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空中戦

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未確認人工衛星ブラックナイトに招かれた美亜と玲を、小さなロリ美少女が出迎えた。

「玲ちゃん。美亜ちゃん。いらっしゃい。僕は『智人類(ブレイン)』のサタンだよ。よろしくね」

ペコリと頭を下げるサタンを、玲と美亜は感動の目で見ていた。


「うわっ。この子可愛いにゃ」

「白衣ロリ博士、萌えるー」

二人はサタンを抱きしめて、頭をよしよしする。


「こらっ。僕は一万年もクローン転生を重ねてきたお姉さまなんだぞ。子どもあつかいするな」

二人の腕の中で、プンプンと怒るサタンだった。


「それにしても、勇人君って本当に何者にゃ?宇宙人とか?」

キラキラと輝く結晶に包まれた部屋に、圧倒された美亜が聞いてくる。


「まあ似たようなもんだ」

「こんな宇宙船を持っていたなんて、ますます救世主だと確信したよ。さすが私の旦那様」

玲は、うっとりとした目で勇人を見つめていた。


「それより、見つけたよ」

サタンが空中の立体スクリーンを指し示す。そこには、空を飛ぶ小型ジェットが映し出されていた。

「小型ジェットを雷磁場で捕らえて、空間に固定するよ」


ブラックナイトの底から緑色の光が放たれ、ジェットを捕らえる。すると、ジェットは空中の一点に縛り付けられ、動けなくなった。


「よし。乗り込むぞ」

勇人たちは小型の飛行艇に乗って、ジェットに向かうのだった。



「報告します。当機は謎の電磁場に捕らえられ、動けなくなりました」

飛行機を操縦していた高人類たちが、白いローブの男に報告する。


「い、いったいなぜこんなことに」

「落ち着きなさい。やれやれ。手間がかかることですね。仕方ありません。外に出てジェットを捕らえている電磁場を切ってきましょう」


そういって男はローブを脱ぐ。その下から、鷲のような翼が現れた。

その時、ドーンという音がして、飛行機の天井がぶち抜かれる。空いた穴から、三人の少年少女が降りてきた。


「子供たちを返してもらうぜ」

そう宣言する勇人を、翼が生えた男は睨みつける。


「まさかここまで乗り込んでくるとは、その勇気に免じて、この12使徒のひとり、ペトロがお相手しましょう」

そういって、ペトロは勇人と対峙した。

「あいつは俺が相手をする。美亜と玲は子ども達を」

「わかったわ」

「頼むにゃ」

玲と美亜は、飛行機の後部格納庫に向かっていく。それを見送って、勇人はペトロに対して身構えた。


「その翼、お前も亜人類なのか」

「そう。私こそが、人類すべてを統べる神の使い『翼人類(エンジェル)』。愚かなる人間よ。我が前にひれ伏しなさい」

ペトロは白い翼を広げ、勇人に命令した。


「何が神の使いだ。バカバカしい」

「ふっ。なら私の力を見せてあげましょう。『白き羽』」

ペトロの翼から複数の羽根が放たれ、勇人に突き刺さる。刺さった部分から、激痛の電気信号が伝わってきた。

「ぐぉぉぉぉぉ!痛い!」

「いかがですか。これが神の裁き。愚かなる人間に対する天罰です。その痛みから解放されたげば、悔い改めるのです」

勇人がのたうち回る姿を見て、ペトロは余裕たっぷりに諭した。


「ちっ。なぜ奴は俺と同じ『電脳意識(サイバーセンス)』をつかえるんだ?」

「マスター、おそらくは彼はブラックナイトに乗って地球にやってきた、デーモン星人の乗組員の転生者です」

ナイトは勇人の疑問にそう答えた。


「なんだって?そんな奴がなぜ自分たちが生み出した亜人類を迫害するんだ?」

「デーモン星人としての記憶と使命は転生と共に薄れたのでしょう。彼に残っているのは、人類を支配し指導するといったゆがんだ使命感と、自らへの驕りです」

その言葉どおり、ペトロは苦しむ勇人を見て悦に入っていた。


「くそっ。なんのこれしき」

激痛に耐えて羽を抜く勇人に、ペトロは憐れみの視線を向ける。

「やれやれ。いくら抵抗しようと、ただの人間が私に勝てるはずがないのに。仕方ありません。楽にしてさしあげましょう」

そういうと、勇人を羽交い締めにして飛行機の搭乗口から外に飛び出した。


「うわわっ」

「はははは。不完全な『高人類(タカビー)』たちと違い、私たち『翼人類(エンジェル)』は完全に空を飛べるのです。これこそが、我らが神の使いたる証」

ペトロは勇人を連れて、雲の上に昇っていく。


「人を殺すのは簡単。高いところから落とせばよい。というわけで、さよならです」

そういって拘束を解く。勇人はすごい勢いで落下し、雲の下に消えていった。


「さて、残った者たちも始末しましょうかね」

そういって飛行機に戻ろうとしたとき、バサバサという音がして、巨大な蝙蝠のようなものが現れる。

「なっ!」

「残念だけど、『魔人類(デモンズ)』である俺も空を飛べるんでね」

現れたのは、背中に蝙蝠の羽を生やした勇人だった。


空中で、天使になったペトロと悪魔になった勇人が対峙する。

「そうか……あなたこそが予言された偽救世主『サタンの使い』。わが母なる地球を、けがれた異星の侵略者の手に売り渡そうとする、人類の裏切者」

そう糾弾してくるペトロに、勇人は呆れる。


「何言ってんだ?お前自身が元デーモン星人のくせに」

「だまるがいい!汚らわしき悪魔め!地球は我らが守る!」

ペトロは大きく羽を広げて、勇人を威嚇した。


「『千の白き羽』」

翼から無数の羽根が放たれ、勇人の全身を襲う。

しかし、放たれた羽根は一本も勇人の身体に突き刺さらなかった。


「なっ!」

「残念だけど、一度見せてしまった以上、俺には通用しない。『斥力結界』」

勇人の身体を薄いバリアーのようなものが覆っている。左手に装備した『地神盾』による結界だった。


「今度はこっちの番だ。『サタンブレイカー』」

雷神剣が変化していき、稲妻でできた槍になる。

勇人から放たれた稲妻の槍は、光速の速さでペトロを貫いた。

「ぐふっ」

ペトロは黒焦げになって落下していき、飛行機の上に墜落した。


「ここまでだ。降伏しろ」

そう言い放つ勇人を、ペトロはなおも睨みつける。

「はっ。それで勝ったつもりですか。私たちには神の恩寵があります。たとえここで死んでも、すぐに転生して……」

そうつぶやくペトロの傍に、馬の形をしたチェスの駒が現れる。


「マスター。これ以上我々の邪魔をされるわけにはいきません。彼の魂を収納します」

その言葉と同時に、ブラックナイトから黒いダイヤが放たれる。それは中に保管されていた12個の結晶体のうちの一つだった。


黒いダイヤから放たれる光が、へトロの身体を照らす。

「わ、私の魂が封印されていく。や、やめろーーーー」

ペトロの身体から光の玉が出て、ダイヤに吸い込まれていった。


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