女人類(ウイッチ)
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「『女人類』の一族には、光を操って幻影を見せたり、相手の発する感情を読み取るといった不思議な力が宿る。その先祖は悪魔と交わって生まれてきた魔女だといわれている」
その特殊能力で、太古の時代は巫女として尊敬されていたという。
(なるほど、悪魔ね。ということは、彼女たちもデーモン星人の実験で生み出された、新人類のプロトタイプだったわけだな)
話をきいた勇人は、彼女たちも自分と似たような存在であることを理解する。
「しかし、人間との間に生まれるのはなぜか女の子のみ。数を増やすことができなくて、常に絶滅の危機にさらされていた。やがて、私たちの存在を不気味に思った人間たちから迫害されるようになって……」
玲はすんすんと鼻をしゃくりあげる。
「なら、どうして人間社会に潜んでいるんだ?人間から離れて自分たちだけの国を創ればよかっただろ」
勇人の突っ込みに、玲はうなずいた。
「勇人の言うことは正しい。だけど、私たち亜人類には、太古の昔から一つの予言がある。そのせいで人間社会から離れられない」
「予言……ねえ」
胡散臭そうな顔になる勇人に、玲はその予言を語りだした。
「やがて亜人類すべてを救ってくれる完成体『救世主』が、人間の高貴な血筋に現れるらしい。その予言を信じる各種族の王たちは、『12使徒』を名乗って世界中で活動している。なので私たちは迫害されても人間社会に潜み、救世主を探し続けた。でも……何世紀も見つかってない。ただの嘘だった」
玲は肩を落として、暗い笑みを浮かべた。
「今更私たちは人間社会を離れては生きていけない。だから、正体を隠してなるべく目立たないように平穏に暮らしているのに、あの子は怪盗義賊なんかして!」
人間社会の法律を無視して奔放に生きているアルカードに、怒りを募らせる。
「でも、人間に正体がバレた以上、亜人類ハンターの手から逃れるために、その国を去って放浪の旅に出なければならない」
落ち込む玲に、勇人は慌てた。
「要は俺がばらさなけりゃいいんだろ。心配するな。誰にもいわないから」
「……ありがとう。でも、美幸はきっと黙っていてはくれない」
「それも俺がなんとかするよ」
そう勇人は胸を叩くが、玲の顔色は優れない。
「……それに、亜人類ではない勇人に知られたとなると、長老たちが許してくれないと思う」
「そうか。なら、安心できるように俺の秘密も教えてやるよ」
そういうと、勇人の姿がどんどん変わっていく。体が巨大化し、頭に二本の突起が、背中には蝙蝠の翼が生えてきた。
「ひっ、そ、その姿は?」
「そうさ。俺も君たちの仲間の亜人類ってことになるのかな。『魔人類』という。よろしくな」
勇人は玲に手を差し出す。玲は困惑しながらも、おずおずとその手を握るのだった。
「まさか勇人も仲間だったなんて、びっくり。嬉しい」
しばらくして落ち着いた玲は、笑顔を浮かべて抱き着いてきた。
「そ、それで、この間もいったけど、君を……いや、君を含めた『女人類』を、雇いたい」
勇人は真っ赤になって照れながら、玲を勧誘した。
「……えっ?」
訳の分からないといった顔の玲を、熱心に口説く。
「俺に君たちの身柄を預けてくれないか?悪魔、つまりデーモン星人が大昔にしでかしたことなら、俺が責任とらないといけないしな。君たち『女人類』の一族を海設都市の住人として招きたい」
「……勇人♪」
正体を明かし、居場所を与えてくれるという勇人に感激していると、いきなりスマホに美幸からラインが来た。
『あんた、ちゃんとやったんでしょうね』
「えっと……まだだけど。どうしようか」
困ったように見つめてくる玲に、勇人はうなずく。
『う、うん。ちゃんとやった』
『なら、証拠の写メ送りなさい』
美幸はそう要求してきた。
「え、証拠って、どうすれば?……仕方ない。今から頑張ってやろう。どきどき」
なぜか嬉しそうに服を脱ぎかける玲に、勇人は慌てる。
「ま、待てって。そんなに証拠が欲しけりゃ、好きなだけくれてやるよ」
玲の手からスマホを受け取り、勇人はトイレにこもる。パシャパシャという音がトイレから聞こえてくる。しばらくして出てきた勇人は、なぜかすっきりした顔をしていた。
「……何してたの?」
玲が首をかしげた時、スマホの音が鳴った。
『誰がち〇ことお尻の穴の写真を送れっていったのよ。汚いもんみせんな!』
美幸からのラインには、怒りのスタンプが押されていた。
「……えっ?私のスマホに勇人の恥ずかしい写真が?ごくり。後で確認しないと」
瞳を輝かせる玲を放っておいて、勇人は玲のスマホに精神を集中させ、自らの身体を電気信号に変換させる。
「えっ?それって、アルカードと同じ力?」
「美幸にはお仕置きしないとな」
驚く玲をそのままに、勇人はラインを通じて美幸のスマホに侵入するのだった。
空美幸は、自分の部屋で寛いでいた。
「ふふふ……これで勇人の弱みは握ったわ。財閥の御曹司がと同級生とホテルに行ったなんてバレたら、マスコミの恰好の餌食になる。バラされたくなければ、私をパートナーに選ぶしかないわね」
そういって、ニヤニヤと笑う。
「まあ勇人みたいなダサい奴、興味ないけどね。奴と結婚したら、南方財閥から金をむしりとってやるわ」
バラ色の未来を想像して頬が緩む。
「玲の奴はどうしょうか。まあパパ活させても稼げるお金は知れているし、面白いからバラしちゃおう」
そういって、玲の変身シーンを自分のSNSに晒す。
「えっと、重大ニュース。魔法少女ウズメの正体は、弥勒学園に通う地味女だった……って。キャハハ。これで明日にはバズっているわね」
『新しい記事が投稿されました』という表示を確認してスマホを放り出す。しかしそのスマホの中には、電子体となった勇人が潜んでいた。
「間一髪だったな。なんとかネットに晒されるのをとめることができた」
スマホの内部に入りこんだ勇人は、虚偽の表示をして美幸をだましていた。
「しかし、こいつ俺まで強請る気だったのか。とんでもない性悪女だな。よし。すべての証拠を消して……」
ホテルに入る写真と玲の変身シーンの画像を完全に消して、すべての証拠を隠滅する。
「しかし、こいつ本当に遊びまくってやがるな。スマホの中には男とのベッドシーンばかりじゃねえか」
中のデータを確認して呆れてしまう。何人もの男をとっかえひっかえして遊んでいる写真ばかりだった。
「ちょうどいい。お仕置きといくか」
勇人は美幸の秘密の写真を、SNSに投稿する。そして彼女の父親が経営する大手IT携帯会社のホームページにもリンクを張った。
「これでいい。後は勝手に自爆してくれるだろう」
そう思った勇人は、満足して戻っていくのだった。
そして一時間後、美幸のスマホが鳴る。
「もしもし……って、なんだ彼ピじゃん。どうしたの?」
彼氏から電話が来て甘い声を出すが、相手から怒鳴られてしまった。
「てめえ!つきあってるの俺だけじゃなかったんだな。てめえとは別れる!二度と連絡してくるなよ」
付き合っている大学生の彼氏からは、一方的に電話を切られてしまった
「え?え?」
困惑していると、次々に電話がかかってくる。
「このビッチが!」
「恥知らず!」
「絶縁だ!」
キープしていた男たちからも、捨てられてしまった。
「な、なになに?なんなのよ!」
慌てた美幸が自分のSNSを確認すると、投稿したはずの玲の変身シーンなどが消えており、その代わりにスマホに保存していたさまざまな男たちとのベッドシーンが晒されている。
「うわー空ちゃんって大胆」
「いや、ただのビッチでしょ。やばすぎ」
今までファンだったフォロワーからも、ドン引きされていた。
それだけではなく、今までのいろんな子をいじめてきた動画も晒されている。
「ないわー。犯罪者じゃん。怖いよね」
「こいつの住所もさらされている。みんなで凸しようぜ」
その動画を見た人々は義憤にかられ、美幸を糾弾していた。
「な、なんでこんなものが流出したの!と、とにかく消さないと」
焦ってスマホを操作するが、どうやっても消えない。さらに、父親からも電話がかかってきた。
「美幸!どういうことだ!お前のせいでうちの会社に利用客から苦情が殺到しているんだぞ!もうお前は勘当だ!覚悟しておけ!」
「そ、そんなぁ!いやぁっ!」
父親から見捨てられ、絶望する美幸だった。
その後、全国に恥をさらしてしまった美幸は、弥勒学園を退学させられ、今まで虐めてきた子からも訴えられてしまう。
外を歩けなくなった彼女は、ずっと家にひきこもってでてこれなくなってしまうのだった。
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