスは…植物確定ガチャコイン!

いける!これはいける!何か凄い神話の植物でも召喚できれば、俺は助かる!


来い!仙人が食べる桃とか黄金の林檎とか!!!





ガタンッ






UC『人参』



うわああああああああああああああ!


…い、いや待て!レアリティがUCだ!これは何かあるぞ!

やった!俺は助かった!鑑定!



●あまーい人参。もう本当にすごく甘いらしいです。まさにフルーツ。




ぬっ。


ま、待って!やめて!服を脱がさないで!こ、これは犯罪だ!

だ、ダメだって!ほ、ほら!そういうのダメだって!


…よし!正当防衛成立!喰らえ、ミダースの手!!!


…あれ、発動しない、おかしいな?

え、この鎖は神性特攻?スキル使用不可状態にする?え、何それは。


ああああああああああああああああ!嘘嘘嘘!

ちょちょっと、女の人に裸を見られるのは尊厳が!せめて麻酔を!


いやだぁぁぁぁぁぁ!!!


チクッ


あっ。

書籍版試し読みはこちら(イラスト付き)

https://www.kadokawa.co.jp/product/322502001136/


SNS

https://x.com/taiyoukuntax


評価お願いします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
私、失敗しないので!!(失敗の定義は非公開とする)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ