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勇者さま! 勇者さま! 個性的なお仲間はお好きですか?  作者: 黒玲白麗
第一章『始まりの街 アスタート』編
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03 ルノ、宿に着く

 俺はルノ。今さっき冒険者申請を終えて冒険者になった元村人の勇者だ。俺は今、宿を取るためリナさんが言っていたオススメの宿に向かっている。


 出来れば今日中に商業ギルドまで行きたかったけど、日が沈んできたから今日は宿を取れたら取って、明日商業ギルドに行こうと思う。


「さて確か商業ギルドの前の十字路を左に進んで右側に宿だったよな」


 俺はリナさんが教えてくれた道のりを進んでいく。途中で商業ギルドの近くを通るから商業ギルドを見てみると確かに屋根は緑だった。


 でも冒険者ギルドと違って木造の建物じゃなくて、レンガを使った建物みたいだ。その上二階建てじゃなくて三階まであるな。しかも見る限り冒険者ギルドより大きく感じるけど気のせいかな?


 まぁ、いいや。俺は商業ギルドを見ながら十字路を左に曲がって進んでいく。進みながら、周りを見てみる大通りと全然違って驚く。大通りと同じで出店は出ているみたいだが売っている物が全然違う。


 大通りの方は、串焼きや乾き物などの食べ物を売っていたが商業ギルドが近いからか宝石やアクセサリーなどが売られていた。でも俺が驚いたのはそこじゃない。なんと出店の前に両腕に女性を組んでいる男の姿があったからだ。男は背中に大きな剣を背負っており防具もつけているから見た感じ冒険者みたいだ。


 俺はさりげなくその冒険者の横を通り耳を澄ます。先に言い訳をしておくがたまたま冒険者の横を通ったら会話が聞こえてしまっただけだ。耳を澄ませていたのは周りの騒がしい声にである。うん。まあいいや。 さてどんな事を話しているかな?


「ねぇねぇ、ギアロさん! このネックレスどうかな?」


「こっちのイヤリングはどう? ギアロさん!」


「騒ぐな騒ぐな。どっちも似合ってるよ。そうだ今日はクエストがうまく行ったからどっちも買ってやるよ」


 なるほどあの冒険者ギアロっていうのか。それで女性達は、クエストでがっぽりのギアロさんにねだっているのか。買ってあげるのかギアロさん。優しいのかな? 


『『きゃー! 流石はギアロさんです!』』


「ふっ。そう褒めるな、褒めるな。照れるだろう」 


 ギアロさんはそう言ってドヤ顔する。うわ〜、なんて言うか優しい人かと思ったけどなんかあのドヤ顔はムカつく。なんか買ってあげた自分に酔ってる感じで。


 にしても冒険者はやっぱり強くて高ランクのクエストを達成できる冒険者はモテんのか。あんなドヤ顔が腹立つ奴でも。あぁ、俺もモテたい。


 だって村にいた頃は、若い女の子は、従姉妹のアルンしかいたかったからな。恋愛したくても出来なかった。ん? アルンと付き合えば良いだって? 馬鹿野郎! 家が隣で親同士が血が繋がってるのに付き合えるか。絶対に気不味くて無理だわ。


 って俺はどんだけアホな事を考えてるんだよ。ただ男女同士がラブラブしてるだけでこんな事を考えちゃうくらい女の子に飢えてんのか? 俺・・・・。うん。


 まあとっとと宿に行こう。いや別に男女のラブラブが見たからじゃないからね? 本当だよ? ルノゼッタイウソツカナイホントウホントウ。


 気を取り直して歩いていくと宿に着いた。屋根は青で、看板には、《蒼の燕亭》と書かれていた。


 どうやらここであっているみたいだ。俺は蒼の燕亭に入っていく。すると可愛らしい女の子が居た。


「いらっしゃいませ! 蒼の燕亭にようこそ! お食事ですか? 休憩ですか?」


 女の子は元気な声でそう言ってきた。どうやら女の子はこの宿の従業員だった様だ。俺は宿に泊まれるかと聞いてみる。


「あの、今日泊まれますか?」


「お泊まりですか? 部屋が空いているか確認してきます!」


 女の子はそういうと、奥の方に入っていく。宿に泊まれたらこの世界で初めてのベットで寝れる。疲れたから早く寝たい。そう思っていると女の子が帰ってきた。


「申し訳ございませんが今、部屋の方が満室でして、泊まる事が出来ません」


 ・・・・? M・A・Z・I・D・E⁉︎ 嘘だろ⁉︎ やっとまともな所で寝れると思ってベットにどうダイブするのかまで考えていたのに。


 ま、まぁ他にも宿は、あるでしょ。流石にどこも空いてないなんて事はないよな?


 なんて思っている時もありました。あの後、どこ行っても満室でした。


「はぁ〜。自分でフラグ建てんじゃなかった」


 本当に建てんじゃなかった。だって普通、異世界物だと宿が取れてなんだかんだで宿屋の子と仲良くなるパティーンじゃないの? なのに宿を取れない俺って......。

 

 マジか〜。俺氏、アスタート生活1日目は野宿です。

 

 

 どうも黒玲白麗です。いや〜ルノ君まさかまさかの宿に泊まれませんでしたね! どんまい! 

 

 さて次回は、ルノ、野宿する です。

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