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幽谷玲

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また、読者の意見も参考にしたいので、どんどん感想もお寄せください。それによって展開に反映したりします

一方その頃、会場近くの裏路地では、魔法巫女ウズメが顔を覆ってうずくまっていた。


「……恥ずかしい。勇人にこの姿を見られてしまうなんて。危ないところだった」


しばらく顔を真っ赤にして悶々としていたが、人気がないことを確認して変身を解く。正体を現したのは勇人のクラスメイトである幽谷玲だった。


「……今日は厄日。もう家に帰って……」


「魔法巫女ウズメの正体、みーちゃった」


その時、軽薄な声が響く。驚いて振り返った玲が見たものは、スマホを構えて路地から出てきた空美幸だった。


「驚いたわ。まさか今話題の魔法巫女ウズメが、地味女のあんただったってね。いい画像がとれたわ」


美幸は意地悪そうな顔をして、スマホをみせびらかす。それを聞いた玲は、真っ青になって土下座した。


「……お、おねがい。内緒にして。バレたら日本にいられなくなるの!」


「えー、どうしょっかなー。なら、ちょっと私の言うことを聞いてもらおうかなー」


ニヤニヤ笑いを浮かべた美幸は、玲にあることを命令した。


「い、いや。そんなこと出来ない」


「なら、この画像をネットに晒すわよ。言っとくけど私はフォロワー数十万人のインフルエンサーよ。パパにも協力してもらって、全国にこのことを広めてやるわ」


「……わかった……」


玲はがっくりと項垂れて、美幸に従うのだった。



「怪盗義賊アルカードのほうは全国の学生データの中に該当するものはありませんでしたが、魔法巫女ウズメの正体は判明しました。彼女は勇人様のクラスメイト、幽谷玲ですね。身体特徴が完全に一致しました」


分析が終わり、ナイトがそう報告してくる。


「完全に一致?髪の色とか違っていたぞ」


「それは電気信号をコントロールして作り出した幻影です」


空中に浮かんだ魔法少女ウズメの映像が、徐々に光の波長を変えられていく。すると、黒髪の玲の姿に変わった。


「面白いな。俺と同じような電気を扱う力を持っているわけか」


「ええ、彼女はある意味マスターの下位互換といえるでしょうね。もしかして、我々が太古の昔に地上に放った実験体の末裔なのかもしれません」


ナイトは冷静に分析した。


「まあいい。それなら一度じっくり腹を割って話し合ってみようか」


勇人はそう決めると、次の日の授業の終わりに玲を誘う。


「一緒に帰らないか?ちょっと話があるんだけど」


「ひっ、勇人」


玲はびくっとして離れるが、美幸に睨みつけられて、しぶしぶうなずく、


「……わかった。私も勇人に話がある」


なぜか玲は、真っ赤になってうつむいた。


「わかった。それじゃどこかファミレスでも……」


「……とにかく、ついてきて」


そういって、無理やり勇人の腕を引っ張る。その後を、空美幸がニヤニヤしながらついていった。


勇人が連れてこられたのは、学校から少し離れた繁華街にあるラブホテル街だった。


「お、おいおい。ここは……」


「……お願い。私と一緒に、ホテルに入って」


玲は、とんでもないことを言ってきた。


「まさかのパパ活?」


「違う!でも、そうしないと……」


いつも大人しい玲が、必死になって上目遣いで頼み込む姿に、勇人は根負けしてしまう。


「わ、わかった。とにかく入ればいいんだな」


二人で人目を気にしながらホテルにはいる。


隠れながらついてきた美幸は、その様子をスマホで隠し撮りした。


「受けるわー。これをネタにして、あいつらを強請ってやろう。うまくいけば金づるにできるし、玉の輿にものれるかも」


勇人を脅して手に入れるネタが入ったと、美幸は悦に入るのだった。



ホテルの中。


「……初めて入った。中はこんなふうになっているんだ。はあはあ。このベットの上であんなことやこんなことを……」


中に入るまでは恥ずかしがっていた玲だったが、今まで見たこともない部屋をみて興奮している。逆に勇人のほうが恥ずかしくなっていった。


「そ、そろそろ話してくれよ。なんで俺とホテルに入ったんだ?」


勇人がそう聞くと、玲はベッドの上でちょこんと正座して頭をさげた。


「……迷惑をかけてごめん。実は、恥ずかしい姿を写真を撮られてしまって、脅されているの。ネットにさらされたくなければ、勇人を誘惑しろって……」


そう言いながら、玲はシクシクと泣き出した。


「恥ずかしい姿ってこれのことか?可愛いと思うけどな」


勇人がスマホで魔法少女ウズメの映像を見せると、玲は叫び声をあげて飛び上がった。


「……ひっ。なんでそれを!」


「いや、普通に顔は一緒だから」


勇人はそう突っ込んでしまう。


「ああ……ついに正体がばれてしまった。もうこれで、何もかもお終い。うわーーん」


ベッドに伏して号泣する玲に、勇人はほとほと困ってしまった。


「そ、そんなに泣かないでくれ。悪かったよ。とりあえず金でも要求されているんだろ、これで足りるか?」


勇人はカバンから札束を出す。しかし玲は首を振って受け取らなかった。


「いらない。どうせお金を渡しても、これからもずっと変身写真をネタにして脅される。そしてパパ活を強制されて、オジサンたちとあんなことやこんなことを……はぁはぁ……ああ、なんて可哀想な私なんだろ……」


「あの、なんか喜んでませんかね?」


何やら妄想して息を荒くする玲に、勇人は突っ込んでしまう。


「……違う。でもさすがに初めてを知らない人に捧げるなんて嫌。友達の勇人だったら……や、優しくして」


玲は震えながら制服の胸元リボンをしゅるっと外して、ベットにこてんと寝ころんだ。まるで人形のように華奢で美しい姿に、勇人はごくりと唾を飲み込む。


「いっただきまーす。って、できるか!」


思わずル〇ンダイブで飛び掛かかりたくなるが、理性を総動員して突っ込んだ。


「……金髪巫女のほうがいいの?マニアックなご趣味が」


「そうじゃなくて。それより聞かせてくれ。君たちはいったい何者なんだ??」


そう水を向けられて、玲は少しずつ話し出した。


「……私たちは亜人類とよばれる人類の亜種。アルカードは『血人類(バンパイア)』、そして私は『女人類(ウイッチ)』とよばれる一族の末裔」


玲が語ったのは、『女人類ウィッチ)』がたどった苦難の歴史だった。


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