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2.異世界へ
わたしが住んでいる街中をミイちゃんと歩いて行く。ミイちゃんは猫だけど、お散歩が大好きなんだ。今日は家から15分ぐらいの、木が生い茂っている場所まで行く予定だ。両親が生きているとき、よく行ったのを思い出しながらぼんやりと歩いていた。
ーーーーーキイイイィィィ、ガシャーーン
突然大きな音が聞こえて、何かがぶつかった音がした。何秒間か時が止まったような気がした。
ぶつかったのは家でも電柱とかでもなく、わたし自身にだった。突然ことすぎてわたしは自分の身に起きたことを理解するのに数秒かかった。
わたしにぶつかったと理解してからは、はやかった。とてつもない痛みに襲われ、頭から血が出ているのがわかる。
わたしのことよりもミイちゃんは?!無事?!せめてミイちゃんだけでも無事でいて欲しい。うっすらと目を開けた先にミイちゃんが見える。ミイちゃんも横たわっていて、血を流していた。ミイちゃんに手を伸ばし、あと少しで届くというところでわたしの意識がなくなってしまったーーーーーー