9.旅館の中を探検
旅館の中は1階と2階があり、「すごい!すごい!」と言いながら2人で探検を続けた。子供の時に戻ったみたいだ。
1階にはまず、衣装部屋があった。浴衣・甚平・着物が店を開けるぐらい大量にあることに驚いた。着物の着付けの仕方を学んでいてよかったあ。これで着る服にも困らないだろう。
次にキングサイズのベットと、机と椅子がある部屋があった。この部屋をわたしとミイちゃんの部屋にすることにした。
2階にいくと、和室の客間が3部屋あり、温泉旅館そのものだった。次に、大人数が入れそうな大部屋とキッチンがある。キッチンには、冷蔵庫・IH・お皿や鍋などが揃っており、異世界ではなく、日本にいるのかと思ったほどだ。電子レンジとオーブントースターはなかったが、IHがあるので、全然生活に困ることはない。
また、冷蔵庫には500mlのペットボトルが2本入っており、中には、なんと、麦茶が入っていた。喉が渇いていたのを思い出し、ミイちゃんと2人で一気に500mlを飲み干してしまった。麦茶には限りがあるからもっと慎重に飲めばよかった…と後悔した。空のペットボトルを冷蔵庫に戻し、扉を閉め、また冷蔵庫を開けてみると、空になったはずのペットボトルに麦茶が入っていたのである。どのような仕組みかはわからないが、麦茶大好きな私にとっては、最高の仕組みだ。
さらに、水洗トイレが1階と2階の各部屋に設置されているのが1番嬉しかったかもしれない。いつも異世界の漫画を読んでいて、みんな困っていることだからだ。水道や電気(IHを含む)を無限に使える仕組みもよくわからないが、深く考えたら負けだと思い、神様の好意に甘えることにした。チートギフトをありがとうございます。
探検をしているときに、ミイちゃんが小さくなれることがわかった。小さくなると日本で生きていたときのサイズと同じなので懐かしく感じる。家の中では小さい方が便利らしく、基本的には小さいサイズで過ごすようだ。
喉も潤い、部屋も大体探検したところで、最後のメインイベントの出番だ。その名も、「温泉に入ろう!」である。温泉を見て入るのは、最後の楽しみのためにとっておいたのだ。
「温泉旅行に来たみたいで楽しみだなぁ」
「露天風呂もあったら嬉しいのー!」
遠足のときみたいに、ワクワクドキドキしながら脱衣所で服を脱ぎ、温泉の扉を開けたーーーーーー
「わぁぁ、すごい…」
室内には、大きなお風呂が1つとシャワーをする場所があり、外には、露天風呂と缶風呂が2つあった。
そこで、2人は今日は露天風呂に入ることにした。
「あぁぁぁぁ、お湯が身に染みるよぉ〜」
「温泉最高なのー!毎日入りたいのー!」
ミイちゃんもお気に召したようで、ぷかぷかと浮かんでいる。そういえば、日本で生きている時も、ミイちゃんはお風呂が好きだったなぁと思い出す。