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勇者さま! 勇者さま! 個性的なお仲間はお好きですか?  作者: 黒玲白麗
第一章『始まりの街 アスタート』編
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05 ルノ、幼児を拾う

 俺はルノ。目に当たる何かの光が眩しくて目が覚めた元村人の勇者だ。


 ん〜。朝か〜。ん? 朝?  何で俺は寝てんだ? 確か俺は昨日宿が取れなかったから、夜の森に野宿をしに来て、それからアスタートの方がすごい騒がしいし、夜の森は怖いから全然眠れなくて焚き火の前で座っていたら、なんか白い人? みたいのを見て怖いって思ってからの記憶が無いんだが、どうしたんだっけ? 


 と、俺はそれから何で寝てしまったのか考えていると、俺の寝ていた所から少し離れた草むらでガサ、ガサと聴こえて、なんかすぅすぅと寝息みたいのが聞こえる。俺は草むらを覗いてみる。


「な、何でこんな所に幼児(おさなご)が?」


 幼児がいた。真っ白い幼児が。その幼児は草むらの中で仰向けの大の字で寝ていた。俺はひとまず幼児に声をかけてみる。


「すまないがおきてくれないか?」


 と言いながら俺は幼児の身体を少し揺すってみても幼児は全く起きない。それどころか(よだれ)を垂らしながら寝言を言い出した。


「お、美味しそう」


 幼児は満面の笑みである。どうやら何かを食べようとしている夢を見ているのだろうか。あまり可愛い笑みを浮かべる物だからもうちょっとみていたいけど、俺は再度幼児を起こそうとする。


 だが幼児はそれでも起きない。その後も中々起きないので最終手段として財布から硬貨を2枚取り出して幼児の耳元で2枚の硬貨を擦り合わせる。


 すると硬貨からギャリンギャリンという音が聞こえて来る。中々に不愉快になる音だ。例えるなら黒板引っ掻きの威力を抑えて耳元に流せば飛び起きるくらいの不愉快さだ。それを幼児に聞かせると、


「ひゃわ!」


 となんとも可愛い声と共に飛び起きた。幼児は起きると辺りを見て、俺を見つけたのか俺をじーっと見てくる。そして幼児が立ち上がり近づいて来る。幼児は俺の目の前にくると声を掛けてきた。


「おはよう。お兄さん。昨日は大丈夫だった?」


 と聞いてきた。昨日? 大丈夫だったとは? 俺は何故昨日寝てしまったのかこの子なら知っていると思い、聞いてみる。


「昨日、俺に何かあったのか?」


「うん! なんか昨日ね、お兄さんが私を見て急にね、倒れてたの。目なんか真っ白だったよ!」


「そうなんだ。教えてくれてありがとう」


 なるほどつまり昨日、俺は夜の森でこの子を見て勝手に驚いて白目剥いて気絶したと。・・・・カッコわり〜。つうかダサい。いくら夜の森が苦手だからって初対面の人を見て驚いて気絶とか、相手に失礼だし、恥ずかしいわ。

 

 まぁ何で俺が気づいたら朝を迎えたのかは、わかったな。そう言えばこの子は誰だ? よくよく考えれば何で夜の森に小さい子が一人でいるんだ? とりあえず話を聞いてみよう。


「そういえば、君は何で昨日森の中にいたの?」


 俺はそう聞いてみると、変な答えが返ってきた。


「わかんない」


「わからない?」


「うん。気が付いたら森の中にいたの。それでわたしの家とかすんでいたところも思いだせなくて」


「そう....なんだ」


「あ、でもなまえわかるよ。ノルンっていうの」


「そっか、ノルンちゃんか〜」

 

 オイオイオイオイ、なんかすっげぇ厄介事の匂いがしてきたぞ。森の中に幼児が一人でいて、自分の名前以外何にも覚えてないなんて、絶対厄介事じゃん! 


 まぁまだ厄介事だと決まったわけじゃ無いし? 話をもうちょい聞いてみるか。っとその前にノルンを連れて朝飯でも食べに行くか。


「ノルン。お腹は空いていないか?」


「おなか? すいた!」


「そっか。なら一緒に朝ごはんでも食べないか?」


 するとノルンは目を輝かせて、


「いいの! ごはんたべる!」


 と元気よく返事をしてきた。よしなら早速、朝飯を買いに行きますか。俺はノルンの手を引いてアスタートに向かった。

 どうも黒玲白麗です。いや〜ルノ君が見た白い人の正体は幼い子供でした。にしても夜の森に子供が一人だなんて厄介事の匂いがぷんぷんしますね! さて次回はルノ君が美味しい朝ご飯を食べます! 厄介事がなければ。

さて次回は、06 ルノ、ノルンと朝ご飯を食べる です

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