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亜人類ハンター

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その頃、パーティ会場では、豊畑奈美が勇人を探していた。


「勇人さん。私を置いてどこにいったんでしょう」


警備室にいき、監視カメラを確認する。すると、台所で一人のメイドを撫でている姿を見つけた。


「あれは猫屋敷さん?きいいっ。元婚約者である私をさしおいて、あんな下賤な女を可愛がっていて」


ハンカチをかみしめて悔しがっていると、いきなり勇人美亜のカチューシャをとる。


すると、小さな猫耳が現れた。


「え、えっ?なんなのあれ?化け猫?」


奈美は心底驚くが、勇人は気にした様子もなく、むしろ嬉しそうに猫耳を触っていた。


「勇人さんが、あんなバケモノに誑かされているなんて。私が救ってあげないと」


憤慨した奈美は、父親に相談することにした。


「なるほど。化け猫に勇人君が誑かされていると」


「ええ。お父様、なんとかならないかしら」


娘に相談されてた、豊畑自動車の会長、豊畑佐吉は、監視カメラを確認して大きく頷く。


「わかった。おそらくこいつは、我々上流階級の中でも噂になっている生き物だろう」


「お父様は知っているのですか?」


「ああ。奴らをベットとして飼うのが、上流階級のステイタスの証になっている。一匹十億円で売れるらしい」


十億と聞いて、奈美の目が輝く。


「なら、あいつを捕まえないと」


「うむ。専門のハンター業者がいるので、彼らに依頼しよう」


そういうと、佐吉は裏社会のネットワークを使ってある組織に連絡をいれるのだった。




次の日


「今日からメイド初出勤。楽しみだけど不安だにゃ。怖いセンパイメイドたちから虐められたりしないかにゃ」


「……大丈夫。お屋敷のメイドたちは勇人に逆らえないから。いい?私たちは勇人直属のメイドなんだから、なめられてはだめ」


「玲センパイ。ちょっとこわいにゃ」


帰り道では、玲が美亜にメイドとしての心得を教えている。


「……それにしても、なんで勇人は徒歩通学しているの?車で送り迎えしてもらえば?」


「嫌だよそんな窮屈なの。俺は適当にコンビニとかで道草くったりして、自由にすごしたいんだ」


缶ジュースを飲みながら、勇人はそう答えた。


「勇人君って、意外と庶民的な所があるにゃ」


「庶民の生活で十分。特に不自由しているわけでもないしな」


「……でも、誘拐とかされるかもしれないから危ない」


玲がそう言った時、黒塗りの車の一団が現れ、マントに身を包んだ男たちが降りてきた。


「散会!周囲を警戒せよ!」


リーダー格の男の名声で、マントの男たちは一斉にちらばる。すばやい動きで周囲の家やビルの屋上に飛び上がり、勇人たちを包囲した。


「貴様たち、そこの『獣人類(ジャガー)』の娘を渡してもらおう」


リーダー格の男が美亜を指さし、命令してくる。


「お断りだ。あんたたちはどこの変質者集団だ」


勇人に拒否されて、男は胸をそらした。


「我々は、『世界統合教会』の者だ」


「……勇人、気を付けて。こいつらこそが私たちを長年迫害してきた、亜人類ハンターたち」


祓い串を掲げた玲が変身していく。


「に、にゃっ?玲ちゃん、その姿は?」


「魔法巫女ウズメだよー。美亜ちゃんは私が守るからね」


変身した玲は美亜ににっこりと笑いかけると、彼女を守るかのように男たちの前に立ちふさがった。


「変身したということは、『女人類(ウイッチ)』だな。貴様も捕まえてやる」


リーダー格の男が合図すると、周囲に陣取った男たちが一斉にマントを広げてモモンガのように滑空してきた。


「な、何?」


意外な動きに、勇人の反応が遅れてしまう。その隙に男たちは美亜と玲の後ろに回り、彼女たちを捕まえて空に飛び上がった。


「マジかよ。人間が空を飛んだぞ」


「こいつらは、人間じゃないにゃ。うちたち亜人類の裏切者にゃ」


捕まった美亜が叫ぶ。それを聞いたリーダー格の男が、鼻でせせら笑った。


「裏切者?違うな。我らは亜人類の本来あるべき地位を取り戻すために活動しているのだ」


リーダーは、自慢そうに語りはじめる。


「我らの優れた身体能力、特殊能力は、人間などはるかに優れているのだ。亜人類とは、人間を支配すべく神に創られた種族。それなのに、人間を恐れて隠れ住む愚か者がなんと多い事か」


実に嘆かわしそうに、玲と美亜を見る。


「だから奴らを捕まえて再教育しているのだ。忠実な神の信徒になるようにとな。みるがいい。この美しい皮羽を。我らは『高人類(タカビー)』。短い時間ながら空をも飛べる、人類の進化した姿だ」


男たちは自慢そうに皮羽をひらひらさせる。


マントかと思ったのは、じつは皮でできた身体の一部である。男たちの脇の下には、モモンガのような伸び縮みする皮膜が生えていて、それを広げることで高所での活動を可能にしていた。


しかし、勇人は『高人類(タカビー)』たちの自負を鼻で笑う。


「くだらないな。どの種族が優れているとか劣っているとか。そんなもの、死んで魂だけになれば、何の意味もなくなるのに」


「なっ」


自らを否定され、高人類たちの顔が憤怒に染まる。


「言っておくけど、亜人類の間に優劣の差はないぞ。すべて俺という完成体を作り出すための実験体にすぎない。それぞれ秀でた能力の違いがあるだけだ」


「たわごとを!」


男たちが空中で銃をとりだそうとしたとき、勇人の胸のネックレスから一振りの剣が現れ、高く掲げられた。


「くらえ!『天震雷』」


雷神剣から巨大な雷球が発生し、上空に昇っていく。次の瞬間、天から無数の稲妻がおちてきて、『高人類』たちを打った。


「きゃぁぁぁぁ!」


「いやぁ!落ちるにゃ」


捕まえていた高人類の皮羽がズタズタに破れる。玲と美亜は真っ逆さまに地上めがけて落ちていった。


「おっと。危ない。『雷速移動』」


勇人は自らの身体を雷に変化させ、落下地点に先回りする。そうして、無事に二人を受け止めた。

「お帰り。怖かったか?」


「……ううん。助けてくれると信じていたから」


玲は嬉しそうに、勇人の胸に頬を摺り寄せる。


「い、いったい勇人君って何者にゃ。人間とは思えない強さだにゃ」


一方、美亜は勇人の腕の中で呆然としていた。


「あとで説明するよ。先にこいつらと話をつけないとな」


玲と美亜を地面に降ろし、勇人はリーダーに呼びかける。


「自慢の皮羽とやらも、破られたら人間と変わらなくなったな。これに懲りたら、美亜たちを狙うのをやめろ」


「ははは……それで勝ったつもりか」


リーダーは皮羽を破られながらも、勇人を嘲笑う。


「我々はおとりだ。本命の幼い獣人類を捕らえるために、すでにあのお方が動いておられる」


「あの方だって?」


「そうだ。我々の救世主に連なるあのお方には、誰も逆らえない。せいぜいあがくがいい」


そう言うと、リーダーは意識を失った。


「や、やばいにゃ。うちの正体がばれたということは、家族の身も危ないにゃ。助けにいかないと」

それを聞いた美亜は、真っ青になって屋根の上に飛び上がる。そのまま屋根を伝って自分の家の方に走っていった。


「ちょっ!待てって!仕方ない。俺たちも行こう」


「うん」


勇人と玲はタクシーを呼び、美亜の家に向かうのだった。


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