3人とデート
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数日後、期末試験の結果が出る
「すごいな。姫子が学年一位か」
「……姫子、すごい。勇人もがんばった」
「うにゅ~あれだけ頑張ったのに……」
張り出された成績表では、姫子が1位、玲が4位、美亜は大きく順位を落として15位だった。
(ま、まあ、俺はブラックナイトから知識をダウンロードした結果なんだけどな。カンニングみたいなものだ)
さすがに全教科100点だと怪しまれるので、適当に間違えて提出した結果、勇人は5位である。
「はあ~テストが終わって、これでやっと肩の荷が下りた気がします」
姫子は大きく背伸びして、解放感に浸る。
「そうだにゃ。明日の土曜日、みんなで遊びにいかないかにゃ?お疲れさまということで」
「俺は別にいいけど……」
姫子を見ると、複雑な顔をしていた。
「あの、行きたいとは思うんですが、今月は少し厳しくて……」
ためらう姫子だったが、玲と美亜がフォローした。
「大丈夫にゃ。私たちがおごるにゃ」
「……勉強を教えてもらったお礼」
メイドのアルバイトで、最近懐が温かい二人が誘ってくる。
「そうですか。なら、お言葉に甘えます」
「やったにゃ。どこに行くにゃ?」
「……可愛い服とか見てみたい」
盛り上がる三人を、勇人は優しい目でみていたが、ふいに悪い予感に襲われる。
(まてよ。女の買い物は長いって聞いたことがあるけど……もしかしてずっと付きあわされるのか?)
大量の荷物を抱えてあちこち引っ張りまわされる姿を想像して、背筋が寒くなる勇人だった。
そんな四人を、悔しげに見ている少女がいる。
「悔しい。元首相の孫娘である私が50位なのに、あんな女が一位だなんて。それにあんなに勇人と仲良さそうにしていて」
勇人の幼馴染、鳩川小百合は、仲良さそうな彼らを嫉妬の目で見ていた。
「奈美の家が没落して、ライバルがいなくなったと思ったのに。どうにかして、あいつらを排除しないと」
最近はずっと玲と美亜にガードされていて、勇人には近づけない。その鬱憤がたまっていた所に、姫子に圧倒的な差をつけられ、プライドが高い小百合の妬みは頂点に達していた。
「玲と美亜はただのメイドだからどうにでもなるとして、問題は姫子だわ。あの頭の良さが南方財閥に認められて、勇人の秘書とかになったら」
頭の中で、眼鏡をかけた秘書の姫子と、ひげを生やした勇人が会長室に一緒にいるところが想像される。
「うぉっほん。姫子君。今日の予定はどうなっているかね?」
「はっ。会長。今日の予定は中東大使との面談、アメリカの大手IT企業CEOエジソン氏との昼食会で、午後からの予定は……」
美人秘書になった姫子は、きびきびと答えを返す。真面目そうな彼女には、秘書のスーツがよく似合っていた。
「ところで、夜の予定はどうかな?」
だらしない顔をした勇人は、つるりっと姫子の尻を撫でた。
「い、いやですわ会長。こんなところで……」
「ぐふふふふ。ここは会長室だ。誰もこない。よいではないか、よいではないか」
「あれぇ~」
会長室でいけない事が始まってしまう。
そんなことを想像した小百合は、なんとしてでも姫子を勇人から引き離そうと決心した。
「でも、私の力だけじゃ無理、お爺さんに頼んで、あいつらの弱みを探してもらおう」
そう決めると、小百合は祖父の鳩川雪雄に相談するのだった。
元総理、鳩川雪雄は宇宙人といわれるほど常識を超えた政治家である。
「日本は無限に高麗半島への第二次世界大戦の戦争責任を果たすべきだ」と持論を堂々とぶちまけ、北句麗王国にも大韓朝国にも土下座外交する人物として日本国民から嫌われていた。
その雪雄が、部下からの報告を受けている。
「やれやれ、まさかこんな近くに探していた人物がいたとはな」
孫の小百合から依頼された、勇人とその周辺人物の資料を見て、雪雄はニヤリと笑う。
「ようやく見つけたぞ。灯台下暗しというが、まさか孫が通う弥勒学園に潜んでいたとはな。これで将軍様に喜んでもらえるだろう。おい。こいつを捕まえてこい」
しかし、そう命令された部下は、難しい顔になる。
「しかし、ターゲットの周辺には、身を隠した南方財閥の護衛が常に張り付いています」
「ぐぬぬ。あの一筋縄ではいかない南方財閥がバックにいるのか……」
暫く考えこんでいたが、ついに決断する。
「仕方あるまい。本国に命令して『スネーク』を派遣してもらえ」
「はっ」
命令を受けた部下は、本国にいる特殊部隊を呼び寄せるのだった。
「これ、可愛いにゃ」
フリフリのゴスロリ服を試着して、美亜がはしゃぐ
「……こういう服が着たかった。今まで雑誌でしか見たことがない服がいっぱい」
ストリート系の服を着た玲が、ホーズを決める。
二人とも美少女なので、雑誌のモデルと見まがうほど似合っていた。
「二人とも綺麗です。私はどんな服をきたらいいかわからなくて……」
悩む姫子の肩を、二人ががっしりと掴む。
「なら、今日は全部ためしてみるにゃ」
「……清楚系?カジュアル系?もっと冒険してサイケデリック系とか挑戦してみよう」
二人は姫子を連れて、いろいろなプチプラショップを周るのだった。
「はい。勇人君、これもってにゃ」
「……お願い」
その間、勇人は荷物持ちとして使われている。
「あ、あの、勇人さん。なんかごめんなさい」
たくさんの服がはいった紙袋を持たされている勇人を見て、姫子が申し訳なさそうに謝ってきた。
「な、なんのこれしき。大丈夫だよ。それより腹が減ったな。みんなで食べよう」
そういって、勇人達はファミレスに入っていった。
「勇人君。がんばったにゃ。えらいにゃ」
美亜は姉のように勇人の頭をなでなでする。
「……勇人。食べさせて」
玲は妹のように、勇人に甘えていた。
その様子をみて、姫子はため息をつく。
「はぁ……仲がいいですね。何か彼氏彼女を通り越して、夫婦とか家族みたいです」
それを聞いて、美亜と玲が自慢そうな顔になった。
「当然にゃ。勇人君とうちは従姉弟にゃ。ご主人様であると同時に、可愛い弟にゃ」
美亜は愛しそうに勇人の頭をなでる。
「……私と勇人も従兄妹。伴侶であると同時に頼れるお兄ちゃん」
玲も嬉しそうに勇人に身を摺り寄せた。
三人の関係を聞いて、姫子は意外そうな顔になる。
「え?皆さんは親戚なんですか?」
「俺も最近まで知らなかったんだけど、どうやらそうらしい」
勇人は苦笑して認めた。
「そうですか。二人とも勇人さんの従姉妹なのですか。……あのクソジジイ、どこまで節操がないんだか」
「えっ?何かいったか?」
姫子が何か小さな声でつぶやいたので、勇人は首をかしげる。
「い、いや、なんでもないですよ」
「そうか。ほら、どんどん食べなよ。勉強を教えてもらったお礼に、おごるからさ」
勇人はそういって、デザートのメニューを差し出した。
「さすが勇人君。太っ腹だにゃ」
「……甲斐性がある男って,素敵」
美亜と玲にヨイショされ、勇人の頬がだらしなく緩む
(うーん。キャバ嬢に貢ぐ男ってこんな気持ちになるのかな。でも三人とも可愛いから、なんでもしてやりたくなるんだよな)
将来、彼女たちの尻に敷かれる未来が予想される勇人だった。
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