4.ここはどこ?
「アリサちゃん、もう落ち着いたの?」
「うん!もう大丈夫!ミイちゃんありがとう」
ミイちゃんにもたれ掛かりながらわたしは答えた。嬉し泣きとはいえ、こんなに泣いたのは、両親のお葬式の時以来かもしれない。家族であり、姉妹のように育ったミイちゃんが生きていて本当によかったと心の底から思った。
「あぁぁー!そういえば、ここってどこ?!」
ミイちゃんとの再会と人間の言葉を話せることが嬉しすぎて、すっかり忘れていた。周りを見渡しても木ばかりでどう見ても森の中だ。
「あのね、多分なんだけど、異世界に転生したんだと思うの!」
「やっぱり、ミイちゃんもそう思うよね?!わたしもちょっとそうかなって思ってたの!」
異世界系オタクのわたしにとってはとっても嬉しい話だ。ミイちゃんも一緒だし、日本に思い残すことはほとんどない。強いて言うなら、異世界漫画の続きが読めなくなることと、職場の温泉旅館のことぐらいだ。だが、いま考えても日本に戻れるかわからないし、なるようになるかなぁと思い、異世界生活を楽しもうと決めた。
「ミイちゃん本当におっきくなったんだねぇ、もふもふ最高〜」
ミイちゃんの顎下を両手でわしゃわしゃと触りながらもふもふに癒された。目を瞑りながら、気持ちよさそうにしているミイちゃんの姿は本当に可愛すぎる。ああ、うちのミイちゃんが尊いです。神様ありがとう。
「そういえば、アリサちゃんもね、髪の毛の色とか見た目がちょっと変わって、前も可愛かったけど、もっともっと可愛くなってるの!」
「え、わたしも変わっているの?!」
髪の毛を前に持ってきて見てみると、今まではストレートの茶色だった髪色が綺麗なカールがかかった金髪になっていた。まるで、異世界漫画に出てくるお姫様のようだ。それに、ミイちゃんいわく身長も縮んでおり、年齢も15歳ぐらいに若返っているみたいだ。
「ほんとに変わってる!顔は鏡がないから見えないけど、ミイちゃんがそう言ってくれるから嬉しいな〜」
信じてないのー!と言いながらミイちゃんが戯れてきた。