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執事たちへのしつけ

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また、読者の意見も参考にしたいので、どんどん感想もお寄せください。それによって展開に反映したりします

捕まえようと伸ばされた腕を、勇人は迎え撃つ。両者はがっぷりと四つ手に組みあった。


「はっ。てめえごときが俺と組み合うつもりか。指をへし折ってやるぜ」


達夫はそういって腕に力を込めるが、勇人は組み合ったまま動かない。


自分の半分も体重がなさそうな勇人を屈服させることができず、達夫はいらだった。


「な、なんでお前みたいなもやし野郎に、こんな力が」


「チンパンジーの握力は人間の十倍以上、500キロだって知っているか?でもその筋肉量は人間と大差ない。その違いがなぜかわかるか?」


達夫の指に圧力をかけながら、勇人はつぶやく。


「そ、それが何だってんだ」


「その答えは、筋肉を制御する神経プログラムにある。人間は手先を使って細かな作業するために制御に特化されているが、チンパンジーは出力に全振りしているんだよ。『魔人類(デモンズ)』である俺は意識的にその両方を使いこなすことができる」


勇人の腕に電流が奔る。それにつれて握力がどんどん増していった。


「い、いてえ!」


組んでいる指からミシミシと音がして、どんどん有り得ない方向に曲がっていく。へし折られる寸前に、達夫のほうから振り払った。


「どうした。それで終わりか!」


「てめえ!」


恐怖に駆られた達夫は、がむしゃらにパンチとキックを繰り出す。しかし、勇人は稲妻のようなすばやい動きでそれをかわし、一撃も当てられなかった。


数分後、汗まみれで息を切らした達夫と涼しい顔をした勇人がリングの中央で向かい合う。


「どうした。もう疲れたのか?」


「うるせえ!ちょっと待ってろ」


達夫はいったん距離をおき、息を整えた。


(だめだ。こいつをとらえきれねえ。お、落ち着け。俺は元プロだ。こういう小回りが利く相手に対しては……)


大きく息を吸った達夫は、見せつけるようにその腹筋を勇人の前に晒した。


「ふっ。逃げるばかりじゃ勝てねえぜ。今度はお前のほうから攻撃してみな。受けてやるぜ」


「そうか。なら遠慮なく」


次の瞬間、閃光のように動いた勇人の肘うちが鳩尾に入る。腹筋に力を入れて防御していたにもかかわらず、ボキっという音がしてあばら骨に激痛が走った。


「かはっ」


崩れ落ちそうになるが、根性で耐える。そして勇人を捕まえると、そのまま高く持ち上げた。


「捕まえたぞ。このまま首から落として……ギャッ」


「馬鹿が。捕まえられたのはお前だよ」


ビシッという音が響いて、達夫は勇人の身体を取り落とす。勇人は空中で持ち上げた達夫の手の指をつかんで、容赦なく折ったのだった。


指を抑えてうずくまる達夫に対して、勇人は冷たく告げる。


「最後の忠告だ。負けを認めて俺の奴隷になる気はないか?」


「だ、誰がお前なんかに……ぐっ⁉」


最後まで言い終わらないうちに、勇人のストレートパンチが繰り出され、達夫の歯をすべて叩き折っていた。


「そ、それまで!試合終了だ!」


執事たちがカンカンとゴングを叩いて止めようとするが、勇人はリングから降りない。


「試合?何を寝ぼけた事を言っているんだ?これはご主人様が飼い犬に躾をしているだけだ。躾をしてもどこまでも従わない狂犬なら、処分しないといけないな」


達夫の髪をつかんで引っ立てる。パンツの間からチョロチョロと小便が滴り落ちた。


「あ、ああああ……や、やめてくれ。俺が悪かった。いや、悪うございました。今後はあんたに尽くすから」


血だらけの口で必死に命ごいをするが、勇人は残酷な笑みを絶やさない。


「心配するな。殺しはしないさ。ただ、子孫は諦めるんだな」


そういうと同時に、勇人は達夫の股間に強力な膝蹴りをくらわせる。


「ぎゃぁぁぁぁぁぁ」


激痛がはしり、満男は白目をむいて倒れるのだった。



「な、なんてことを」


「試合終了だって言ったのに」


股間を完膚なきまでに潰された達夫を見て、周囲の執事たちが恐れおののく。


「誰が試合だって?ここは制裁の場だって俺は言っているだろう」


勇人が執事たちをじろりと見渡すと、彼らは怯えた表情を浮かべた。


「だ、だけど……急所攻撃は反則だろう」


「何をふざけたことを。制裁に反則もクソもあるか。さて、次は誰だ?」


執事たちを挑発するが、誰もリングに上がろうとしない。


「そこの奴、次はおまえだ。上がってこい」


勇人が一人のやんちゃそうな執事を指さすと、彼はぶんぶんと首を振った。


「い、嫌だ。……あんたは悪魔だ。人間のすることじゃない」


執事が恐怖に震えながら言った言葉を、勇人は聞きとがめる。


「悪魔って……このことか?『魔人変化』」


勇人の身体が変わっていく。筋肉が内側から盛り上がり、一回り大きくなった。さらに頭から二本の突起が勃起して、背中から蝙蝠の羽が生えた。


「そ、その姿は?」


「ああ。これが新人類『魔人類(デモンズ)』の姿だ」


達夫以上の巨体となった勇人は、容赦なく倒れている達夫を踏みつぶす。足をへし折られた達夫は、あまりの痛みに叫び声をあげて悶絶した。


「さて、俺に挑戦する奴はまだいるか?」


巨大な悪魔となった勇人に睨みつけられ、執事たちはいっせいにその場に土下座する。


「ご、ごめんなさい。命だけは助けてください」


「御見それしました。今までのご無礼を謝罪します。どうかお許しください」


必死に命乞いをする執事たちに、勇人はニヤリと笑いかけた。


「いいだろう。ただし、今までの無礼の罰で、給金はしばらく半分だ。屋敷を辞めることも許さない。お前たちは一生俺の奴隷だ」


勇人の二本の角から電流が奔り、執事たちを打ち倒す。心臓の位置に『隷』の文字が焼き付けられた。


「それは『雷呪紋(サンダータトウ)』だ。俺の意思が込められた電気プログラムが入力されており、俺の指令でいつでも発動させることができる。こんな風に」


勇人が指を鳴らすと、文字から電流が流れて、執事たちの心臓を直撃する。


「く、苦しい!」


「た、助けてくれ」


胸を押さえてもがき苦しむ執事たち。五分ほど地獄の苦しみを味わった後、ようやく胸の痛みは治まった。


「これで誰に従うべきか、よくわかっただろう。今後は奴隷として命がけで俺に尽くせ」


「は、はいっ」


執事たちは土下座したままうなずく。


こうして、勇人は執事たちを支配するのだった。



勇人が執事たちに連れていかれるのを見て、メイドたちはニヤニヤと嗤っていた。


「ざまぁ。あいつは執事さんたちにボコボコにされて、屋敷から追い出されるわね」


「これで一安心ね」


執事たちの力を借りて、勇人たちに復讐できると思ってメイドたちは悦に入る。


やがて、訓練所から苦痛の絶叫が聞えてきた。


「あははっ。執事長にお仕置きされて、泣いているわね」



「おしっこ漏らしているんじゃない?」


「そっかー。おむつでも買ってくればよかったかな」


好き放題に勇人をこき下ろしながら、執事たちの制裁が終わるのを待っている。


「あいつ……絶対に許しません。堂満さんたちのしつけが終わったら、次は私が仕返ししてやります」


頬に湿布をあてた直子が、憎々しげにつぶやいた時、執事たちが訓練所から戻ってきた。


「お疲れさまー。あれ?執事長は?もしかして二人っきりで勇人をしつけているの?」


「ああ、執事長ってそういう趣味があるって噂だからね」


「きゃー」


無邪気にはしゃぐメイドたちだったが、執事たちが暗い表情をしているのに気づく。


「みんなどうしたの?暗いよー」


明るくおどけながら話しかけてくるメイドたちに、執事は怒りの視線を向けた。


「ふざけてんのか?てめえらのせいで、俺たちは……」


執事の一人が、悔しそうに胸の雷呪紋を押さえる


「えっ?どうしたの?」


「こうなったらてめえらも道連れだ!」


その言葉と同時に、執事たちは一斉にメイドたちに襲い掛かる。


「え?えっ?なんなの?」


メイドたちは訳も分からないまま、執事たちに縛り上げられてしまうのだった。


「いたい!なにするんですか!こんなことをして、正人様に言いつけますよ」


「うるせえ!黙れ!」


ヒステリックに叫ぶ直子を、執事の一人が殴りつける。


「な、何があったの?まさか、執事たちまで裏切ったんじゃ……」


不安そうに執事を見るメイドたちだったが、訓練所から運ばれてきた物体を見て悲鳴をあげる。


「きゃぁぁぁぁぁぁぁ」


執事たちに引っ立てられてきたのは、すべての歯がへし折られて気絶している達夫だった。


続いて、余裕の笑みを浮かべた勇人がやってくる。


「こいつを新田組に送り返せ」


「は、はいっ」


執事たちは、気絶している達夫を連れて去っていった


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